おひる時を待たずして、その周囲にはひとが集まる。 用意されているシートの名前の数を覗いては、 その場から立ち去ることが常なのだけれど、 休日には待つのもよいかと名前を書き込んで、待ち人の仲間入り。お店前に置かれた丸テーブルでその時をゆっくりと待ちましょう。
なかなかの時間待った後、カウンターへとご案内。 ランチの予約もできるとの噂なので、ならばそれが当然スムーズでしょうね。
いただいたグラスの白ワインは、シチリアのそれと云う。ざっくり盛りのサラダと一緒に平らげる格好になりました。
正面の厨房では、でっかいアルミのフライパンと格闘中のお兄さん。沢山の注文を幾つものフライパンとソースパンを捌くように、 それでいて丁寧に出来の表情とタイミングとを計って調理を進める所作は、 なかなか恰好いい。 それにしても重そうなフライパンだ。
週替わりのランチメニューは、 スパゲティ、2種のリングイネ、2種のリゾットから選ぶもの。 ぐるぐると迷うものの、 結局前回も注文んだパラディーゾ名物をいただきましょう。
お願いしていた「Linguine alla Paradiso!」のお皿がやってきた。今しがた目の前のフライパンで湯気を上げてたヤツだ。 イタリアンパセリのあしらいとともに、 小さめの帆立やムール貝、浅蜊なんかが大胆に載っています。
はい、美味しい。麺それ自体にも旨味を含むリングイネに、 貝たちのエキスとチェリートマトの酸味甘みがコンビしたソースがたっぷり絡まる。 ソースのやや乳化具合も小粋でソソる仕立てでございます。
築地場外、波除通りのアーケードに、 トラットリア「パラディーゾParadiso」がある。カウンターに座っただけでも、 テーブル席の賑やかな臨場感が容易に想像できる。 看板や外装に使った空色が印象的。 それは、アマルフィの海や空をイメージしたものかもしれません。 扉脇の郵便ポストをみたら、まだ旧店名「ロ・スコーリオ」の文字が残っていました。 そして、タイルを繋げた「PARADISO」の上には、 「魚介・麺類一式 築地楽園」と示す赤銅の銘板がこっそりと。 どうやらこちらは、美味し愉しの”築地楽園”のようですよ。
「PARADISO」 中央区築地6-27-3 [Map] 03-3545-5550
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