
「八百卯」はどうやらもう、閉めてしまったようですね…。 そこからほんの数十歩、角のコンビニ方向へ。 一階はシャッターの閉じた雑居ビル。 そこから上のファサードは、洋館のそれのような煉瓦積みの意匠。

その額縁の在り処を探すように、雑居ビル二階の狭い通路に出る。 通路の突き当たりにあるドアには誘うような気配があるものの、そこに店の名はない。 その代わりに、Apple社よろしく、林檎を象った白抜きのロゴマーク。 それが、バー「カルバドール」への入り口となる。
ファサードの煉瓦と繋がるデザインに思うシックなインテリアの店内は、 ゆったりとした変則L字のカウンター。 「カルバドール」は、ご存じ林檎の蒸留酒、カルヴァドスのラインナップ漲るバーなのだ。


カウンターに並んだボトルたちは、クラシカルでアンティークな雰囲気と表情を魅せている。

全部がそうという訳ではないけれど、 壁一面のボトルの多くがカルヴァドスのそれであり、なかなか壮観な眺め。

あれって、「Tony’s Bar」のコースターですね。 そう問い掛けられた高山さん曰く、 老舗バー「Tony’s Bar」とは、「サンボア」他のマスター共々交流があって、 閉店に際しても足を運んで、終末を見守りました。 寂しいものですけどね、と。
柔和で温厚な表情に、素朴で真摯なリスペクトが混じる高山さんに、 今度はストレートでおススメをとお願いします。


もう一杯はと、高山さんが選んでくれたのが、 「ルモルトン ヴュー・カルヴァドスLemorton Vieux Calvados 1968」。


高山さんのお話を要約すると、 カルヴァドスは、フランス北西部のノルマンデー地方でつくられる、 林檎を主原料とした蒸瑠酒。 例えばシャンパンと同様に原産地呼称規制(AOC)の対象で、 ノルマンデーの所定の地域でつくられたものしかカルヴァドスとは呼べない。 中には洋梨を含むものも少なからずある。 ということになる。 しまった今まで縁遠かったものなぁと、少々後悔したりして(笑)。
一杯だけと訊ねた別の夜。 ほぼ満席のカウンターの隅でいただいたのは、「ビュネルBusnel VSOP Pays d’Auge」。


カルヴァドスに力点を置いた稀有なオーセンティック・バー「カルバドール Calvador」。

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「カルバドール」 京都市中京区妙満寺前町446 若林ビル2F [Map] 075-211-4737
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