2月の半ば頃のことだったでしょうか。
すっかり有名店なバル「MARU」やナポリタンもやってるよの喫茶店「elle」の並びの小さくて古い建物が改装されているのに気がつきました。
硝子越しに覗き込むと、狭い間口の中にカウンターが設えてあって、8脚ほどの椅子が並んでる。
どうみても飲食店の装いに、新しい店が出来るのだねーと秘かに愉しみにしていたのです。
すぐに開店するのかと思っていたら、
どうもそんな様子は窺えず。
暫く経った2月末の雪の日に、
看板が掲げられているのを発見しました。その名もそのままの潔さ、「八丁堀食堂」。
いよいよだねーと眺めていたのでありました。
ところが、3月を過ぎ4月になっても、
一向に店を開ける気配がない。
ありゃりゃこれはもしやオープンしないまま閉店かと、
残念に思い始めた6月の上旬のこと。
硝子窓に「OPNE」の文字が貼られました。
おー、やっとだぁー(笑)。
でも、よかったなぁと6のゾロ目の開店日に早速、突撃です。
カウンターには、
まさにどこかの食堂でお世話になったことがあるような、
そんな雰囲気のオバちゃんがいらっしゃい。
らんちメニューは、「煮込みハンバーグ」に「スタミナ豚焼き」。
そして、あるよあるよGingerちんに捧ぐ「しょうが焼き」に、
油ちゃんに捧ぐ「唐揚げ」。
「八丁堀食堂」は、何故か前精算制。
入ってすぐのところで、注文を済ませます方式。
ご注文はやっぱり「しょうが焼き」。カウンター奥に陣取りましょう。
生姜焼きお待たせです〜とトレーを受け取って、
その豪快なボリュームにおおおと感嘆する。7枚に及ぶロース肉にこんもり盛りのキャベツ。
マカロニサラダもそれだけで満足できそうなたっぷり盛りだ。
そこへ、ハイご飯!とオバちゃんが置いてくれた、
小どんぶりを見て、また吃驚。これぞてんこ盛り、でありましょう。
焼き目もしっかりの生姜焼きは、
歯応えもしっかり系。漬け込んでおいて焼いて、
タレを追いかけるスタイルなのかもしれません。
うんうん、齧り甲斐のある生姜焼きもオツなもの。
ただ、ご飯少なめでとか減らしてと、
そう云えば良かったとちょっぴり後悔しつつ、
たーんと食べての心意気を無下にするのも切ないと、
果敢にボリュームに挑みます。
おー、完食満腹満足です。
日を開けずやってきて、
今度はやっぱり「唐揚げ」定食。
「唐揚げ」は、ノーマル、甘辛、タルタルソースと仕立てが選べる。
唐揚げをタルタルでなんてイイかもと、オバちゃんにご注文。
ご飯少なめでお願いします。
「唐揚げ」もやっぱり豪快なお皿。
大ぶりな唐揚げが幾つ載っているでしょう。細かな刻みのタルタルも、
たっぷりトッピングしてくれています。
正しくカラリと揚がった衣と噛めば迸る鶏の肉汁。半分にしてもらったご飯とバランスよく、
満腹満足真っしぐらであります。
「ポルトガルハンバーグ」はというと、
どのあたりが”ポルトガル”なのかは不明ながら、
大きなミートボール三兄弟の出で立ち。忘れずにご飯半分を伝えて、堪能するハンバーグ。
粗みじん切りの玉葱が、
ちょっとしたアクセントになっています。
ニンニク醤油味らしい「スタミナ豚焼き」をいただいて、
メニューコンプリートしちゃおうか(笑)と再びおひる時。
ところが、オバちゃんが手にした貼り紙が目に留まる。
それで変わったターゲット。
数量限定15食の「オムライス」をお願いしましょう。
「オムライスあがります〜」と奥のキッチンからの声が聞こえた瞬間、
しまった!と気がついた。
盛りを控えめにしてくれるよう云い添え損なっていたことを(笑)。
どーん!
この量感をどうお伝えすればよいでしょう。陳腐な云い回しかもしれませんが、
これぞドミグラ滴るエアーズロック。
ケチャップライスの嵩を拝むと一瞬気が遠くなる(笑)。当然、千切りキャベツもマカロニサラダもたっぷり。
それでも残しては申し訳ないと、果敢にスプーンを動かします。
さらっとして旨味優しきドミグラを上手に配分しながら、
舐めたように完食です。
八丁堀に万を時して出現した、
ボリューム満点の町の洋食「八丁堀食堂」。日に日に向上しているオバちゃんのオペレーションは、
御代を後払いにするとよりスムーズになるんじゃないかな。
なにも書いていない品書き札の一枚にどんなメニューが記されるか、
今から楽しみです。
「八丁堀食堂」
中央区八丁堀3-22-13 [Map] 電話番号非公開