
夕方から強く降り出した雨の中。
今夜は、時折徘徊する麻布十番パティオ方面へのエスカレータではなくて、二の橋方向へ。
階段の上で傘を開くと骨が二本折れている。
ああ、あの台風でやられたヤツだ(笑)。
折れたままの傘で仕方なく、目的地を探します。
通り沿いに見当たらないので、はて?と思うも、
改修の足場に囲まれたビルの横っ面にその灯りが見つかりました。
ひっそりと暖簾の紅ばかりが目を引く、久留米ラーメン「福ヤ」のファサード。
でもそれがどこか堂々とした表情にも映ります。

小さなテーブルに佇んで、手にするお品書き。

餃子でビールで始めてその後細麺のラーメンという手もあるけれど、
今回は素直にラーメンを愉しみたい気分。
「半熟味付玉子ラーメン」をお願いしました。
丁寧に実直に仕立てた様子のどんぶり。


啜るスープは、十分な濃度と脂を湛えつも、
久留米ラーメンに思うところのとろみ濃密スープではない。
呼び戻しと呼ぶ、継ぎ足して作るという無化調スープは、
白濁した見掛けに違う雑味のないものだ。
例えば、過日池上線五反田駅の高架下「桜小路」の「満洲屋が一番」で啜ったそれのように、相当の濃度であるのが久留米ラーメンの原型なのではないのかな。
どうも久留米ラーメンリテラシーに不足があって判然としないけど、濃厚なもの、そうでもないものが並び立っているのも久留米ラーメンの特徴らしい。
どちらかというと、臭くないトンコツらーめんなんて!と思ってしまう性質で、
妙に東京ナイズしたトンコツスープには逆にニセモノ臭さを思うこともある。

でも、久留米の老舗「大栄ラーメン」をルーツにしているという割とさらっと系のこのスープは、
獣臭さもないままにマイルドな旨みの凝縮があって、按配がいい。
麺は勿論、加水の少ないストレート細麺。

スープに馴染むように粉の風味がして、いい。

豚の背脂を揚げた自家製「カリカリ」は、
軽い歯触りの合いの手を入れてくれるヤツ。
もって入れて欲しいところだけど、なかかなに手間がかかるものらしい。
替え玉をという手も思案しつつ、
お品書きで目にしていた「塩むすび」をお供に選びました。

手塩しっかりの「塩むすび」。
塩分摂り過ぎ血圧注意報ランプがくるくる回る中(笑)、
おにぎりを囓ってはスープを啜れば、うん、至福の時。
仕立てのいい久留米ラーメンのいただける「福ヤ」。

もっと久留米ラーメン経験を積んでからまた訪れたい。
そして、久留米ご当地でのラーメン店巡りもいつの日か(笑)。
「福ヤ」
港区麻布十番4-3-1 [Map] 03-5419-0055
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