
プリンセス大通りの道すがら、
「ここの”いば昇”が本店なんだよ」と聞いたことがある。
以前お邪魔した錦/本重町通りの「いば昇」が唯一そのものかと思っていたので、へ~、とね。
で、やってきました丸栄先のちょこっと路地。
積年に応じて草臥れた感じが本店の風格とも思える表情で迎えてくれます。
錦の店に寄ったときは、空席待ちをするほどの盛況振りだったけど、
こちらのこの日の様子は、ゆったりとした空気。
ホールを動き回るおかあさんの張りのある声だけが、静かさの中に響きます。
左手の小上がり

に上がり込んで、「櫃まぶし」をお願いしました。
お茶を汲む、古びたアルミの薬缶

が味であります(笑)。
お櫃がやってきました。

櫃まぶしの絵面のイメージに浮かぶのは、「蓬莱軒」のもの。
その頭でいると、こちらのお櫃は口径も小さめで、あれ?可愛いなぁとなる。
特に食べ方指南もないので、まずはそのまま茶碗によそっていただきます。

う~ん、悪くないけど、
外皮の香ばしさと身のフシダラさそれぞれに、もうひと声欲しい感じもする。

続いて、刻み葱の薬味を載せて。
ふうん、ま、こんな食べ口が一番相応しい気がするなぁと目を閉じる(笑)。
で、例によって三膳目は、お茶漬けで。
用意されていた汁継には、お茶ではなくて、薄く引いた出汁。匂いからすると昆布主体の出汁だ。
ずず、ずずず。
やっぱりお茶よりこっちの方がいいなぁ。お茶だと愛想がなさ過ぎて、拍子抜けしたような気分になっちゃうもので。
そういえば、錦のお店はお茶だったような気もするンだけど、どうだっけ。
可愛いボリュームかと思ったお櫃は、食べてみればこのぐらいが丁度よく、翻れば「蓬莱軒」のお櫃は大盛りに過ぎるということになるね。
奥のテーブルに収まった常連らしき客筋が肝焼きやう巻きで呑み始めた。どうやら、観光客は錦の方に流れていて、ここではゆっくりいただける。どっちに行く?と訊かれたら多分、こっちを選ぶと思います。

口
名物ひつまぶし 「あつた蓬莱軒」本店 でカリしっとりなひつまぶし(過去記事)
櫃まぶし 「いば昇」 でお作法に沿っての櫃まぶし(過去記事)
「以ば昇」本店 名古屋市中区栄3-8-121 052-241-3944
http://www16.ocn.ne.jp/~ibasyou/
column/02474