
今季久し振りに訪ねた「新富 煉瓦亭」。
洋食元祖の矜持をみたような「カキフライ」仕立てが印象深い。
「カキバター焼き」も良かったな。
そんなことを思いつつ、
そういえば他にも「銀座 煉瓦亭」から暖簾分けしたお店があることを思い出しました。
距離はそう遠くないのに、足回りがいまひとつでどうも縁の遠い感じのする森下界隈。
市場通り(新大橋通り)を往って、そのまま新大橋を渡れば着くのにな。
ふと、バスでは行けないのだろうかと調べると、平成通りに新大橋を渡って錦糸町や亀戸に向かうバス路線がある。
時間を合わせてバス停に並んでバスのひと。
新大橋を渡ったバス停、新大橋で下車します。
「深川 煉瓦亭」は、新大橋通り沿い。
お店も多くなく、意外とひっそりした界隈に浮かべるマゼンタ色のネオンが目印だ。
扉を開けるとフロアはひっそり。
ただ、二階にもフロアがあるらしく、宴会モードの嬌声が漏れ聞こえてきます。
兎に角やっぱり「カキフライ」。
愛想のいいオバちゃんが「ハイね」と応えて、厨房にオーダーを通します。
ライスのお皿と一緒にオバちゃんが届けてくれたお皿には、「新富 煉瓦亭」の「カキフライ」を彷彿とさせるしっかりした揚げ色の牡蠣フライ。

いつものことながら、芥子はどうやって使うのかなぁと思いながら、トッピングのマヨネーズ的タルタルとのせて、ふーふーしながら齧りつく。

うんうん、
交叉する香ばしき衣の歯触りと牡蠣の身の旨みに思わず頷く。

弾ける魅力の醍醐味から敢えて比較しちゃうと「新富 煉瓦亭」のそれに軍配だけれど、これはこれでまったくもって悪くないであります。
森下側にアプローチする術を知ったので、も一度寄ろうとふたたびバスのひと。
今度は1階フロアはそれなりの賑わいでありました。
改めて卓上のメニューを漁ると、「深川の地ビール」なんてご案内もある。
白いラベルの深川神明宮、赤いラベルの芭蕉庵、そして黒いラベルが新大橋と三種のタイプがあるらしい。
ラベルの色はまだしも、ネーミングとの意味合いはよく判らないなぁと思いつつ、場所柄に配慮して、黒の新大橋ラベルの地ビールをお願いしました。

でもこれ失敗(笑)。
どこか薬臭い後味がして、あまりよろしくない感じ。
一気に呑んじゃって、お願いしていた「平日限定メニュー」記載の「カキバター焼き」の到着を待ちます。
艶やかにそして香ばしそうな表情でやってきた「カキバター焼き」。

普通のビールをお願いしておきゃよかったなとちょっぴり後悔しつつも、
それは当然のことのようにご飯にぴったり。
加減よく火を入れてあり、旨みを凝縮させつつぷるっとした食感を伝えてくれます。
添えてくれた中華そば店のようなスープは、
是非洋食の店らしいものに再考いただきたい(笑)。
THE洋食の店の誉れ高き「煉瓦亭」暖簾の一軒、下町「深川 煉瓦亭」。


Webサイトには、
銀座 煉瓦亭より昭和3年に当時の深川区森下町に、一番最初の支店として、暖簾分けをいたしました。戦争中の空襲のため、昭和25年7月に現在地の江東区新大橋に移転し、現在に至っております。とある。
「新富 煉瓦亭」の兄貴分にあたるということになるのだね。
文明開化の頃を思わせるようなレトロなシルエットデザインは、銀座の本丸そして新富のお店と同じ意匠です。
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「深川 煉瓦亭」
江東区新大橋2-7-4
[Map] 03-3631-7900
http://www.rengatei.net/
column/03099