column/02684 @9,200-
Ristorante「Ca Angeli」で シシリアンルージュのトマトづくし
トマトづくしのメニューを夜毎供しているレストランが南青山にあるという。
およそ同じエリアの、青学の西門近くにあるトマト専門店「Celeb de Tomato」のトマトあれこれも愉しかった。
するってぇと、此方のトマトづくしはどうなのだろうと、こいつぁ放っておけないと、表参道の改札を擦り抜けます。
外苑方向に少し行って、紀ノ国屋の手前を曲がる。
あれ?ここって「Radio」のある路地じゃなかったっけねなんて考えながら進むと、そう、Bar「Radio」の右隣が今夜の目的地、リストランテ「カ・アンジェリ」です。
お向かいは、湯島のおでん処「こなから」の青山店なのだね。
ドアを入ると、すぐのテーブルに沢山の小振りなトマトが盛られている。
なるほど、こいつをいただけるって訳ねと横目で見ながら右手隅のテーブルへと案内されました。
口開きにクッとドライなシェリーを舐めつつ、コースの組み立てを考えます。
凝視するメニューは、「シシリアンルージュのフルコース」。
茨城のトマト農家で朝もぎしたシシリアンルージュが直送され、畑にあるものすべてをいただくために選別せず、前菜からデザートまでそれぞれの個性にあった料理に仕上げます、とある。
あれこれトマトづくしではなくて、「シシリアルージュ」一種類によるトマトづくしなんだね。
付き出しに「シシリアンルージュのフリット」。衣の中で、ぷちと弾ける酸味と甘さと太陽の香りと。
トマトの大きさに応じた小さなフリットが、コース全体へとぐいっと引き込むような魅力を秘めていた。
前菜から選んだのが「シシリアンルージュのガーリックソテー ブルスケッタ添え」。
丁寧にじっくりと火を入れるアルミのフライパンの様子を想像しながら、ブルスケッタの一片にたっぷりと2個のシシリアンルージュをのせ、齧り付く。
鮮烈でいながら清々しい甘さが口腔一杯に広がって、うー!(うめー)と呻く。
パスタはといえば、「フレッシュトマトとカッペリーニの冷たいトマトスープ仕立て」。トマトの海にこんもりと浮かんだ細麺。
オリーブオイルのソースで和えたカッペリーニをその下のソースと絡めるようにしながら、フォークに巻いて口へ運ぶ。
ほー、すっと涼しい風味の中にトマトソースの意外な奥行きと粉の量感がバランスしていて、いい。
トマトとカッペリーニといえばすぐ、「ヒロ」を連想するのだけれど、それより力強さがある感じもする。
いただいたワインは、シチリアの白「REGALEALI」。
シャルドネとアンソニカという種が醸す滴は、透明感のある円い膨らみが持続する印象で、呑み易くってヤバイ感じ(笑)。
そして、云わばメインのお皿にと選んだのが、「トマト風味の焼きリゾット 岩手・白金豚の自家製スモークグリル」。白金豚ではなくて、焼きリゾットが主題だというところがまず愉しい。
イタリアンパセリを頂いたほぼ円形に整えた紅いライスのパテを崩すようにしてフォークを動かせば、なはは、このトマトの甘み酸味はご飯の香ばしさにも合うのだなぁとにっこり。
豚の滴るような旨味がいい合いの手になってくれます。
「シシリアンルージュのドルチェ 盛り合わせ」は、ゼリー、ジャム、ジェラード&カスタードの三品が細長いお皿に並ぶ。
デザートというよりも、先頭のフリットに続く、第二の付け合せであってもいいお皿。
アイデアとしては、「ヌキテパ」よろしく、「シシリアンルージュのショートケーキ」なんていかがでしょう(笑)。
テーブル脇の壁に掛かっていたのは、みるからにボクサーのアリ。
他の壁の要所にも幾つかの額縁がある。
なぜにモハメド・アリの写真なのかと尋ねると、「こちら、店名を“天使”とさせていただいておりまして」と。
アリを蝶でも蜂でもなく“天使”と形容する逸話は残念ながら知らないけれど、店内には“天使”たちが掲げられているということのよう。
南青山の路地奥に佇むリストランテ「カ・アンジェリ」の店先には天使のオブジェ。今度は、佐竹シェフおまかせランチでもいただきに、お邪魔しようかな。
口関連記事:
トマト専門店「Celeb de TOMATO」で 赤黄緑のトマトづくし(07年07月)
海の幸フランス料理「ヌキテパ」 で土のジュレと西瓜ショート(05年04月)
「Ca Angeli」 港区南青山3-10-32 青山森田ビル1F 03-3423-1224 http://www.caangeli.jp/ [Map]