column/01727
洋食「レストラン大宮」
浅草寺に寄った足で、マスコミに登場する機会も多いという、仲見世柳通りの「レストラン大宮」にお邪魔してみる。どことなく人を拒むような雰囲気があって、以前は店の前を通りかかっても結局余所を選んでいました。カウンターに先客なし。後からのお客さんに邪魔にならんようにと一番奥の椅子に腰掛けようとすると、そこは止せという。ふ~ん。銀座「Vinuls」開店時メニューからの連想で、「フォアグラ丼」をお願いしてみました。席の正面にいるのがどうやらシェフの大宮氏らしい。無愛想を自認するキャラそのままの仏頂面と素っ気無いやりとりが、店内の雰囲気を少し重くしている。ま、実は喋り好きの話せば話の判るオヤジなのではないか、という気もするけどね。そして届いた「フォアグラ丼」にちょっとびっくり。15cmくらいの小さな口径のグラタン皿のような器に申し訳ほどのご飯がよそってあり、フォアグラのソテーがトッピングされていました。サイドメニューのようなボリュームです。なるほどこういうことになるのかぁ、と思いつつ匂いを嗅ぐと、酸味のある香りがする。あくまで軽く火を入れた程度のフォアグラをスプーンで大事に割いて下のライスともども口に運びます。ソースの酸味が強すぎてフォアグラそのものの風味がよくわからない。極薄切りの炭のような一片が添えられていて、つまりはトリュフのソースということらしい。酸味はフォアグラの下に敷いた山芋の酢漬けからくるものだという。ソースが酸っぱいのではない?。いずれにしても、もやもやっとした拠り所のない期待は見事に霧散してしまいました。試行錯誤の末のレシピなのでしょうし、バランスを考えたフォアグラとライスのボリュームなのでしょうけれど、やっぱり残念な心持ちが残ってしまいます。「昔風ハヤシライス」あたりにしておけば良かったのかな。
「レストラン大宮」 台東区浅草2-1-3 03-3844-0038 http://www.linkclub.or.jp/~omiya/