おばん菜「華楽」で 鰤酒焼森嘉湯豆腐大根ぜいたく煮でゆるゆる

karaku.jpg真冬の京都とて、ひと通りの少なくない夜の先斗町。 ところが、あてにしていた歌舞練場前のおでん屋さんは、灯りが消えている。 さて困ったと来た通りを戻ってお店を物色するも、 敷居の高そうなお店たちからは、和めそうな雰囲気が伝わりません。 通り中程の道脇に出されていた品書きを覗いていると、 どこからか店に戻るところらしき男性に「よかったら寄っていってくださいー」と声を掛けられる。 そんなひと声に背中を押されるようにして、その奥の暖簾へ。 「あ、さきほどの…」という店主の笑顔とカウンターが迎える「華楽」で今夜の一献をいただきましょう。 目の前の「鶏大根」から右へと大皿に用意されたおばんざいが並んでいる。karaku01.jpg その中からまずは「大根のぜいたく煮」をお願いして、燗酒をおススメで。karaku02.jpg干した大根を戻して煮含めたもので、「沢庵を炊いた感じ」というけれど、繊維の隅々まで出汁が滲みているようでしみじみする品の佳さ。 京の米と水で醸す「京山水」の上燗を舐めながら、柚子の薫りほのかな「小芋のゆず煮」を。karaku03.jpg ちょい辛口の京の酒「まるたけえびす」も上燗でいただいて、「天然ぶりの酒焼」。karaku04.jpgkaraku05.jpg 寒鰤の脂のしどけなさが薄くぱりっと焼いた香ばしさと一緒に品よく愉しめる。 karaku06.jpgちょうど節分。 鬼の頭領を呑んじゃえと(?)「酒呑童子」を熱燗でいただいて、そのあてに万願寺唐辛子を焼いてもらう。甘いような香気としゃきっとした歯触りがいい。 そして、 嵯峨豆腐と云えば真っ先にその名があがるという「もりか」の白豆腐を使った「湯豆腐」をはふはふ。karaku07.jpg苦汁の代わりに「澄まし粉」を使っているという「森嘉」の豆腐は、肌理の細やかにふるふるしながら口のなかで解けていく。絹ごしと木綿の中間の、とされているそうだけど、絹ごしよりも繊細なんじゃないかな。 店主やお手伝い女性陣の朗らかさと和むお皿たちに、ゆるゆる。なんだかとっても癒される時間が過ごせました。
「華楽」 京都市中京区先斗町三条下ル若松町139 075-212-0816
column/02496

食堂「廣田」田園調布で 牡蠣料理の醍醐味を識る

hirota2.jpg 再びやってきました、寒空の雪が谷大塚。 初めて訪れる時は、こんなところにそんな珠玉なレストランなんかあるンかいな、 と怪訝な表情になりがちですが、 今回はまだ二度目だというのに、自宅に帰るような足取りで環八を越えてゆきます。 主宰はご存じ、カキタベ!委員長takapuさん。 今夜も委員長ならではの、めくるめくが堪能できそうです。
まずは、殻にのった牡蠣三点。 hirota2_03_2056.jpgワシントン「クマモト」「ペンコープ」にカナダ「ファニーベイ」hirota2_02_2055.jpg。 北米産牡蠣にスポットして、さらにそれぞれの風味の違いを愉しませちゃおうという意図がニクイ。「ペンコープ」のこっくりしながらキレのある風味が特筆だ。hirota2_01_2054.jpghirota2_05.jpg オススメのシャルドネhirota2_04.jpgを合わせたところへ、ココットがやってきました。 牡蠣のグラタンだ。 濃密に仕立てたベシャメルを探ると、中から炙られうま味の凝縮した牡蠣の身が現れた。hirota2_06.jpg大振りの牡蠣は仙台から。 刻んだイベリコ豚を含むソースのコクと牡蠣の身の力強さが拮抗して、魅力漲る食べ口に唸る。 委員長の「あつっ!うまっ!あっつ!うめっ!」が微笑ましくも喧しい。でも気持ちがよく判る(笑)。 hirota2_07.jpgそして、でぇ~たぁ~! 伝家の宝刀、俗に呼ぶ「カキボール」だぁ。 前回の偉容から察するに、ひと回り小振りにも思えるものの、やっぱり嬉し楽しいカキフライだ。 ソフトボール大の外郭へ例によってフォークの先を切り入れて中身をご開陳。わらわらと蠢くような牡蠣が、はよ食べなはれと誘います。hirota2_08.jpgカリリとした衣と牡蠣の身を合わせ食べれば、じっくりじっくり火を通したことによる凝縮した旨味がドドドンと圧倒してくる。その骨太な味わいに山盛りにしたキャベツがよく馴染む。 いいなぁ。やるなぁ。真似しようとは思わないけど、これって大体何分ぐらい揚げるンだろうね。 そしてカキボールとは違うベクトルで牡蠣を堪能させてくれたのが、「大根と牡蠣の炊き合わせ」。hirota2_09.jpgエキスが零れないように、オーブンで炙ってから丁寧に煮含めた牡蠣は広島産。 柚子胡椒で〆た所謂銀あんがしみじみとした滋味でふっくらした牡蠣を包み、活性した牡蠣の魅力と渾然として目を閉じて味わってしまいそうになる。そっと控えた大根にもそのしみじみの余韻がしっかりと。 さらに転じて、がっつりと攻めるシメのスパゲティ。hirota2_10.jpg hirota2_11.jpg半切牡蠣をメインに、どこかサワークリームをも思わすクリームソースで包んだトッピングはコクある味わい。そのトッピングに負けじとトリュフを織り込んでいるという牛肉スパゲティも濃いぃ味仕立て。満足中枢に直球を投げつけて、クライマックスを演出しようという魂胆がまたニクイ。 hirota2_12.jpgそんな高揚した気持ちをそっと落ち着かせてくれるのが、「廣田」自慢の珈琲。 店内いっぱいに香ばしく薫り、そしてほどよい苦味と酸味が和ませる。 ザンビアやニューギニアの豆をオリジナルにブレンドしたものだそう。 ふぅ~。ぱかぱか呑んじゃったワインの酔いまでも洗い流してくれるよう(笑)。 訊けば、こちらの店主、あの築地場内の「豊ちゃん」で働いていたことがあり、今も関係が深いんだそう。市場と云えば、この日の牡蠣は生の三点をはじめとして、大田市場の仲買「山宗」からのものが中心だそうだ。 北米産のぎゅっと濃縮した生牡蠣の魅力から、上手に火を熱を加えることで格段と活性する牡蠣の魅力までを堪能させてくれた「廣田」のカキタベナイトでありました。 今宵のご同席多謝は、 「カキタベ!」委員長のtakapuさん 「バンド・オブ・トーキョー☆」のロレンスさん 「色々だらだら」の 魯 さん 「東京のむのむ」の のむのむさん と てくてくさん 「春は築地で朝ごはん」つきじろうさん 「Tokyo Diary」のromyさん 「華麗叫子の胃袋は偉大なるコスモ」華麗叫子さん ちはやまことさん でした。ありがとうごさいました~。
そしてなんと、「カキタベ!」が、スゴブロ2008にてベスト20入りを果たすという快挙を成し遂げました!! なんか自分のことのように嬉しいぞ。おめでとございますー。 口関連記事:食堂「廣田」田園調布 で空前絶後のカキボール(07年11月)
「廣田」田園調布 大田区田園調布本町49-1-1F http://www.bronet.jp/
column/02440再会

PIZZA「SALVATORE CUOMO」で 白に黄色の四種のチーズ

cuomo.jpg 今日はナゼだか、ピッツァな気分。 ということで、寒空の下向かったのは、 新富町駅も至近な築地橋袂にある「サルバトーレ・クオモ」です。 ナポリピッツァの伝道師のひとりだとされるサルバトーレ・クオモさんの信条は、 「料理において、常にナンバーワンではなくオンリーワンであることを目指している」。 どこかで聞いたフレーズでは?と思うのは気のせいかなぁ(笑)。
お昼のメニューは、ピッツァセットかパスタセット。 ピッツァな気分なものの、王道「マルゲリータ」にしようか、気鋭「マリナーラ」にしようか、はたまたと迷う。で、「四種のチーズのピッツァ」を選んでみました。 四種ってなに?っと訊けば、 エダムとゴーダとゴルゴンゾーラと、えっと、プロブ…、プロヴォローネです、とおねぇちゃん。 よくわかんないんですけどっ、というのが正直でよろしい。 プロヴォローネってのはオジサンも初めて聞いたもの(笑)。 プロヴォローネというのは、ナポリ原産とされるハードタイプの牛乳のチーズらしい。 cuomo01.jpg先出しのサラダを摘みながら、器用に伸ばした生地にトマトソースを広げたり、円盤に刻んだチーズを散らしたりcuomo02.jpgする様子を眺め、そして店名が象られた赤いタイル貼りの炭火釜の奥で燃える炎をじっと見る。
その炎獄から焼き上がったピッツァが届けられました。 白いところ黄色いところは、鏤められたチーズが発色する個性なのでしょう。cuomo03.jpgcuomo04.jpg薄い生地の真ん中寄りは、チーズの風味もたんまりと味わえて、コルニッチョーネと呼ぶブニンとした額縁を合いの手に、次々食べる感じになる。 出来れば、生地の1/4ずつに4種類のチーズをおよそ別々にのっけて、それぞれのチーズをそれぞれに楽しめる感じにしてあったら面白いのになぁと思うのだけど、バランス欠いちゃうのかな。 生地そのものの醍醐味としては、代々木「イル・ペンティート」のローマ風やパルペノテ系のプレートに軍配を挙げたい気もするものの、例えばマルゲリータ食べたら印象変わるかもと思わなくもない。 いずれにしても、夕方お腹がなりそうなのは、間違いない。やっぱり400円追加してサイズアップするべきだったかなぁ(笑)。
「SALVATORE CUOMO」 中央区築地1-2-1レジデンシア銀座イースト 03-3542-3865 http://www.salvatore.jp/
column/02495