特に西船橋に至るまでの江戸川区の各駅周辺には、今までなかなか用事がなかった。
亀戸餃子がずっと気になっていたり、新小岩の大衆酒場が頭の片隅に浮かんだりすることもあるものの、足を向ける行動力がすっかり欠けている。
そんなことに加えて、自分の呆け具合(!)に気づかせてくれたのが、kimimatsu姐さんからの「豊田屋」へのお誘いでありました。
姐さんからのお誘いなら、
いちもにもなく都合を合わせて馳せ参じるつもりが、
どこでどう勘違いしたのか、
日暮里の居酒屋「豊田屋」だといつの間にか思い込む。
お店に一番乗りしたつもりが、大遅刻となり、
面目ないやら、くそ恥ずかしいやら(笑)。
慌てて乗った山手線を秋葉原で乗り換えて、
人生で初めて訪れた平井駅を北口に出て、徒歩4分。蔵前橋通りの向こう側に、
浅草無双と謳う大衆酒場「豊田屋」の雄姿が浮かんでいました。
満席の熱気にすっかり包まれた店内を掻き分けるように進み、
kimimatsu姐さんにご無沙汰の油ちゃん、
そしてグヤ父さんの待つテーブルへ。
恥ずかしさ紛れに姐さんを詰ったりなんかしつつ(汗)、
すっかり乾いた喉を乾杯のビールでやっとこ潤すのでありました。
いやはや、すんません(^^ゞ。
まずは「ギョーザ」のお皿にこんばんは。やや薄手の皮に包まれた餃子に繊細なる焼き目が載ってる。
あれま、何気にうんまい餃子ではありますまいか。
「シメサバ」も脂のノリと〆加減のバランスやよろし。グヤ父さんが発する「うまいね~」に、深~く頷きます。
「カキフライ」もあるよと振り向いた壁には、
ずららんと品札の列。品札は黒いのと黄色いのとがあって、
黄色い札は差し詰め、
飲み物類に季節のおススメ品といったところでしょうか。
しっかりした衣に包んだ「カキフライ」がやってきた。火傷しないようにそっと齧ると、
やや厚手の衣に守られていた牡蠣のエキスが、
待ってましたとばかりに零れ出る。
うんうん、どこからやってきた牡蠣なのでしょう。
そして、どどんとメインのステンレスの鍋がテーブルの上を占める。改めて壁の品札を眺めると、
鮟鱇の鍋には「キモ入アンコウ鍋」と「アンキモ鍋」がある。
他にも「白子鍋」「白子チリ」「カキ鍋」に、
「カモ鍋」「牛鍋」「とん鍋」「ねぎま鍋」、
さらには「タラチリ」「穴子鍋」「どじょう鍋」などと、
冬場の鍋ニーズに対する隙はなしだ。
そして目の前の鍋は、姐さんが、
あんきもと牡蠣を1人前に2人前の白子を一緒にとオーダーした鍋なのだ。
鍋が煮える間にとお代わりしたのは、
「焼酎ハイボール」。ホッピーをなんて口走ってみたものの、
するっと柳に受け止めて作ってくれたジョッキでもある(笑)。
下町の居酒屋で時々出会える梅シロップ入りのとは、
色合いからもちょと違うよな気もする甘さ控えめの「特製ハイボール」は、
初めてお目にかかったアズマ炭酸のボトル。
成る程、アズマ炭酸は割とご近所の本所吾妻橋の、
株式会社興水舎のブランドであるらしい。
煮えてきた煮えてきた。鍋の様子をちらちら見守ってくれていた、
オヤジさんのゴーサインを待って、一斉に伸ばす箸。
牡蠣も真鱈のものだという白子も小皿に盛り付けてニンマリ。はふはふほふほふ。
おほほ、美味い、美味しい。
スープに溶け出したキモのコク具合が、
過ぎることなくちょうどよい。
綺麗に平らげた鍋に汁を足してもらい、
たっぷりのきしめんを泳がして。ちょうど届いた穴子天をのっけたりなんかして、
〆までもの大満足、大満腹。
はぁー、美味かった!
旧中川と荒川に挟まれたJR平井駅北口の蔵前橋通り沿いに、
浅草無双と謳う大衆居酒屋「豊田屋」がある。大人気居酒屋は、鍋の季節にはさらに予約困難な店になるらしい。
そこへ潜り込んだ姐さんの予約とナイスチョイスに感謝しつつ、
そして膨らんだお腹を擦りつつ、
さっき初めて降りた平井駅へとゆっくりと戻ってゆくのでありました。
また、参りましょう。
「豊田屋」
江戸川区平井6-15-23 [Map] 03-3618-1674