![rengyokuan.jpg](https://ishouari.com/060601/rengyokuan.jpg)
1860年創業。
斉藤茂吉や池波正太郎などなどの著名人に愛され、
柳家小さんも通ったという、仲町通りは鈴本演芸場裏手の「蓮玉庵」へ。
味わいのある表情のファサードに比べ、すっとした潔い印象の店内は極々一般的な設えになっている。
外見との連動が内装にも施されていると、嬉しいかもしれないね。
店頭にも貼紙のあった昼の特別献立から、「古式せいろ蕎麦 別打ち入り三枚重ね」をいただきます。
仄かに黄緑色に含んだ太目のせいろは、なにより歯応えが魅力。
押し返してくるような弾力があって、そこに甘みに感じる味わいを内包しているんだ。
きりりとした辛汁をちょんとして啜れば、出汁の旨味がふーっと口腔に広がって、蕎麦とのバランスを感じさせる。
別打ち、つまり変わりそばは、胡麻きり。
三枚があっと云う間だ。
卓上の品書きを見る限り、
ぞろぞろと酒肴のラインナップを並べて酒を呑ませようなんてつもりはなさそう。
![rengyokuan02.jpg](https://ishouari.com/060601/rengyokuan02.jpg)
昼下がりにお銚子一本に肴ひと品。せいろを1枚、すっと手繰ってさっと退ける。
そんなご隠居さんが、ここには、いそうだ。
「蓮玉庵」 台東区上野2-8-7
[Map] 03-3835-1594
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お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。