八丁堀と茅場町の境目、
すずらん通りの角に建つBAR「Rick’S」。
確か以前は、紳士服のお店であったはず。
それが、スペインバルにと変貌したのはいつのことだったでしょうか。
ずっと気になりつつも界隈で呑む機会がめっきり減ったこともあって、二階席もあるのだなぁと見上げつつも、お邪魔できずにいました。
開けっ放しの扉から覗き込んだ一階は、
スペインの国旗を掲げたカウンターに丸椅子。
手前にワイン樽をベースにしたテーブルが幾つか。
入口すぐ脇のテーブルに案内されました。
椅子を使わずに立ち呑みで、というスタイルにすぐにでも対応できそうです。
まず目に留まった「ひしこイワシの酢漬け」を。
スペイン産の新鮮ボケロネスと解説してある。
イワシのマリネはいつでもどうぞの好物なのだ。
そんな酢漬けにはちょっと合わないかなと思いつつ、
「Rick’s」オリジナルだという「ホワイトサングリア」。
つまりは、白ワインのサングリアってことだね。
扉の向こうには、小料理「大根」のファサードがみえます。
お待ちかねは、「マッシュルームのマドリード風オーブン焼き」。
エスカルゴな耐熱皿にたこ焼きの如く盛り付けられていて、丸ごとのシャンピニオンがみるからに熱っつあつ。
刻んだ生ハムやパセリが載せるように詰められています。
んー、ニンニクの利いたオイルとマッシュルームの風味とが溶け合って、
旨い旨いのはっふはふ。
でも、はて、どの辺がマドリードスタイルなのかなぁとスペイン出身のレディ、バネサに訊くも、まだ来日して日も浅いこともあって、要領を得ず(笑)。
面白そうなお酒があるねと選んだ「リコール・デ・ベジョータ」は、
どんぐりのリキュール。
すっきりしながらもどこかとろんとして、笑っちゃうほどにどんぐりな風味がして。
ナッツ系のリキュールといえば、
もう引退してしまったと聞く大阪・曾根崎「Boby’s Bar」のマスターを思い出す。
今、どんな雰囲気のバーになってるのかなぁ。
チリンドロンってなに?だれ?と訊ねつつ、
「パプリカと鶏モモ肉の”チリンドロン”風煮込み」をカンパーニュと一緒にこれまたはふはふといただく。
危うくアランドロンがどうのと口走りそうになって、
寸でのところで思い留まる(笑)。
チリンドロンとはスペインのカード遊びのことを云い、それが何故か、アラゴン地方の郷土料理、チリンドロン煮に転じて冠されるようになったらしい。
カードの柄のカラフルさがトマトベースの具材あれこれ煮込みの色合いと通じるところがあったからなのかもしれないな。
定番と謳う「真ダコのガルシア風」を挟んで、
「トリッパーの煮込み」。
トリッパもいまやすっかり定番となったね。
最後にガツンとシェリー「Amontillado」アモンティリャード・アタラヤ。
フィノを酸化熟成させたシェリーとのことで、なるほど琥珀の色深くも、ひだ細やかな香りが鼻腔を抜ける。
ふー、いい心地。
ビリヤードグリーンのサインが目印、
八丁堀のスペインバル「Rick’s(りっくす)」。
結構混みあう人気店には、混み具合を覗き込んでは訊ねる客がテンポよく訪れる。
一階でのお気軽バル使いがしっくりくるけど、今度は二階テーブル席での小宴も。
口関連記事:
AUTHENTIC BAR「Boby’s Bar」で liqueurの森40年の節目(09年02月)
「Rick’s」
中央区八丁堀1-11-1
[Map] 03-5541-0100
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