松江の味「日本橋 皆美」で 鯛めし蟻塚なそぼろと出汁がいい

minami.jpgご無沙汰のコレド日本橋。 以前満席で断念した「皆美」の「鯛めし」をいただく機会に恵まれました。 揚げ浸しの白身魚のお皿や彩りある小鉢に茶碗蒸しなどと贅沢なお膳minami01.jpg。 だけど、「鯛めし」に肝心な鯛の切り身が見つからない。 左隅に配された、刻み海苔を中心に白や淡いクリーム色、そして柔らかな山吹色を蟻塚のようなカタチに盛り付けたこのお皿がどうやらこの御膳のメインらしい。 どうすりゃいいのかなぁと呆然としそうになるところへホールのおばちゃんが再びやってきて、 「はい、やりますよ~」。
鯛のそぼろ、玉子の白身と黄身。minami02.jpg 蟻塚のそれぞれ半量ほどを茶碗によそったご飯の上に解し載せ、おろし大根や山葵を添える。 「この急須のお出汁を注いで、さらさらとね」。 しっかりした出汁の旨味に玉子を含んだ黄色のほんのりした甘さや細かく溶け広がるそぼろを渾然とさせつつ、ズズと啜る。 minami03.jpg お茶碗もう一杯も同じく、ズズと。 元々淡白な味わいが身上で、生であれば食感との連動で愉しむ感じの鯛の身。 胡麻ダレや醤油にその身を漬けるタイプの茶漬けでは鯛の身らしさは判っても、 正直そんなに旨くない。 ならばいっそここまで手を入れてしまう食べ方もまたアリなのかもしれないな。 「家伝 鯛めし」は、文化文政の頃の松江藩領主松平治郷”不昧公”が自らの汁かけご飯好きとオランダ料理のエッセンスをヒントに仕立て考案したものを起源とするそうだ。 由緒ある「汁かけご飯」なのですね。 「日本橋 皆美」 中央区日本橋1-4-1 コレド日本橋4F [Map] 03-3274-0373
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