日本オイスター協会とサントリーワインインター社がタッグを組んで催してくれたイベント会場、「MAIMON」銀座からの道すがら。
もう少し呑もうと、コリドー街から一本離れた数寄屋橋通りに流れて来ました。
もしやと思いながら足を向けたのは、
日曜定休のバー。
窺うように通りの先を眺めると、半円のテントに灯りが点っているのが見つかりました。
ちょうど先客さんを見送りにドアを開いたバーテンダー氏に、
今日は定休日では?と訊くと、12月は書き入れ時なので開けるようにしているンだそう。
おお、それは願ったり叶ったり。
早速ちょっと、お邪魔します。
定番スタンディングスタイルのカウンターを横目に、奥にあるテーブル席の4名さま。
背後から見守るカウンターには、男性ふたりに女性がおひとり。
女性はどなたかと待ち合わせの間だったようです。
別の店の某バーテンダー氏によると、ここ「SAMBOA」数寄屋橋のインテリアは、
ホテル「リッツ パリ」のバーのひとつにそっくりだそう。
リスペクトがそうさせたものなんだろね。
ご注文は勿論の「ハイボール」。
グラスの上から覗く、コースターには、"Established 1918"の文字。
今はなき神戸の店を除く、京都・大阪・東京の「SAMBOA」の空気が一気にくるくるっと脳裏を巡ります。
グラスの側面には、「SAMBOA」の"S"をモチーフにしたロゴマーク。
ウィルキンソンの炭酸の泡粒もグラスを飾って、いい感じです。
勿論、氷は入りません。
バーテンダー津田氏が、ヒルトン、堂島、そして銀座店での勤務を経て、
10年に開業した「SAMBOA BAR」数寄屋橋。
津田さんの表情や立ち居振る舞いからも、「SAMBOA」のバーテンダーとしての誇りと自信と覚悟のようなものが柔らかに伝わってきます。
浅草が加わって、東京にも3本の「SAMBOA」カウンターがあることになる。
そうそう、数寄屋橋のお店の場所は、あのステーキ「かわむら」のある路地の左側です。
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「SAMBOA BAR」数寄屋橋
中央区銀座7-3-16 東五ビル [Map] 03-3572-5466
http://www.samboa.com/
新川の裏通り。
ちょうど、晩酌処「ごふくの丘」の向かい側にあるのが、挽き立て煎れ立て珈琲の店「ハナミズキ」。
女性スタッフがきびきびと立ち動く様子が硝子越しに窺える。
店頭のパネルには、ランチ用メニューもあれこれ。
ナポリタンはないけれど(笑)、ふとした喫茶店気分の時にお邪魔します。
おひとりさまは原則、Lの字のカウンターのいずれかの席に。
ゆったり座ること意図したらしき、ひとりソファーに収まると、
ひと眠りしたい気分にもなります(笑)。
何度もいただいているのが、「特製ダブルカレー」。
橙や緑の彩り添えたドライカレーと形の崩れかけた豚角肉を含んだコク味カレーのコンビ。
ダブルなカレーというと、
新大橋通り沿いの「カレー革命」や長原「MOON」の「カレーチャーハン」を思い出す。![]()
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北京鍋で豪快に炒めた感じのカレーチャーハンとキーマなカレーとの組み合わせに対して、こちら「ハナミズキ」の「特製ダブルカレー」は、どこか品良く端正で、女性のキッチンから運ばれたものの感じがします。
豚のしょうが焼き付きの「鶏五目ごはん」とか、
1日10食限定の「ステーキ丼&とうふサラダ」なんかも気になりつつ、
「ダブルカレー」と交互にいただく勢いなのが、「オムライス ハヤシソースがけ」。![]()
ケーキの玉子生地で包んだようなオムライス。
包んでいるのは勿論、チキンライスだ。
さらりとしたコク味のハヤシソースを切り分けるようにしながら、いただきます。
うん、定番としての安定感がありますね。
新川の裏通りに、挽き立て淹れ立て珈琲の店「ハナミズキ」。
一青窈も謡う「ハナミズキ」を店の名前に冠した由来を訊こうと改めて足を向けたら、
平日の昼だというのに、営ってない。
特に貼り紙などはないので判然としんないけど、閉めてしまったのでしょうか。
暖かくなったら、14時から提供の「ミニパフェ」もいただこうと思っていたのにな。
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「ハナミズキ」
中央区新川2-6-14 [Map] 03-3297-1721
西武新宿線がガードの上を走り、
その下を東川という水量の少ない川が流れる。
川の両側をそれぞれ一方通行の道が囲んでいる。
坂の上から始まるその道の名は、「飛行機新道」。
明治44年頃に我が国初めての飛行場が所沢に出来て、所沢停車場(今の所沢駅)から飛行場(今の航空公園)へと飛行機を運ぶために新しく造った道らしい。
そうだと知るヒトは余り多くないけれど、所沢が日本の航空発祥の地なのだ。
そんな飛行機新道は、左に折れて川から離れ、
かつて米軍が駐留していた場所にある航空公園へと向きを変える。
その曲がり角辺りに、今にも朽ち落ちそうな食堂があるのです。
もうとっくに閉めてしまっているものと思い込んでいたのに、
「ラーメン」や「名代うどん」とくっきりと示す幟が風に揺れている。
ああ、スゴイ。
いまも営業しているんだ!
硝子窓さえも覆い尽くそうとする蔦に包まれている。
かつて店の名を灯られていたであろう看板の表示板は、
今ではもう見ることのなくなった、硝子製だ。
もう文字も掠れて、割れて、隙間が開いている。
蔦越しに見上げるペプシの看板は、店名を蔦が隠してすっかり見えない。
その裏側はといえば、店名が陽に焼けてやっぱり見えない。
建物右手のショーケースを覗くと、これまた期待に違わぬ出来上がり(笑)。
煤けたように積もった埃のベールを纏ったサンプルたち。
笊蕎麦の下敷きになってしまっているのは、タンメンでしょか。
車の撥ねた汚れをそこそこに、力強くホワイトボードに認めたメニューたちがまた強く誘う。
「豚生姜焼定食」650円に「肉汁付ざるうどん」に「男前豚丼」600円。
「鍋焼ラーメン」に「キムチ豆腐おじや」なんてのまである。
お昼の時間をとうに過ぎていたけど、幸いなことにまだ営業中の札が掛かっている。
いざいざとサッシュのドアを引き開けようとすると、あれ?固い。
もう一度と力を込めて引くと、ズズズという音とともに開けることができました。
店内は、ひと言で云えば、おばあちゃん家の食卓。
お客さんに出すのとは明らかに違うお惣菜やら湯呑みが載ったテーブルが中央にあって、
必然的に右側のパイプ脚のテーブルに座ることになる。
改めて見渡す店内は、使い込んだ食卓にふさわしい雑然さ。
色々なものが貼られ、提げられ、吊るされている。
筆ペンで描いた品書きに混じって、
チラシに裏に自らの人生訓のような文句を綴った貼り紙もある。
冷蔵庫の貼り紙にはこんな台詞もあっていい。
「人生を美しく生きるにはおいしい料理」。
奥の厨房にいるじいちゃんとなにやら声を掛け合いながらの調理の様子が漏れ聞こえてくる。
しばし後、「豚生姜焼き定食」がやってきました。![]()
生姜がぴりりと効いて、いい感じのロース肉。
玉葱の甘さも映って、なんだかとっても正しい気がする。
これで650円でいいんでしょか。
そんな安さの所為もあって、やっぱりこれもいただかなければと「肉汁付ざるうどん」。
プラスチックのザルに載ったうどんは真っ白い。
もしかしてここで絶品の武蔵野うどんに出会えてしまうのかも、
という一抹の期待はやはり無謀なもので、ザルのうどんは讃岐モチーフの普通なヤツ。
すぐ脇の手洗いの鏡には見沢製麺の文字。
ご夫婦のお歳でうどんを手打ちするのは、無茶なことですものね。
気なるメニューに呼ばれて、ふたたびの昼下がり。
営業中の札を確認して、硝子越しに覗き込むと、目の前の食卓でまさに遅いご昼食中。
お食事中御免なさいと呟きながら、固い引き戸を開きます。
気になっていたのは、「男前豚丼」。
中途のご飯に新聞紙をかぶせて、調理に勤しんでいただいた成果がこちら。
こってり濃い味に焼き上げた豚ロースの上に、たっぷりのおろし山芋。
中央には、当然の如く、黄卵が載っています。
豚肉の濃い味を山芋の自然な甘さが受け止めて、まったりしたコク味で迫るドンブリ。
"スタミナ"などと呼ばず"男前"と呼ぶなんて、オヤジさん、粋じゃないですか。
これまたもしや!と思いついて、「ラーメン」400円也を追加注文してみます。
渦巻きナルトなんか浮いちゃって、まさに懐かしい顔立ちの中華そば。
ただ、味わいは至って普通。
これでしみじみ旨かったら、さらに嬉しさ百倍なんですけどね(笑)。
飛行機道の曲がり角、東川の畔にいまもある、蔦の覆う大衆食堂「末廣屋」。
「末廣屋」「末廣食堂」の創業は、まだ米軍基地が返還される前の昭和42年のこと。
ああ、45年も此処にあるのに、やっと最近お邪魔できたなんて。
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思わず、お元気で!と云ってしまいそうになるけど、帰り際に、
また来まーす!とご挨拶。
だって、ホワイトボードにもっと気になるメニューを見つけそうなんだもの。
「末廣屋」
所沢市西新井町21-18 [Map] 04-2992-2289
それは、師走の日曜の昼下がり。
日本オイスター協会の会長さんからお誘いをいただいたイベント会場へとやってきました。
処は土橋の信号の近く、銀座コリドー街の一方の入口辺りといえばいいでしょか。
円柱形の建物を憶える静岡新聞の縁石に寄り掛かって、会場が開くのを待つ。
当の会場は、有名オイスターバーのひとつ、「MAIMON」銀座店であります。
マリンブルーが目を惹くブロックアイスざくざくのカウンターを横目にしながら二階フロアへ。
スタイリッシュかつ落ち着いた空間は、牡蠣好きさん達で満員御礼、満杯だ。
今回のイベントは、題して「"牡蠣+工藤シェフ連合軍" vs "サントリーワイン軍団"」。
なんだか対決モードに仕掛けようとする節もありますが(笑)、要は牡蠣とシャンパンの相性について改めてみんなで向き合ってみようよ!ってな趣旨なのです。
工藤シェフは、MAIMONの全店舗総料理長。
一方の、"サントリーワイン軍団"というのは、
あの「ローランペリエ」でお世話になったサントリーワインインターナショナルの方々。
振り返れば、新丸ビルの「四川豆花飯荘」のセミナーで初めて出逢った「ローラン・ペリエ」。
ウイリアム王子の結婚式の夜の晩餐会で皇太子御用達のシャンパンとして振る舞われたものとしても知られる「ローラン・ペリエ」を「玻璃 青山」のプールサイドや六本木「HYGGE」のカウンターで味わったことを想い出す。
その後、山本実樹子さんやlaraさんが、
六本木の小さなサロンで催したチャリティーコンサート。
チャリティーのちょっとした後押しにと、
コンサートの休憩時間に、軽ーく"牡蠣とシャンパン"を愉しんでもらおうと思い付いたのが、
オイスター協会とサントリーワインインターの方々を結びつけることになり、
今回のイベントのきっかけになりました。
それはさておき、早速いただく「ローラン・ペリエ」は、主力のブリュットL-P。
ああ、やっぱり、繊細にして酸と華やかさのバランスがいい、美味しいシャンパンだ。
さて、どこあたりの殻付き牡蠣がやってくるのかな?と待っていると、
牡蠣のお皿ではなく一枚のシートが配られました。
そこには、牡蠣の味わいの相関や分布を示す図表が示されている。
そして、司会進行のジャージ佐藤氏がこう宣ふ。
これから供するどの殻付き牡蠣が"シャンパンやワインに合う"のかを答えなさい!
謂わば、産地やブランドを伏せて味わう"利き牡蠣"的な。
こりゃ、美味しい旨いとヘラヘラ牡蠣やシャンパンをいただくのとはちょっと勝手が違ってきました(笑)。
華開くように盛り付けられた牡蠣には、AからFまでの記号が附されてる。
形の違い、大きさの違い、身の厚みの違いを眺めても、
それだけでひょいと産地が判るべくもなく。
いつもの檸檬スライスが添えてないのは、
シャンパンの酸が牡蠣に利く具合を確かめることを意図してる。
「ローラン・ペリエ」をいただいては、殻から外した牡蠣をつるんとして。
これはさらっとしながらちょっとしたクセがあるなぁとか、なかなか濃いぃコク味だなぁとか、
ミネラルな感じも強いよねとか、唸るように呟いたり目配せしてニヤついたり。
ウハハこれは濃厚だわぁと、カキタベ!委員長も愉しそう(笑)。
でもね、いただく順番で結構印象も変わるし、個体差もありそうな気がする。
段々自分の好みの牡蠣の味わいを確かめてるのか、シャンパンと相性のいいと思うものを選んでいるのか判らなくなってきた。
さっきのあれより、いまのこの濃厚さ、でもミルキー一直線なものよりバランスの良いのがいいけど、あれどれだっけ?みたいな(笑)。
手元にメモっていても、混濁してくる。
因みに殻付きで供された牡蠣のひとつは、
「MAIMON」オリジナルの「マイモン・ダイヤ」はこの時期福岡から。
そして、唐泊の「恵比須」、長崎はご存知「九十九島(くじゅうくしま)」、
飛んで北海道の汽水モノ「サロマ湖」。
「キリタベイ」はニュージーランド、「キャッツアイ」はタスマニアからやってきたヤツ。
「キリタベイ」、結構好みかも。
これも宮城の牡蠣のDNAを継いでいるンだぞ。
うーんと、結局、どの牡蠣が一番「ローラン・ペリエ」に合うのか分かんなくなっちゃった、
ゴメンナサイ(笑)。
ブリュットには、クリーミーさ控えめなヤツが合う気はするのだけどね。
でも、シートが示す、昆布ダシ(磯なアミノ酸的旨み)と海水(ミネラルな感じ)、貝柱・蛤(貝のエキスな感じ)と生クリーム(グリコーゲン的濃厚さ)といった位相の交わりは、殻付き牡蠣の味わいのバラエティを愉しむ時の指標になりそう。
どっちにしても、まだまだ修業が必要なのだ(笑)。
この日の"利き牡蠣"修業はそのくらいにして。
届いたのは、「恵比須」牡蠣のワイン蒸し。![]()
工藤シェフによるとこの蒸籠、サントリーの手摘みシャブリ「ウィリアムフェーブル」で蒸し上げたものだそう。
それをサントリー「甲州」でいただいたりなんかして。
次のお皿は、不思議な光景を運んできた。
カリッと揚げた牡蠣のフリットに小さなスポイトが幾つも刺さっているのです。![]()
そのスポイトには、
同じく国産ぶどうの「マスカット・ベリーA」を使ったポン酢が入っている。
それを垂らすのではなくて、
ちゅーっと身の中に注入して召し上がれ!という趣向。
でも、上手いこと注入できない......。
ジュレにしちゃう、なんて手もあったかもね。
それからは、ビュッフェスタイルのテーブルで、牡蠣料理の争奪戦!
塩ダレをいただいた牡蠣フライや牡蠣のパエリア風などなど。![]()
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「ローラン・ペリエ」の絶品ロゼ、もっと吞みたかったなぁ(笑)。
コリドー街に印象的なブルーライトで誘う、Oyster Bar「MAIMON」銀座。
イベントへの会場提供と工藤シェフはじめスタッフ面々の尽力に多謝多謝。
そして"サントリーワイン軍団"のワインエキスパートの方々にはまたまたお世話になりました。
会長、ジャージ佐藤氏、お疲れさまでした。
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Nuovo Chinese「玻璃 青山」で 水辺の中華とローラン・ペリエと(11年07月)
BAR「HYGGE」で燻製牡蠣とオイルサーディンとローラン・ペリエと(11年07月)
「MAIMON」GINZA
中央区銀座8-3先 銀座コリドー街 西土橋ビル [Map] 03-3569-7733
http://www.secret-table.com/brand/maimon/
イヴイヴですからねー、イヴイヴ!
いい調子でめんどっちく出来上がったナポちんが、
新川の洋食&居酒屋で、そう告げるのをよく憶えていました。
イヴイヴの晩に何処でなにがあるかというと、それは大井町。
中央口に集合したのは、
大井町と云えばのゆっきーにグヤ兄さん、
ナポちんに練馬から遥々の一合とっくりん。
そう、所謂"ボンクレーの会"に初参戦したのでした。
ボンクレーの会は、思いつくまま大井町を徘徊しては、
梯子酒をして酩酊するのが主題の会、らしい(笑)。
今回は趣向を変えて、東小路入口脇のあのビル一本でイクっつーのは、どや?
とグヤ兄さんがニヤリとするも、ちょっと歩き始めた途端に空かさず路線が変わる。
なはは、それもまたボンクレーの会ならではなのでしょう。
5人組は、いつもの東小路の右っ側をつつつつっと往く。
「永楽」を横目で眺め、そのまま真っ直ぐ進んで、
「ブルドック」の料理サンプルのくすみ具合を確認し、
新進のバル「肉寿司」の前に立ち止まる。
ナポちんとメニューをひっくり返しているうちに、
兄さんはもうその先のゼームス坂へと突き進んでいました。
辿り着いたのは、打ちっ放しのコンクリートの外壁に牛豚鶏のイラストを掲げたお店。
もつやきの「しげちゃん」だ。
常連さんが腰を落ち着けているカウンターを左手に、奥のテーブルに陣取る5名様御一行。
寒空の下歩いてきて、悴んだ両手を擦りながら飲み物を注文します。
冷えた麦酒 って気分じゃないかもとお願いしたは、焼酎のお茶割、「お茶割酎」熱いやつ。
湯気をフーフーしてからズズといただけば、おお、旨い。
そして、なかなかにアルコール濃いぃ。
素直に「面白いっすね〜」と云ったら、「面白い言うな」とグヤ兄に咎められた(笑)。
カウンターを振り向けば、等間隔で並ぶ常連さん達。
この後、その間も埋まることになります。
そこへ、お願いしていた「にこみ」がやってきた。
如何にもホルモンな部位の向こうに半丁ほどの豆腐がとんと載っています。
コッテリ過ぎず、あっさり過ぎず、それでいてド直球の旨み。
ああ、脂の甘さが沁み入ります。
木札にみるこの晩のモツは、8種類。![]()
辛子味噌でいただく「たん」をぐにんと齧れば、じゅわんと滲む旨味。
端っこの焦げた玉葱の合いの手もいい。
いいねいいね、とまた「お茶割酎」をクピクピ。
一見鶏皮のようにみ見えるのが「しろ」。
食感もなんだか鶏皮のようで、噛む程に滋味がまし、すっと消える。
噛み応えももつやきの重要なファクターなのだよなぁと、
今更のように思うところへ「こぶくろ」の串がきた。
火の性格や焼き方も勿論大事だけど、
そのためにどんな大きさで刻むか、も塩梅のあるところ。
小さかったら難しいような、大きい方がしっかり火を通しつつ通し過ぎないようにとか、
手連があるのだろうね。
ウーロンナポちんは、例によってウーロンハイのピッチが上がる。
ゆっきーは、熱いお茶に対抗して、冷たいお茶割酎。
二杯目の「お茶割酎」がズンと効いてきて、脳みそがふわふわし始める(笑)。
仕舞いにゃ「ゴーヤ酎」なんか呑んで、苦い!と眉を顰めるとっくりん。
「チキンボール」は、表面のしっかりしたタコ焼きのルックスだ。
はふっと齧ると、湯気が立つ。
ふんわか素朴な、でも毎回注文んでしまいそうな逸品であります。
「ソバ」って、蕎麦かいな?と発注したのは、普通の焼きそば。
大阪の焼きそばは、豚肉じゃなくて牛肉がデフォルトなのかな、
今度どこかで試してみようかな、などと酩酊の入口の頭が考える。
ま、いいか。
青海苔たんまりが歯にくっついて、いいぞ(笑)。
大井町、ゼームス坂のオヘソといえば、もつやき「しげちゃん」。
改装する前はきっとちょっとキッチュな魅力の風情だったのかもなぁ。
改装前にも来たかったな。
と、考える間もなく、一同は再び、底冷えの大井町の横丁へと泳ぎ始めるのでありました。
口 関連記事:
洋食・居酒屋「とおさんぼ」で 町角のカキフライとナポと生姜焼き(12年01月)
「しげちゃん」
品川区東大井5-5-12 [Map] 03-3474-8946
餃子の有名店良店が競うように点在する蒲田界隈。
その一方で、とんかつの佳店も負けてない。
JRの東側には、「丸一」を筆頭に、新進の「檍」に「マルエ」など。
そして西側の代表格といえば、とんかつ「鈴文」。
「カキフライ」への期待も綯い交ぜにしつつ、足を運びます。
処は、ちょっと周囲を隔絶するような東京工科大学の建物の向かい側。
再開発の此方と彼方を同時に眺めるような気分になりながら、
新しい方に背を向けて白く潔い暖簾に対峙します。
人気のカウンターには空席が数席。
お母さんが促すままに、角に近い辺りの一席に腰掛けます。
スクリーン越しに眺めるたっぷりの綺麗な油、清潔感溢れる店内。
それだけで既に美味しさを確信したかのように気分にさせてくれます。
![]()
品書きの木札の並び辺りに、
「カキフライはじめました」的な貼紙を探すも見つからない。
ここまずとんかつをいただくのが筋なのだと合点して、「とんかつ定食」をと声を掛けました。
そっと厚切りの肉塊を取り出して軽く塩胡椒。
カウンターの内側に配置してる竹串で引っ掛けるようにして溶き卵に潜らせ、
パン粉を着せる。
そして油の中へとするっと滑り込ませる。
何かを達観したかのように、泰然とゆっくりした表情で油殿の湖面を見詰めるご主人。
何気に一句、呟きそうな表情がなんともチャーミングだ。
確かめるように対話したあと、例の太い箸で油から引き上げて、呼び水を使うように油を切る。
カツに入れる包丁は、一瞬油に浸して温めてから。
その所作もまた、いい。
おかあさんが赤出汁とご飯を運んでくれたら、出来上がりのサイン。
届いたお皿のカツは芳ばしい揚げ色。
檸檬をちゃっと搾り掛けて、そにままどれどれと口に運びます。
おおおお、旨い。
さっくり歯触りの衣と脂の加減の丁度いい豚肉との一体感。
たかがとんかつに、絶妙の完成度を思うのです。
帰り際に、牡蠣フライはまだですか?と訊いてみました。
すると、ご主人が柔和な表情を申し訳なさそうにちょっと歪ませて、
値段が合わないし今年は難しいかもしれないです、と仰る。
それだけで、例年、三陸の牡蠣を使っていたこと、
牡蠣フライにするなら三陸の牡蠣じゃなければという拘りが容易に想像できる。
そうですね、来シーズンにはいままで以上の、
フライにも合う牡蠣が三陸から届くに違いないですものね。
別の夜の蒲田西口。
牡蠣の代わりに、奮発して「海老フライ定食」をいただいちゃおうと勇んでやってきました。
注文を告げると、あ、海老フライ、もう仕舞いなんです、と切ない知らせ。
ならばと、「特ロースかつ定食」に挑みます。
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断面を拝めばなるほど、
厚切りの綺麗な肌理からたっぷりの澄んだ脂が滲んでる。
以前はこれを岩塩でイクのが大好きだったのに、
今は「ロースかつ」のバランスの方が断然好み。
それは兎にも角にも歳の所為(笑)。
これはこれで十二分に美味しく、品格すら感じるのだけど、ね。
蒲田を、いや城南を、いや東京を代表するとんかつ店のひとつ、
とんかつ「鈴文(すずぶん)」。
まだ試していない「海老フライ」も「ヒレかつ」もきっと旨いに違いないと不思議に確信できる。
そしてまだ見ぬ牡蠣フライを指折り数えて待つことにしましょう。
「鈴文」
大田区西蒲田5-19-11 [Map] 03-5703-3501
それは、秋の終わり頃。
渋谷さくら通りの急坂にある「RISOTTOCURRY standard」のカウンターから、その本丸である代田の「世田谷BAL」へ。
賑わう「世田谷BAL」でグラスのワインをいただいて、すっと次々やってくるヒトたちに場所を譲る。
そこから緑道を沿い、住宅地を抜けシモキタへ。
茶沢通りを辿ります。
近々沖縄の実家に戻るという同僚が「ココ、ココ」と指で示すのは、
ジャズハウス並びの板張りの扉。
壁には、アフロヘアーの男女が向かい合う構図が描かれています。
扉に近づくと、扉の中央にさらに小さな扉。
パカリと開けるとカウンターを埋めるひと影が覗ける。
お向かいの「バーミヤン」の"桃"が硝子に映ります(笑)。
先客さんたちの背中に沿って、ちょっと横歩きに店の奥へ。
カウンターの角っこ辺りに落ち着きました。
バックバーにはボトルの列の代わりに、ギッシリのレコード。![]()
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目の前のターンテーブルがするすると回って、店内の空気を心地よく震わせます。
「I.W.ハーパー」のロックあたりで改めての乾杯。
舐めるバーボンの柔らかさに重なるメロウなメロディ。
壁に掛けられた額のひとつにはジミヘンがいる。
今の曲は誰のだろう。
シモキタの一隅がよく似合うソウルバー「ALGONQUIN'S BAR(アルゴンキンズ・バー)」。
"ALGONQUIN"は、ニューヨークにある伝説的な老舗ホテルの名前を冠したものだそう。
こうしてターンテーブルが紡ぎ出す音色に包まれながらウイスキーの琥珀を傾けるのは、
なかなかに心地いいことを再発見。
仲間と一緒でも、おひとりさまでも。
こんな店が近くにあったらいいのにな。
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BAL「RISOTTOCURRY standard」で 妙に嬉しい5杯目のグラス(11年12月)
「ALGONQUIN'S BAR」
世田谷区代沢5-6-14 [Map] 03-3412-6942
名古屋駅から地下鉄東山線でひとつめの伏見駅。
ホームに降りて栄の方向へと進んで改札を抜けると、
そのまま真っ直ぐの地下商店街に立ち入ってる。
通路の片側に並んでいるのは、チケットショップにヒーリングサロン、画廊に宝石店、幾つかの飲食店。
開業1957年という伏見地下街は、その当時の匂いをいまだ色濃く残しています。
そんな伏見地下街の栄寄りに認めたお食事処が、
コーヒーショップ「びーんず」。
ネオンサインの感じからは、「び〜んず」と表記するのが雰囲気かもしれません。
喫茶店のランチといえばやっぱり、ナポリタンならぬ「イタリアン」。
男性率95%の店内で、いざいざご注文です。
やや遠く、厨房の方から聞こえてくる炒め音。
じゅーというその音が何故だかだんだん近づいてきました。
お待ちどーさまー、とお姐さんがテーブルへと差し出したのは、
板に載った楕円の鉄板。
そう、こちらの「イタリアン」は、所謂名古屋式なのであります。
赤いウインナーも愛らしい。
周囲の玉子も半熟な表情が窺えて、これまたいい感じ。
玉子との境目辺りにフォークの先を入れて、ひっくり返す。
ああ、鉄板による焦げがあったりなんかして。
麺の太さもノーモアアルデンテの食感も悪くない。
ナポちんはもう試したかな。
そして、鉄板焼き&玉子使いのスタイルはどこから始まったことなのでしょう。
名古屋式ナポリタンがいただける、伏見地下街のコーヒーショップ「びーんず」錦店。
写真入りお品書きには、あんかけの「モンテスパ」「モンテバーグ」なんてメニューがあって、その"モンテ"がなんだか気に掛かる。
訊けば、いまはもうない「モンテ」という名の喫茶店のメニューを引き継いだものらしい。
「イタリアン」もそんな経緯に影響を受けているのかもしれないね。
「びーんず」錦店
名古屋市中区錦2-13-24 伏見地下街 [Map] 052-211-3335
大井町線荏原町駅前には、
八幡山法蓮寺と旗岡八幡神社。
その周辺は静かな住宅地。
大井町に向かう車窓から踏切脇の角地の立ち呑み屋のその先を眺めると、
ちらっと赤い提灯が覗きます。
通り過ぎる一瞬、脳裏に描いた提灯の文字は、「おでん」。
冷え込んだ宵の口には、足を向けたくなりますね。
格子状の硝子戸から覗くとそこには、屋台がある。
元は食堂か中華料理屋だったのでしょうか。
ちょうどいい具合のスペースに屋台がすっと収まっている。
屋台を建物内に曳き込んで営業するスタイルには、今はなき茅場町の某店を思い出すけど、あのような荒唐無稽さが漂うことなく、その分小綺麗な印象だ。
間違うことなき、おでんの屋台の長椅子に招かれて腰を落ち着かせると、
眼前に広がるおでんの海。![]()
あれこれのタネが浮かび沈むその出汁の海は、澄んでいます。
膝頭が当たっているのは、タイヤの干からびた車輪のスポークだ。
やっぱり気分は燗のお酒。
オヤジさんにお願いすると、「高清水」の一升瓶を傾けて、アルミの酒タンポにとろろと注ぐ。
そしてやおらその酒タンポをおでん出汁の海の隅にセットする。
時折その上に掌を翳して温度を読むオヤジさん。
路上の屋台の頃からの所作なのでしょうね。
さて、なにからいただきましょうか。
やっぱりおでんのスタートは、大根から。
がんもどきに海鮮しいたけを添えましょう。
うん、上品な出汁がゆるっと滲みて、いい。
受け皿に零れていた酒をコップに戻して、またつつつ。
魚すじにはんぺんになんぞをいただいて。
ふた皿めには、たまごにいわし団子、里いも。
図らずも、コロンとしたヤツらの競演になった。
しゅうまいに、ふき、なんてのもオツなもの。
こふいふタネって、昔ながらのおでん屋台にもあったっけかなぁ。
これも定番、ちくわぶに牛すじ。
ほろっと崩れる牛のスジに典型的な練り物を思うちくわぶ。
ちくわぶは、関西にはないものらしいよね。
ほろ酔いだし、そこそこ満腹になってきたのだけど、〆メニューにどうも気になるものがある。
それがこの、素麺をおでん出汁に泳がせたどんぶり。
渦巻きのナルトがアクセント。
結えた昆布をじわっと囓っては、そうめんを啜り、汁を舐める。
なんかこう、ゆる~い感じがいいね、ふー、満腹(笑)。
荏原町の踏切近くに、屋台のおでん「松田」。
訊けば、以前は品川の港南口で屋台を出していたそう。
港南口で営業できなくなり、武蔵小杉や武蔵溝ノ口駅で屋台を出したが、
いずれも規制にあい、2年半ほど前にこの地に落ち着いたという。
路上の屋台でおでんを肴に呑む酒の風情が愉しめないのが残念だけど、
それも止む無しか。
寒さ暑さを気にせず通年たのしめるじゃん、と捉えればいい。
扉を開け放つにいい時季にでもまた寄り道したいな。
「松田」
品川区中延4-17-2 [Map]
日本橋 橘町「都寿司」。
最寄りでいえば、東日本橋か馬喰横山か人形町か。
云わずと知れた佳店は、ロレンス卿の記事でもお馴染みなところ。
ご主人がかつて修行したという蛎殻町「都寿司」へ一度赴いたことがあるだけで、こちらへはお初。
それも新年仕事始めという晩にお邪魔しました。
東日本橋のさつき通りという静かな裏道からみつけた「都寿司」。![]()
新春の清々しさが似合う店内。
若きご主人、がにこやかに迎えるカウンターは、やはり予約で満席です。
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麦酒なぞを飛ばして、石川の純米「五凛」の常温を所望する。
乾杯をして、衣被ぎを極力上手にちゅるっと皮を脱がせます。
ひっくり返した切り口には、雲丹が塗ってあり、いい。
おまかせで肴を幾つか仕立ててもらいましょう。
まずは、蛸。
塩と山葵でいただきます。
山葵は御殿場のご指名生産者さんのもの。
鮫肌におろした肌理優しく、豊かな香りの中に甘さを含む、つまりは美味しい山葵だ。
鰤のづけは、そのままで。
炙った皮目に添えた辛子に冬の鰤の脂が溶け込んで、云うまでもなく旨い。
手渡しでいただくは、帆立の磯辺焼き。
半ん生の帆立の甘さと炙った醤油の香ばしさ、海苔の風味。
これぞ寿司屋のカウンターならではと思い嬉しくなるね。
あん肝がまた絶品で。
濁りなくとろーんと溶けて、コクの鮮やかさが官能的だ。
宮城の純米「日高見」の常温もよく似合う。
断面の大きさから、元のサイズを想像する鱈子の山葵漬け。
薄皮のように包んだ外皮の儚さが印象的であります。
包丁の細工がもたらすか、皮目のスリットをじっと眺めてからいただく、鰆の焼きもの。
厚みのある身にぎゅっとたっぷりと旨味を湛えています。
もう少しつまみますか、にぎりますか、ということで、ここからにぎっていただきます。
一貫めに、細魚(さより)。
ぴり、しゅっ、と皮を剥ぐ所作から忽ちの芸術だ。
唸らせるにぎりのひとつが、春子(かすご)。![]()
いただく春子はは、血鯛の子。
仄かに華やぐような皮の香りと上品に甘く綻ぶその身。
いやはや、なんとも。
背中を開いたようなフォルムの鯵。
おろし生姜を載せている姿が定番だけど、ここではそっと中に仕込む。
口にした時最初に生姜の味に当たらず、後から追い掛けるように愉しめるよう計算してことなのです。
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生姜といえいば、こちらのガリ。
あくまでドライにぴりりと辛い、気風のいい奴なのだ。
あくまで均質均等に脂を配した中トロ。
これはもう説明なんかいらないね(笑)。
目の前の硝子ケースで皮に包まれて万を時していたのが、〆鯖。
ああ、絶佳なるかな。
白眉に思うは、金目鯛。
加減よく熟成したであろうその身には、芥子をちょん。
炙った皮目の香り柔らかいに、金目の脂の美味さがそっと弾けます。
車海老のシャリは、そうしているのか、仄かにあたたか。
女性には尾を落としてから供してくれます。
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妖艶なる赤貝に続いて、
津軽海峡のむらさき雲丹。
海苔で囲んで軍艦にする雲丹も悪くはないけれど、こうしてみるとタネとシャリのコンビネーションを真っ直ぐ味わえて、至極真っ当なことになる。
ここの雲丹はミョウバンが匂ったりすることがなく優れモノなんです、とご主人。
ここで追加で一貫だけと、鮪の漬け。
熟成した赤身の香りととろんとした酸味に溜め息。
いいなぁ。
煮ツメでいただいた対馬の穴子。
思わず誰でもニンマリしてしまうと確信するほどふんわり具合が物凄い(笑)。
ああ、堪らん。
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丁寧にキューブに包丁を入れた玉子焼きでひと通り。
これまた断面の肌理が美しい。
当然なこと乍らこれをこのように焼くってのだけでも、可成りの研鑽が要りそうだ。
云わずと知れた佳店、日本橋 橘町「都寿司」。![]()
年明け初日はちょっと緊張すると、ご主人。
一週間程度の休みであっても、さまざまな感覚が少しでも緩んでやしないか気に掛かるのだ。
素直な満足顔に礼を云われて、こちらからも感謝の意を返します。
またお邪魔しなっくっちゃ。
口 関連記事:
すし「都寿司」蛎殻町 で羽太を含んだ特撰にぎり(07年12月)
「都寿司」
中央区東日本橋3-1-3 奥田ビル1F [Map] 03-3669-3855
山車祭りの折りには、なかなかの賑わいをみせる所沢銀座通りも、普段はひと影も割と疎らな感じ。
嘗てあったアーケードはとっくに取り払われて、通りに沿って並んでいたお店たちがマンションに代わっていっている。
飛行機新道の始点でもある交叉点(俗に「ねぎし」の交叉点と呼ぶ)から眺める通りの両脇にはにょきにょきとマンションの外形が映る。
そんな銀座通りの一角から伸びる路地が「盃横丁」。
昭和の匂いを漂わす古き手描き映画看板が迎えます。
一度訪ねたことのある炭火やき鶏の「むさしや」を横目に路地のヒト。
真っ昼間の「盃横丁」は、折角の妖しさも極々控え目。
大谷石の外装重厚なClub「ACB(アシベ)」は今も営業しているのかなぁと立ち止まっては、
その奥へと進みます。
質屋「港屋」の板塀に沿って右へ折れると、
「盃横丁」のヘソとも思うバー「Thirty three」の半円のテントが見つかる。
その並び、つまりは「盃横丁」の東の入口のとば口に開店した「なか屋」さんがこの日の目的地です。
扉の脇につけた四角いアクリルのサインには、
武蔵野うどん専門店「なか屋」、そして"地粉100%"とある。
新装ながらも専門店としての気概を感じさせる佇まいではありませんか。
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「なか屋」は、ファサードから想像される通りのカウンターの店。
お食事メニューは、「肉汁うどん」は勿論のこと、「ざるうどん」に「野菜汁うどん」、そして「鳥汁うどん」「とろろうどん」「にしんうどん」なんかもラインナップ。
武蔵野うどん専門店としては、初っ端からバリエーションあり過ぎとも思うも、
そんな文句もお門違い(笑)。
素直に「肉汁うどん」をお願いしましょう。
大盛りでも値段変わりません、というのでそのように。
厨房の隅のコンロに載せた羽釜でぐらぐらと滾る湯の中にそろっとうどんを滑り込ませる。
その湯は何杯かのうどんを既に湯掻いているはずなのに、およそ澄んでいるように見えます。
その横のもうひとつのコンロには雪平鍋。
肉汁のネタには、豚バラ肉のみならず、刻んだお揚げもたっぷりの様子。
一杯づつ丁寧に仕立てることが、その所作からも窺えます。
当然ながらも手打ち手切りであることが、
平べったいところなんかが混じっていることで、よく判る。![]()
つるっとした見た目のテクスチャーを愛でてから、具沢山の肉汁に浸して啜ります。
硬過ぎず、柔過ぎず。
噛むほどに粉の滋味がじわっと伝わってくる。
武蔵野うどんの看板を掲げながら、
なんだか讃岐うどんみたいなうどんになっちゃってるうどんも世にあるけれど、
決してそうではない気概もまた噛むほどに。
「なか屋」のうどんは、サインが示すように地粉100%。
群馬辺りの?と問えば、
いえ、埼玉や北海道の国産小麦粉を狭山ヶ丘の田中製粉から仕入れている、という。
北海道の小麦粉が"地粉"かどうかの議論はさておき、
少なくとも使い勝手のよいオーストラリア辺りの粉を使ったり混ぜたりしている訳ではないことに敬意を払いたい。
そんな「なか屋」のうどんの特徴を象徴的に示すのが、蕎麦湯ならぬ「釜湯」。
つけ汁として濃いめに仕立てたツユをうどんを湯掻いた羽釜の湯でちょいと割って平らげてくださいと。
器に注がれたそのお湯は、羽釜に眺めた通りにおよそ澄んでいる。
頃合いをみながら残った肉汁に注いで小さなどんぶりを傾ける。
うん、飲むに加減のいい濃度にそこはかとない粉の風味が加わって、いい。
思い返せばいままでいただいた武蔵野うどんの店で、
いやすべてのうどんの店で釜の湯を供してもらった記憶はない。
妙なコシを無理くり与えようと、片栗粉やコーンスターチを混ぜ込んでいれば、
忽ちそれらが茹でる湯に溶け出して白濁してどろんとなることは想像されるところ。
打ち粉を叩いた地粉100%のうどんでは、
茹で湯を濁らせる程度が圧倒的に少ないってことなのでしょうね。
狭い厨房で工夫して打つといううどんは、いまのところ40人前程度という。
加水率や塩の加減を模索する毎日だそうだ。
昭和の匂い漂う、盃横丁の一角に武蔵野うどん専門店「なか屋」。![]()
開店は、11年の11月15日。
蕎麦屋の経験を活かしてと聞けば、「釜湯」の提供も頷ける。
武蔵野うどんの老舗たちを食べ歩いたのかと訊けば意外や、
「小島屋」も「きくや」もまだ訪ねてないという。
先客さんが退けたところで、
"糧"や"茹で置き"、"バラ肉のアクや脂"などについてお節介な意見交換(笑)。
ヒマを見つけては他の武蔵野うどん店も散策しつつ、
いまひとつ判然としない武蔵野うどんの定義を明らかにして欲しいな、なんて思います。
口関連記事:
炭火やき鶏「むさしや」で 浅蜊バターのスープ盃横丁入口脇の(06年08月)
BAR「Thirty Three」で 場末感を裏切るバーここにあり(06年09月)
手打うどん「小島屋」で これぞ武蔵野うどんの基本形うみゃいなぁ(07年06月)
手打ちうどん「きくや」で これぞ武蔵野うどんぬはははスルンと3L(09年05月)
「なか屋」
所沢市御幸町2-9 盃横丁内 [Map] 04-2939-4700 http://locoplace.jp/t000154205/
油の匂いをふと思い出して、
時折訪ねる天ぷら定食の店「ちはら」。
ただ、タイミングが悪いと店前の路地に空席待ちの一団と遭遇してしまうこともある。
そんなある日、それでは何処ぞでお昼にありつこうかと南高橋に通じる通りへふらふらと。
すると向かい側に"洋食 居酒屋"と示すくすんだ橙色のテントが目に留まりました。
アルミサッシのドアに貼られた「カキフライ定食」の札に即座に反応して(笑)、
入店を試みます。
草臥れた白いメラミンのカウンター。
奥に幾つか、これまた昭和な匂いのテーブルを認めます。
目の前には、ビニール袋に入った牡蠣の身たち。
こうも大胆に客に晒される調理前の剥き身もそうないかもしれません(笑)。
季節到来直後の牡蠣フライは、ザックリしたパン粉にもかかわらず、薄衣な感じ。
口が開いて牡蠣が覗いているのも愛嬌のあるところ。
"今日のランチ"には、「豚生姜焼きとカニコロッケ」なんてメニューもある。
ちょっと焼き過ぎちゃった感じもあるけれど(笑)、
その分香ばしくいただけるのがなんだか嬉しい生姜焼きであります。
何気に眺める"今日のランチ"のホワイトボードの並びに「ナポリタン」の文字がある!
ところが、「ナポリタン」は、夜だけメニューであるという。
こりゃ、あの方々をお招きせねばなりません。
そんなこんなで、新川で待ち合わせた師走のある晩。
念のため予約した奥のテーブルに野郎たちが寄り添います(笑)。
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乾杯もそこそこに急ピッチでウーロンハイを呷るウーロンナポ氏。
お通しのおでんの大根や「ポテトサラダ」で、またひとグビグビ。
こんなんもあるぞ〜、とグヤ兄さんがたのんでくれたのは、
「ほうれん草とカキのニンニクイタメ」500円也。
片仮名で、"イタメ"と書く感じって、カジュアルな感じがしていい。
飴色の焼き目がついた牡蠣に大蒜の香りが纏って、真っ直ぐ旨い。
ほうれん草の甘みとのコンビもオツなもの。
これもいっとかなあかんやろ〜、とまたまたグヤ兄さんがオバちゃんに声かけてくれたのが、「カキフライ」居酒屋バージョン。
昼間のあれとは違って、夜の顔は割と端正な。
ふーふーしてからはむっとすれば、素直に滴る牡蠣の身エキス。
衣と身とのバランス、いいんじゃないでしょうか。
生姜焼きはどうかというとこれが、1500食じんじゃ喰いのGingerちんもお初のカボチャ添え。
意外としっかり生姜がきいているのが好みのタイプ。
でもやっぱり、昼間の顔とは表情が随分と違うのね。
怒濤の勢いでウーロンハイしてたナポちんがぶいっと振り向いてこう叫ぶ。
オネエサン、ナポリタン一丁!
湯気とともにやってきたナポリタンは、ねっとりさせたケチャップがたんまり。
しっかり炒めてなお、シャツに飛びそうな濃ゆいノリ。
ナポちん、そんな濃い味ナポリタンを肴に濃いぃめのウーロンハイをまた呷るのでありました。
ご近所の洋食屋にして、町の居酒屋、新川「とおさんぼ」。
ご主人の師匠は、かつて王子あたりで「とおさんぼ」を営んでいたらしい。
ここで店を開けるにあたって、親方から印鑑やなんやを引き継いで、
同じ「とおさんぼ」を屋号としたのだそう。
改めて"とおさんぼ"の意味を訊ねると、頭をぽりぽり掻く感じで、
よくわからない、とご主人。
いまはもう隠居されているという師匠が長野のご出身のようなので、
その界隈の言い回しではないかと推測しているところです。
口 関連記事:
天ぷら定食「ちはら」で 海老天わらわらと穴子に替えて天つゆで(11年10月)
「とおさんぼ」
中央区新川2-28-10 [Map] 03-3552-0658
いつもの池上本門寺へのお詣りは、
出初め式の日の愉しみにとっておいて、
やってきたのは目黒線多摩川駅最寄りの浅間神社。
元旦には当然混み合うであろう小さな境内も、
二日の昼下がりにはゆったーりした空気が流れていました。
ニ礼二拍手一拝。
暖かい陽射しに包まれてテラスから見渡す多摩川。
お稲荷さんにもお参りします。
境内への階段と車路とに挟まれた場所に釣具店の小屋と並んで一軒のカフェがある。
外に置かれた丸テーブルもよく似合うその店は、嬉しいことに正月から営業している。
小腹を収めに寄り道しましょう。
カウンターには、ころんとしたフォルムの止まり木。
右に革張りのソファーを背にしたテーブル席があります。
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特にお正月メニューがある訳でもないのが、反って居心地がいい。
新年早々「チーズバーガー」食べちゃおっと (笑)。
その前にちょっと気付けに、ギネスの一杯。
どうやら、フィッシュ&チップスを名物とするカフェらしいので、
ギネスにもお似合いのフィッシュ&チップスも添えてしまおうかと一瞬思うも、
バーガー付け合わせのポテトで十分と自重します。
バンズの見栄えは、なるほどなグルメバーガー風。![]()
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パテも肉々しさと脂の迸り感はややオトナシく感じるも、
大口開けて囓るにつれ、このくらいがいい頃合いかと、ふむふむと思い直す。
ケチャップ、マスタード、ビネガーと3種揃い踏みの「ハインツ」アイテムで、
ポテトやサラダをやっつけるのが、こちらの流儀のようです。
浅間神社の境内に、あって嬉しいカフェ「Delight(ディライト)」。
訊けば、出来て3年ほどと割と最近登場した止まり木らしい。
ダメモトで神主さんに企画書提案したら理解のある方だったらしく、
駐車場だった境内の一角を借りることができたそう。
"Delight"は、某たばこ会社がかつてコーポレートスローガンに使っていたことを思い出す。
"ひとを嬉しがらせる"とか"大いに喜ばせる"といった意味に温かい想いが宿っている感じ。
蕎麦屋とか団子屋ではないお店が神社境内近くにあってもいいよね(笑)。
「DELIGHT」
大田区田園調布1-55-14 [Map] 03-6459-7733
http://www.delight-tamagawa.com/
'12/03/04(日)by:まさぴ。さん
Re:TONさま
口 ビアレストラン「レバンテ」で かきフライかきピラフ的矢かきフライおお、伊勢神宮「おかげ横丁」で的矢牡蠣の串!
いいですねー♪
伊勢にも行きたいな。
「La Pesca」にもまたゆっくりお邪魔したいっす。
百瀬さん、冬場は冬場で忙しくしてれいいのだけどな。
'12/03/04(日)by:TONさん
的矢牡蠣、伊勢神宮内宮に隣接するおかげ横丁というところで食べてきましたよ。それも食べ歩きが出来るように串に刺さってるのを(笑)本場だけあって美味しかったです♪
口 ビアレストラン「レバンテ」で かきフライかきピラフ的矢かきフライ例のオイスターバーにも行ってきました~(^^)
こちらも最高でございました♪
'12/03/01(木)by:まさぴ。さん
Re:のむのむさま
口 洋食「Happiness」で 羨望ナポ&カレスパかきフライにハっピネスはいー♪
生食用も加熱用もどちらも三重県産牡蠣みたいですね。
夜の部に繰り出しますか~、委員長誘って(笑)。
'12/03/01(木)by:まさぴ。さん
Re:Gingerさま
口 ビアレストラン「レバンテ」で かきフライかきピラフ的矢かきフライうん、いままでお邪魔しなかったのが申し訳ない感じです~。
はい、”この前後”、特に”この後あれこれ”の毎度毎度を知ってるGingerちんには、ハードル高いかもしないねー。
ナポちんのお世話もせにゃならんし(笑)。
'12/03/01(木)by:のむのむさん
いよいよいらっしゃったんですねー。
口 洋食「Happiness」で 羨望ナポ&カレスパかきフライにハっピネス次は、夜メニューを制覇しにいかなくちゃ(笑)
'12/03/01(木)by:Gingerさん
相変わらずおいしそー♪
口 生蕎麦「泰明庵」で 例年のかき南そば青き春の息吹の芹のそばと思う反面、この前後を知る者としては
参加はやっぱりご遠慮だったりして(笑)
'12/02/24(金)by:まさぴ。さん
Re:ぽんちゃんさま
口 生蕎麦「泰明庵」で 例年のかき南そば青き春の息吹の芹のそばロシアなバーはもうないっぽいですね。
泰明通りに「しぇりークラブ」ならありますけど…。
まずはぜひぜひ、久し振りの泰明庵で昼酒を (^。^) 。
'12/02/23(木)by:ぽんちゃんさん
この界隈は懐かしいです。
口 中華麺専門店「めとき」で 煮干し中華そばの佳品満足の一杯☆
“ 泰名庵 ” にも入ってますが・・・
泰名小学校-正門右隣のビル(6~7階?)に
美味しいウオッカを呑ませてくれる
「ロシアン バー」 がありました。
*ウッデー調のインテリアで統一した店内でした。
↓
2~30年も前ですので、無くなったかもネ?
'12/02/20(月)by:まさぴ。さん
Re:ばるべにーさま
口 中華麺専門店「めとき」で 煮干し中華そばの佳品満足の一杯コメントありがとーございます!
「めとき」さんの創業が72年のことだとしたら、今年で40周年ということになりますね。
有難さつのる一杯。
また遠からずお邪魔する機会を窺っています。
'12/02/19(日)by:ばるべにーさん
いつも楽しく読ませていただいています。
読み逃げばかりですみません。。。
めときは、私が中高時代から愛したラーメン屋さんです。
しばらく休んでいたので、心配していましたが、
また復活してよかったです。
店主もだいぶお年をとられたので、
いつも「最後の一杯」と思って気持ちをこめて食べています。