旗の台と聞いてすぐ判るひとは意外と稀で、幡ヶ谷?みたいなリアクションもあれば、えっとなんか五反田の奥の方?みたいな応えの場合もある。
東急の中でも妾の子みたいな扱いだったこともあって、そもそもがマイナーな存在の池上線。
営業距離10.9km、駅数15駅の池上線は、駅間の距離も短くてなんだかバスか路面電車みたいでもある。
でも、そのローカルな感じが実にいいのです(笑)。
旗の台の駅そのものも少々複雑な作りになっている。
大井町線と池上線が斜めに立体交叉し、
池上線によくあるように、
相対式ホームのホーム双方の端に改札があって、
そのどちらもが東口。
北口がなくなった今では、南口が反対側の出入口になっています。
南口改札を出て、
東急の賃貸住宅前を抜けると、
踏切で池上線を渡る稲荷通り。
Craft Beer Bar「TRANSIT」にやき鳥「鳥半」、
ピッツァ「リディア」にとんかつ「吾妻」の前を通って、
中原街道方向へと進む右手に、
「MAGOT108」と青地タイルの壁に示すお店があります。
右手のカウンター席にも空きはあるけれど、
どうぞ広く使ってくださいと、気持ちのいいご案内。
然らばとお尻触りも心地いいソファの、
テーブル席へと滑り込みます。
腹ペコ状態はやはりしっかり目のご飯を求めるようで、
ぐるっと見回したメニューから選んだご註文は、
「ポーク・ジンジャー」。Gingerちんも勿論食べているハズの生姜焼きは、
焼き目の付き具合がなかなかよろしい。
生姜もたっぷりと利いていて、ロース肉の厚みも悪くない。
千切りキャベツもマカロニサラダもたっぷりなのも、
秘かに嬉しい生姜焼きです。
そして、喫茶店メニューの代表格でもある「ナポリタン」。
女将さんが丁寧に炒めてくれている音が、
奥のキッチンから聞こえてきます。ナポちんも勿論食べているハズのナポリタンは、
ちょっとシャツに飛ぶかも系。
フライパンがこがこで炒めるのがスタンダードなのかもしれないけれど、
やっぱり「POWA」のように北京鍋で煽るくらいの”よく炒め”にすると、
もっと美味しくなるのかもしれないなぁと思ったりいたします。
こちら「マゴット108」では、
食後の飲み物との間に、
コーヒーゼリーの小皿を挟んでくれるのがプチ嬉しい。それも出来あいのものとは違う、
珈琲の香りや苦みが生き活きとしたものであることに、
いつも小さく感心しています。
「マゴット108」のコーヒーは、
ネスレのマシンで作ってくれるもの。この2月にTX「ガイアの夜明け」に登場して、
メーカーのマシンで活性化する、
街の喫茶店のひとつとして紹介されていました。
如何にもな風貌と雰囲気のオヤジが、
マニアックに淹れてくれる珈琲が気分の時もあるけれど、
十分に美味しいマシンのコーヒーも悪くないのであります。
旗の台の稲荷通りの真ん中に、
洋食供する喫茶店「MAGOT108」がある。“MAGOTマゴット”はフランス語で、
“清らか”というような意味だそう。
後ろに添えた”108″は、
平成元年の1月8日にオープンしたことからのもの。
女将さんの気風もいい感じなのだけど、
ホールを担当しているオバちゃんのキビキビした姿も印象的。
何処かのホテルか格式のある料理屋での経験でもありそうな、
永く培ったよな接客の心得を滲ませる所作をみせてくれています。
「MAGOT108」
品川区旗の台5-3-4 [Map] 03-3781-3265