ドゴーン!ゴゴーン!
耳を劈くような轟音が街中に響きはじめたのは、
日本で云うところの大晦日。
ザルツァッハ川の川辺から対岸を望むと、
丘の頂付近やその対面に立った兵士たちが構える大砲の如き銃が繰り返し火を噴いて、その衝撃が直接伝わってくる。
遠くホーエンザルツブルク城からも競うように砲撃が繰り出されています。
耳栓状態で(笑)、どこからともなく集まってくる人並みに紛れ、サンクトペーター教会にやってきました。
しんしんと冷える中、厳かなる教会のミサに潜り込むように。教会を離れて、早足で向かったのは、祝祭劇場の裏手辺り。 聳え見上げる岩盤の上に見える建物は、校舎の類らしい。
祝祭劇場が刳り抜いているのと同じ、メンヒスべルクの丘を擁する岩盤の高い壁を刳り抜いた穴蔵居酒屋なのです。満席なのだろうなぁと席の様子を窺うようにすると、ちょうど入れ替わりのお客さんがある。 幸運にも、数段の階段を降りたフロアの隅っこに席を得ることができました。 見上げる天井は、如何にも岩盤を刳り抜いたことを示す岩肌。
やっぱり麦酒をいただかなくちゃと、早速。 グラスには、呑み過ぎて膨れたお腹を擦りながらジョッキ片手にするオジサマのエンブレム。 そのオジサンは、フランシスコ派の修道士、とのこと。
もうすっかり夜だから白ソーセージはないのだよね、と洒落のつもりで訊いたらば、 なんとあるらしい。 そ、それって掟破りなことなんじゃないのん?とか思いながらやっぱり注文んでしまいます。 耐熱カップにちょっと窮屈そうに泳ぐ二本の白ソーセージ。 ずるつると皮を剥がしてから、たっぷり添えてくれている甘いマスタードをちょこんと載せて。
それじゃぁってことで今度は、グーラッシュで煮込んだヴルストを所望します。
ほら穴居酒屋とひとは呼ぶ、 刳り抜いた岩盤にあるausschank「Resch & Lieblich(レッシュ)」。
今宵もきっと、ざわめきの響く穴蔵で愉しい語らいの宴が開かれているのでしょう。「Resch & Lieblich」 Toscaninihof 1a Salzburg [Map] 0043662 843675
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