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BAR「TOO BOY」で グランプリの二杯泡盛カクテルの難しさ
市役所通りから折れ入ると途端に猥雑な雰囲気を帯びてくる美崎町。
20時を廻ると急に人影が増える界隈に、夜の熱気が増した頃か。
見上げた雑居ビルの壁の薄汚れた黄色いアクリルの看板が、「TOO BOY」は2Fだと示しています。
ちょっぴり勇気を出して、草臥れた木製のドアを押すと、ぼんやりと紅い灯りとバックバーが目に映りました。右手に場末のスナックのようなテーブル席があるものの、そこには先客はなくて、カウンターの中央にご夫婦らしき年配のカップルの背中姿。
カウンターの右隅に陣取るも、迎えてくれる者の姿がない。
正面に見据えるバックバーのボトルたちは、下からの緋色のライトに照らされて妖しく、そしてどこか安っぽい。
買い物にでも行ってるのかなぁとのんびり待っていると、左手奥のカーテンの向こうから、お待たせしました、と。
八重山泡盛カクテルコンペの最優秀グランプリを受賞したカクテルがふたつある、というので、まずはロングタイプの「SHAMAシャーマ」をいただきます。与那国の泡盛「どなん30度」をベースに、フレッシュオレンジジュース、いちじくのリキュール、グレナデンがそのレシピ。
ストローを外して、ぐーっと一気に呑めてしましそうな、”ジュースな”感じ。
ロングでもあるし、お酒があまり得意でないヒトにもおススメするような場面を想定しているのかもね。
もう一方のショートカクテルの名を「琉華」。
西表島の水で仕込んだという請福酒造の泡盛「いりおもて」をベースに、フレッシュシークァーサー、ハーブリキュール「PICON」、リキュール「BOLS」のひとつがそのレシピ。
泡盛があまり主張しないようにする意図があるのか、その分およそピントの暈けたような呑み口で、
なんだか泡盛ベースのカクテルって難しいのかも、なんて思ったりします。
1994年のオープンは、島のバーとしては老舗格に当たるという美崎町のバー「TOO BOY」。
「TOO BOY」は、少年のままで、なんて意味なのかな。
「TOO BOY」 石垣市美崎町13-8 2F [Map] 0980-82-5443