
Live Cafe「Again」の入るペットサウンズ・ビルを背にして右手を振り向くと、
信号の向こうに見えるのが「自」「慢」「亭」の三文字。
きっと駅前からも目に留まるように大きな文字にしている。
でももうそんな、ココにあるよ!的誘導はあまり必要ではないようで、それはつまり地元では既によく知られた人気店であるから。
さて、その人気の秘密はどのあたりにあるのでしょう。

中華のお店には割りと珍しい、白木のカウンターがずいっと奥へと伸びていて、
左手にテーブルが少々。
厨房は実に開放的で、ガス台や麺を湯掻く鍋などなどがよく見える。
左手奥にはなぜか「自慢亭」の大きな暖簾が掛かっています。
「湯麺(タンメン)」にしようか「炒合菜麺(野菜ラーメン)」にしようか

。
「広東麺(うまにソバ)」もいいかもしれないなぁと思案して、野菜ラーメンをとおばちゃんに。
すると早速、北京鍋が翻る。

届いたドンブリにはたっぷりのスープに焦がし葱が浮かび、見るからにしゃきっとした野菜たちが程良くこんもりとしています。

化調の気配のスープはひとまず置くとして、引き上げた平打ちの麺が印象的。

つるんと滑る口元や歯応えやカジる風味が、例えば細く仕立てた水沢うどんのような、半生の乾麺を湯掻いたもののような印象を抱かせる。
いいね、面白いね。
後半に差し掛かった辺りでお品書きの指南に従って、目の前の「す」そして「からし」を入れてみます。


「からし」は、唐辛子一味の具沢山ラー油とでも云えそうな、「自慢亭」特製独得の辛味調味料。
唐辛子の種もたっぷり入っているゆえ、投入し過ぎないよう気をつけつつ(笑)、ちょんと載せて、全体に馴染ませるようにすると、キリリとした辛さと風味がさらに一気に啜るようにせき立てる。
う~ん、なるほどね~。
そして、廻りのお客さんたちのオーダーの声を聞く中で圧倒的に人気なのが、
ぎずもさんも食べている「炒麺(軟い焼きそソバ)」。
やわいやきそば、と読ませるンだろうなと思いながら、オヤジさんにその旨告げる別の昼。
北京鍋を煽る後ろ姿を眺めつ、時折左手のテレビに視線を送る。
ぼーっとテレビを眺めているところに、すーっとお皿が差し出されました。

これもやっぱり、麺のキャラクターが活きている。

そして濃すぎず、塩辛過ぎずの味付けには老舗的安定感を感じます。
大盛りでも良かったなぁ(笑)。

その安定感は、
「焼飯(五目チャーハン)」にもそのまま発揮されています。
品書きをよく見ると、”中華料理、登録商標、自慢亭”とある。

「自慢亭」は、登録商標なのですね。
「自慢亭」 品川区小山4-3-14
[Map] 03-3781-5103
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