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らーめん「めん屋 そら」で シャキっと麺のコク味しお醤油純レバ
JR神田の南口を背にして信号を渡り、覗き込む路地。
袋小路のようにも見える暗がりに、居酒屋や怪しいバーの看板が誘っています。
そのちょっと奥の路上に、ぽっかりと浮かんでいた文字が「そら」。
A看板に描いた、手作りな感じのビジュアルが妙に気になります。
ちょっくらお邪魔してみましょうか。元は居酒屋かなにかだったのかな、という造りの店内にも、ところどころに手作りな汗が潜んでいるかのよう。
メニューは大きく分けて、醤油か塩か。
「味玉入りしおらーめん」をに「揚げネギ」、そして「岩磯のり」のトッピングでお願いします。
塩だったら、細麺が合いそうだね。
およそ白濁していないスープは、一見あっさりしてそうでいて、見る見る脂の幕を張ってくる。
見かけと違って滑るようにコクが深く、それは脂や野菜の甘さに感じる方向へと展開していく。
縮れのある細麺は、シャキっとしたテクスチャーで、隠れこってりのスープに軽快さを載せている。
かつてどこかのお店で食べたことのあるような、でもそれがどこだか思い出せないまどろっこしさと懐かしさに包まれながら、麺を啜る。
揚げ葱と磯海苔のトッピングも正解だったな。
別の夜に今度は醤油で。
「醤油らーめん」に「純レバどん」を添えてみました。
醤油には、平打ち麺が合いそうです。
なるほど、塩で味わったスープの背景と啜る醤油スープの下地のイメージとが合致して、その上で醤油の描く輪郭と風味が愉しめる。今となれば、とてもスタンダードなタッチにも思えるけど、それもなんだか安堵の一杯であるのだね。
ぴろぴろ感のある麺はふと喜多方の麺を連想するような歯応えと口滑り。
何気にイケテる麺かもねぇとメニューの裏側を読むと、南部小麦を使用し、三陸沖の海洋深層水と仙人秘水と天然塩のみで打つ岩手の職人が打った麺だそう。ほうほう。
「純レバ丼」と云えば、浅草の「あずま」を思い浮かべるけど、残念ながらまだ口にしたことがない。当に軽く火を通したレバーがタレとともにご飯に載っているだけのもので、添えてくれた七味を振ると格段に旨くなる。
神田の路地に浮かぶ、文字は「そら」。
2階は女性専用にしてあるようで、その天井のイラストにも「そら」があるらしい。
「そら」 千代田区鍛冶町1-7-1 [Map] 03-5294-9191