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鴨料理「鴨丸 祐天寺分校」で 鴨焼売鴨鍋鴨しゃぶ本鴨づくし
祐天寺の改札を抜けて、左に出る。
そのままさらに左手の高架沿いを都立大方向へ往けば、やきとり「忠弥」へ至る。
でも今夜はちょいと西側へと進みます。
上目黒小学校という学校を囲む塀を回り込むように辿った住宅街。
さらに細い路地を探るように歩くと、駐車場の奥にある一軒屋が目に留ります。点る灯りに、もしやここではと訪ねると、
硝子戸の向こうに飲食店らしいテーブルの並びが窺えました。
プレモルをいただいて、開くお品書き。
コースでお願いする手もあるけれど、「鴨丸」ですもの、気分はやっぱり、鴨づくし(笑)。
単品の組み合わせでそれを実現することといたします。
まず登場は、「祐天寺の鴨焼売」。薄手の皮にぎゅうっと詰まった鴨肉のミンチ。
鴨らしい風味がふわんと鼻腔を抜けていきます。
芋焼酎「小鹿 本にごり」のグラスをひと舐めしているところへ届いたのが、
「季節野菜のバーニャカウダ」アンチョビソース。彩り華やかなお皿には、グラパラリーフ、アイスプラント、天蕪といった聞き覚えのない新しい野菜や、ラディッシュ、ミニトマト、チコリ、オレンジピーマンなどの活き活きとした野菜たち。
クリーミーに乳化させたアンチョビソースのバランスよく、野菜たちのパキパキとした食感の濃いぃ風味が真っ直ぐに愉しめるぞ。
擂り鉢で山椒の実をゴリゴリと擂っていると、
ずんぐりした火鉢に載って鉄鍋がやってきた。
たっぷりこんもりの葱の下にさらに、焼いた葱の並びが覗いています。
卓上に用意された「鴨葱の美味しい食べ方」に従って、鍋が煮立ってきたところでこんもりの葱の真ん中に穴を空けるようにする。
そこから覗く丸いところで鴨肉をしゃぶしゃぶする程度に火を通して、周囲の葱を背負わせるようにして一旦小皿にとる。
そして、そこへさっき擂ったばかりの山椒をぱらぱらっとして、徐に口へ運ぶであります。なはなは、鴨肉の甘さと独特の香りが葱の柔らか甘い香気と相乗して、堪らん感じ。
山椒の風味がひと風のキレとなって、次へ次へと箸を動かさせる。
国産厳選の本鴨肉を使っているというけど、なるほど、脂や身肉にどこかエグ味を思うことがある合鴨肉との違いが判るような気がしてくるな。
お品書きの並びには、「本鴨とクレソンのしゃぶしゃぶ」というのもあって、普通のお客さんは大体、この「鴨しゃぶ」か「鴨鍋」のどちらかを選ばれますね、と姐さんは云うのだけど、鴨づくしノリの勢い余って、両方をお願いしていました。クレソン&葱を脇に従えて運ばれてきた料理箱の鴨肉の艶がいじらしい。
沸き立ってきた打ち出し鍋に、今度は潜らせるようにしゃぶしゃぶっとして、
五島列島の天然塩をちょんとつけていただきます。むほほぉー(笑)。
ぎゅーっと内に籠めた滋味をどひゃっと零れさせる本鴨に喝采喝采。
やっぱり鴨って旨いもんなンだね。
お約束の鍋の〆にと「玄米雑炊」。
これはもう、語るまでもないでしょう。
すっかり、お腹も気分も満ち足りたところで、デザートへ。手焼きだという皮に抹茶アイスや粒あんをみずから積めてどうぞ、という最中をいだたいて、
番茶を啜ってまったり、であります。
高い天井や、なるほど教室チックな木枠の硝子窓を眺めながら訊けば、元々看板の製作工場だった建物に手を入れたものなんだという。
20年4月の開校だという鴨料理の学び舎、「鴨丸 祐天寺分校」。品書きにあった「Club子羊のチャンジャ」の「Club子羊」は、「イイコ」が営む、恵比寿にあるジンギスカンのお店の名前。
中目黒の高架下あった「村上製作所」「豚鍋研究室」も「イイコ」の経営で、高架の耐震工事開始ということもあって閉めてしまったけど、この「鴨丸 祐天寺分校」は両店が姿を変えて移転したものとも云えるお店なんだ。
口関連記事:
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「鴨丸 祐天寺分校」 目黒区五本木1-6-3 [Map] 03-3710-9804
http://www.e-e-co.com/kamomaru.html
まさぴ。さま。
鴨、ねぎ、山椒!
それを、祐天寺の一軒家で。。
かっこよすぎです。いえ、美味しそうですし(笑
最中もよさそうですね〜!
いぃですねぇ、住宅街の静けさ。
Re:ららち。さま
こふいふ隠れ家っぽい店に弱いンだよねー。
しかも鴨が葱背負ってるし(笑)。
リノベーションにもいろいろあんだなぁというあたりにも感心です。
甘過ぎず、こっくりしたあんこもいいね。