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暮れの浅い時間帯。
久方ぶりに恵比寿の「香り家」へ。
前回の印象と違い、大テーブルにはカップルが何組もならんでいて、男同士の客としてはなんだか場違いなところへ潜り込んでしまったかのようだ。
和モダンな佇まいと暗めの照明にJAZZの流れる空間が、デートに適した蕎麦店として認知されているのかもしれないな。
丁度空いた隅のテーブルに場所を変えてもらって、
「黒豆の枝豆」「板わさ」「特製煮込み」「出汁巻玉子」「合鴨焼き」などで、「吉乃川」あたりを呑る。
![kaoriya2_03.jpg](https://ishouari.com/0506/kaoriya2_03-thumb-245x183.jpg)
![kaoriya2_02.jpg](https://ishouari.com/0506/kaoriya2_02-thumb-245x183.jpg)
「棒だきにしん」は、なにやら愛想のないことの多い身欠き鰊と違って、しみじみと旨味の伝わるものだ。
〆に「鴨汁蕎麦切り」。
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色の濃い野性的な太打ち田舎そばが”へぎ”同様の長方形をした”板”に盛られてくる。
ぼそぼそとするきらいもあるものの、噛むほどに風味が立って、これはこれで悪くない。
会計を済ませて店の外へ出ると、驚くことに10名弱の空席待ちがいる。
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お昼時ならまだしも、長っ尻傾向の夜にも並び待つとは、少々意外な光景です。
「香り家」 渋谷区恵比寿4-3-10 中出センチュリーパーク1F 03-3449-8498
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お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。