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ラーメン「みーちゃん」で 住宅地の再会懐かしい屋台とラーメンと
戸越の住宅街の直中で、
ラーメンの屋台が夜な夜な営業しているという。
住宅街のラーメン店というのが特別珍しいという訳でもないけれど、それが”屋台”となると話が違う。
貝専門の「和光」が、茅場町で一時営ってた店は、古い木造モルタルの店舗に屋台を突っ込んでいたっけな、と思い出す。
果たして戸越の屋台はどんなことになっているのか、足を運んでみました。しんと静まった住宅地の奥へと左へ曲がり右へ曲がり左へ曲がり、する。
ここじゃないよなぁと試しに曲がった小径の向こうに、紅い提灯が見えた。おー、あれかぁと窺うように近づくと、なるほど、間違うことなき”屋台”がある。
一軒家の庭先の、ガレージででもあったのだろうスペースに、
懐かしい匂い芬々の屋台が鎮座しているンだ。まだ、客はなく、屋台の主さえもいない。
どーしたもんかなぁーと思いながら(笑)、そろりと足を踏み入れると、屋台の中でおでんがゆっくりと煮えている様子。
と、家の縁側から屋台の主と思しき男性が「いらっしゃい」と顔を出した。
その奥の座敷では、オバチャンふたりがガハハと笑いながらお食事中なのが覗けてしまう。
なははは。
やっと、屋台の前の丸椅子に座って、ビール頂戴、ということに漕ぎ着けました。
ガレージには急に秋めいた風が抜けて、
こうなるとやっぱり、おでんもいただかねばなりませんね(笑)。
澄んだ出汁に浮かぶ大根は、まだ煮えてない。
じゃ、ま、テキトーにと云いながら、はんぺん、ウインナー、餃子巻き、しらたきにゴボウ巻きなんかをいただいて、調子に乗って、グラスの焼酎をもらってつーっと舐める。
特に感慨のあるおでんではないけれど、このロケーションは面白いなぁと改めて、擦り減ったタイヤや脇にある引き出しの風情を眺めていたら、通りがかりのご近所さんが「こんばんわー」と声を掛けてきた。
勿論、屋台の主に掛けた声なのだけど、思わずコンバンワーと応えそうになってしまったじゃん(笑)。
そして、これまたやっぱり、ラーメンもいただかなければなりません。
ステンレスの天板に埋まった鍋に揉んだ麺を投入してしばらく。
もうひとつも寸胴からスープを注いでおいてから、笊をガコガコっとして麺を掬い、すっとどんぶりに。
自家製だというチャーシューやメンマ、海苔を載せ、葱を散らして出来上がり。ああ、そうだ、屋台のラーメンはこふいふ支那そばテイストでなければいけないよなー。
もっとだらしなく脂が浮いちゃってたりしてもよいのだけれど、ツトメテあっさりとした仕立てで、化調も抑え目なんじゃなかろうか。しみじみしながらも、一気に啜ってしまうのがちと恥ずかしい(笑)。
ああ、思えば、屋台でラーメンなんていつ以来のことなのだろう。
戸越の住宅街の自宅ガレージで懐かしい屋台を今日も守っている、ラーメン「みーちゃん」。主に訊ねるにこの屋台、五反田で23年間にも亘って営んでいたンだという。
その先代である親父さんが「みーちゃん」と呼ばれていたんだそうだ。
道交法・道路法の制約を受けたんだろうね、五反田からこのガレージに移ってからもう7年ほどになるという。
五反田のどの辺にあったんです?と訊くと、東口の桜田通りをちょっと上がった辺り、とのお応え。
ああ、そう云われて急にその光景を思い出す。
ワタクシ、以前にも何度か、お世話になりました(笑)。
口関連記事:築地の活貝焼専門屋台「和光」で 亀の手平貝蛤白貝大アサリ(05年05月)
「みーちゃん」 品川区戸越4-2-23 [Map] 090-8500-8236
まさっぴ。さま。
すてきですねー、屋台と(半分?)ガレージの灯り。
そしてまさっぴ。さんはここを捜してつき当て、実は引っ越し前を知っていたというストーリー展開には絶句です。。
そうだ、オヤジ下町ホッピーの旅、も夢ですが
「屋台ラーメン」も夢に追加しなくては!!!
Re;ららっぴ。さま
うん、最後までよく読んでくれて、ありがとー。嬉しいっす(笑)。
夢の「屋台ラーメン」にも付き合いますよ~。
今、路上の屋台、どこで営ってるかなぁ…。
あの屋台は、こちらでやられていたんですね。
私も良く五反田の元不二家前あたりで営業されてた
ラーメン屋さん利用させてもらってました。
スープは熱くなかったけど、チャーシューが好みだった
記憶があります。
Re;fatricefarmさま
コメント、ありがとうございます。
そうですか、もしかしたら隣に並んでラーメン啜っていたかもしれませんね~(笑)。
正直、味わいがどうだったか今と比較できるほどの記憶はないのですけど。
あのころあちこちにあった屋台は、ほとんどが引退しちゃったのかと思うと、寂しくもありますです。