
人波のうねりを想起させるサンシャイン60通りや、
東口ロータリーを中心に混み合う東池袋一丁目。
それと対比して、夜の池袋二丁目界隈は、
ひと気少なく妖しさが増してきます。
池袋郵便局の前を通って、
うなぎ「かぶと」の店内から漂う魅惑的な雰囲気に、
すっかり惹かれながらも、敷居の高さもちょと思う。
そのまま、いつぞやの2号店を思い出す、
中国家庭料理「楊」1号店の前を通り過ぎて、
「肉のハナマサ」の方へと右折れします。
目的地は、そのマーケットのすぐ隣。
もう何度目のお邪魔になるでしょう、
黄色い看板が目印、「線條手打餃子専門店」。
両腕を広げればお店の幅に届いてしまう一間間口。
ふと石垣島の「ゆうくぬみ」を思い出させる、この間口がまず印象的です。
店内に入って、ずずずいっと一番奥へ。

といっても、通路のようなスペースに、ふたり掛けのテーブルが三卓あるのみ。
賄いいただく厨房裏にでもいるような、
ちょっとした秘密基地にでもいるような気分がして参ります(笑)。
いつもニコヤカに応対していくれるお姐さんに、
「飲み物は?」と訊かれてお願いするのは、「台湾焼酎」の「台湾茶」割り。

「台湾茶」は、烏龍茶、ジャスミン茶、阿里山高山茶、
そして、金木犀、菊の花にラベンダーと6種類をブレンドしたものだそう。
夏は冷たくして美味しく、特に冬にホットでいただくと温か美味いのだ。
餃子が出来上がる前に小皿料理の幾つかをいただきましょう。

ひもかわ状に幅広に刻んだ押し豆腐とセロリをさっと炒め和えたもの。
此方は、「台湾干し大根玉子焼き」。

西蒲田の「喜来楽」でいただいた「菜脯蛋」とはちょっと違う趣き。
切干大根というと、細切りというか、短冊切りして縮んだような形状を思い浮かべるところ、
この干し大根は、輪切りした大根を干したもの、なのかな。
そんな干し大根がわさわさ入っていて、それで厚みのある玉子焼きになっている。
干し大根独特の風味が漂って、イケルよ、お姐さん!
さてさて、「線條手打餃子専門店」では勿論、餃子がメニューの中心にある。
まず度肝を抜かれるのが、その種類の多さ。
なんでも60種類程もあるらしい。

写真つきのメニューは1シートには収まり切らず、4枚にも5枚にも分かれてる。
きっと目移りして迷わない訳がない。
例えば、「えびにら餃子」。

湯掻いた水餃子にすることが多いよう。
たっぷりの韮の甘みに負けじと粗微塵の海老の甘さが迫ります。
薬膳入りのタレをつけず、そのままでも美味しいね。
そしてやっぱり、此方の代表的メニューのひとつ「如意餃子」。
焼いてもらうというのも一手であります。


人参、茄子、アスパラガス、キャベツ、セロリ、パプリカ、木耳など。
色とりどりの餃子の皮は、
生野菜をミキサーにかけたジュースや薬膳素材を生地に練り込んだもの。
天然の素材だけで作り、余計なものは入っていない。
だから、鮮やかな色を出すのなかなか難しくその色もすぐ飛んじゃう、と姐さん。
皮も違えば、勿論、中の具もあれこれ違って愉し美味しなのであります。
台湾焼酎の台湾茶割りのお代わりを戴いて、「台湾竹の子炒め」

柔らかで瑞々しい竹の子をぴり辛に炒めた一品。
台湾の竹の子というと、
「喜来楽」で甘いマヨネーズとともに生で食す「緑竹筍」が印象的。
那覇・牧志の「青島食堂」のカウンターで沢山いただいた記憶も蘇ります。
厨房から出ていらしたマダムにおススメいただいたのが、
その名も「健康美人チャーハン」。

それはもう、赤や緑や黄色や黒や。
野菜や薬膳素材のあれこれを一緒炒め。
黒いのは烏賊墨ではなくて、「杜仲」という樹脂の粉末だそう。
あの、独特風味の杜仲茶の「杜仲」だね。
最後にこれまたマダムのおススメの「台湾富貴黒胡麻油薬膳」。

なにやら如何にも薬膳スープ然とした黒褐色の滴。
決して強い味ではないのだけれど、これがじわじわっと沁みる様な滋味。
飲み終わった後の鉢の底には、
クコの実、紅棗、蓮の実、金針菜、百合根などと思われるもの色々が残っていて、
それをしげしげと眺めて感心する(笑)。
木の根のスライスみたいなのは、甘草でしょうか。
中国人が多いとも云われる池袋の裏通りに、
本場台湾の餃子と薬膳料理の「線條手打餃子専門店」がある。

朗らかで元気なマダムと姐さんがぐいぐいと供してくれるのは、
美容と健康のエネルギーを美味しく得て欲しいとする愛情と熱意、
そして創意工夫と信念の賜物ではないかしらん。
本国台湾を愛し、そして今いる日本も愛してる、そんな気がいたします。
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「線條手打餃子専門店」
豊島区池袋2-55-12 セピア池袋Ⅱ 1F [Map] 03-5391-0691
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