column/02249
活魚料理「よし成」
大田区の下町の一辺、雑色。住宅と商店街が入り混じった界隈。狭いバス通り沿いの居酒屋に潜り込みました。既にいい具合に出来上がりつつあるおっちゃん達が両脇を占めるカウンター。その真ん中に席を得る。〆鯖、本鮪赤身、鮟肝、釣イサキ、甘えび、とり貝あたりの刺し盛りで、ビールそして「獺祭」を。至るところに貼られた祭りの写真を眺めながら、交わされるご近所談義を耳にまた一杯。この週末がちょうどその鎮守六郷神社の「九百五十年大祭」らしい。「牛たたき」と「くじらさしみ」を一緒盛りで。最近、鮮度の良さを感じる鯨の刺身に出会う機会が格段に増えた気がするけど、どうした事情なんだろね。「醸し人九平次」に切り替えて、思いつきの「豚肉キムチ炒め」。日本酒にはやっぱり合わないか(笑)。いつの間にか小あがりにも、如何にも地元の見知った同士らしきおっちゃん達が顔を赤らめていた。祭り気分の捻り鉢巻が板についた大将が、姓でなくて名で呼ぶ客が少なくない。がっしり地元に根付いたお店ってのも、いいやね。
「よし成」 大田区仲六郷2-8-12 03-3735-4288