中華「やじ満」で手作り焼売に牡蠣や浅蜊の季節らーガッツリ豚の生姜焼き丼もいい

yajima築地場内、魚がし横丁が大賑わいしているおひる時。
おおよそどこのお店の前にも行列が出来ていて思案顔になる。
そんな時につきじろう師匠も選択肢のひとつとしているのが、10号館にある「磯野家」の二階の方。
ここは比較的観光客比率が低くて、間がよく数席の空席が見つかる確率が高かったりします。
そしてその「磯野家」の次あたりに思い浮かべるのが、「米花」「髙はし」や「かとう」「鮨文」に並ぶ8号館の中華「やじ満」だ。

カウンターに空いた丸椅子を見つけて腰を下ろすと、
カウンターの懐が狭いので両膝が幕板にぶつかって、
おのずと両足を開く格好になる。yajima01yajima02両隣にお客さんがなければいいけれど、
そうでないとひとりで両脚広げて場所とっていられないので、
膝を幕板に押し付けて前のめる感じになります。
これもまた間口の狭い場内の店ならではのことだと、
ちょっぴり愉しくなる瞬間です。

開口一番で註文するのはやはり、
やじ満名物と謳う「手作りジャンボ焼売」。
一人前4個に対しての二個載せの「半個」でいくのが常。
オバちゃん、時にオネエさんが奥の厨房に、
ゆっくりと大きくハキハキとした口調で、
シューマイハンコ、とオーダーを通してくれます。

崎陽軒のそれと比べれば、三倍容量はあろうかという、
成る程、やや大振りのシューマイ。yajima03芥子醤油をちょん漬けして口に含むと、予想以上の柔らかさ。
粗挽き肉で肉々しさをというよりは、
緩めに仕立てたあんを愉しむ焼売でありますね。

店先に吊るした紙には、創業67年の味とある。
豚肉と玉葱のみの優しい味ともある。
余計なものを仕込んでいない素朴さが真骨頂なのであります。

「手作りジャンボ焼売」半個のお供といえば例えば、
シンプルに「中華そば」。yajima04鶏ガラや野菜由来かと思しきスープに醤油の利いた、
細麺似合う屋台ちっくなドンブリがいい。
結局コレでいいんですよと、そんな感じの一杯だ。

冬場にここに来たなら冬季限定「カキらーめん」。
ぷっくりした牡蠣の身とニラとがたっぷり載った塩仕立て。yajima05人気No,1と謳う「ニラそば」の派生系とも思う自信の一杯は、
なかなか滋味深いスープになっている。
広島産と訊くこの日の牡蠣は、たまたまなのかアカン海域の味がした。
それがちょっと残念でもありました。

そんな、冬場の「カキらーめん」の時季が過ぎると、
季節は「あさりらーめん」のものとなる。yajima06同じベースのらーめんではあるものの、
ぐいとくるカキらーめんに対して春めいた装いなのは勿論、
牡蠣と浅蜊のキャラの違いによるものなのでしょう。
生姜の風味もそっと利いている、
「あさりらーめん」にはバターを足すのが吉であります。

黄色が目立つ品札のひとつで、
ガッツリ行こうよ!と誘うは「豚の生姜焼き丼」。yajima07ドンブリになった生姜焼きってのも面白いなぁと註文すると、
それは成る程、ラーメンどんぶりにしっかり盛られたガッツリ仕様。
しかも、オバちゃんからご自由にどうぞと手渡されるのは、
大振りな業務用のマヨネーズ。
隠れマヨラーとしてはどうしても、
これまたたっぷしドンブリに注入してしまうじゃありませんか(笑)。

そしてそんなマヨネーズが辛めに味付けた豚肉に絡んで、
最高のマリアージュを演じ出す。yajima08思えばこれも「焼売」に同じく、豚肉と玉葱のみ。
かっ喰らうよな生姜焼きが場内にあるってGingerちん知っているかなぁ。

“味の開発”と前のめりの副題がついていたのに挽かれて註文したのが、
「塩ニラやきそば」。yajima09麺は同じ細ストレート麺。
ウスターソースどっぷりの焼きそばよりも、
断然好みのタイプなのだけど、
もうひと声ニラの加勢が欲しいとも思うところ。
でもまた註文んでしまうかも(笑)。

なんだかとっても落ち着く場内の中華といえば、
魚がし横丁8号館の「やじ満」のこと。yajima10新富町「松し満」、木挽町「小や満」と同様に
矢島さんちの屋号が「やじ満」となったとお見受けするところ。
また来る時季には「カキらーめん」の味を確かめにお邪魔します。

「やじ満」
中央区築地5-2 築地市場 魚がし横丁8号館 [Map] 03-3541-0729

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