column/02895 @1,200-
てんぷら「味覚」で かき天丼じゅわんと牡蠣エキス塩天丼もいい
久方振りの六本木。
そういや、いまだにミッドタウンで食事したことがないのが、可笑し恥ずかし(笑)。
そんなことを思いながら下るは、ご存じ芋洗い坂。
そうか、ライブスポットの「スイートベイジル139」はここにあったのか、などと呟きつつ、その前を通り過ぎる。
頃合いをみて右手の脇道を覗くと見つかるのが、てんぷら「味覚」の看板だ。
縄暖簾を潜ると、右手にカウンターが視野に入り、
と同時に「いらっしゃいませ~」「っらっしゃ!」と声が掛かる。
カウンターの中央から短く声を発してくれたのが、どうやらこちらのご主人。
その風貌や表情には、かつて裏街道の切れ者であったかもしれないと、
そう思わせる雰囲気も窺える。
ホールに比較的若い男性がひとり、奥に年輩の男性がひとり、という布陣だ。
カウンターの真ん中に腰掛けると、
そのおっかなさそうな主人と対峙する気分になる。
卓上に置かれた品書きから「塩天丼」をお願いしようとして、ご主人の背後に貼られた貼り紙に目がいった。
「三陸生かき かき天丼 1,200圓」とある。
おお、そっちだと急に路線変更して、「かき天丼」をとホールの兄さんに伝えます。
すっすと流れるような所作でいつの間にか出来上がったどんぶりには、柚子の欠片。野菜の天ぷらを脇に従えて、牡蠣の天ぷらが真ん中に鎮座。
そーっと咥え、はむっと歯を立てると、じゅわんと活性した牡蠣のエキスが零れて、薄手の衣と一体となる。んー、旨い。
フライもいいけど、天ぷらもいい。
下町ックでない、あっさりめのタレであるのもポイントであります。
獅子唐もあるねと齧ったら、なんとその中にも牡蠣の身が!牡蠣に獅子唐を取り合わせるというアイデアは、なかなかニクイ。
獅子唐のしゃくっとした青みが牡蠣の魅力を鮮やかに引き立てるンだ。
日を変えて、再びの芋洗い坂。当初の目的だった「塩天丼」をいただきに参りました。
笊に盛られた野菜たちや硝子ケースの緑のトマトを眺めながら、
ぼんやりと待つ。
奥へ向けて「どんぶりご飯!」と声を掛けるのが、揚げ上がる合図。
味噌汁椀やおしんこが脇から整えられ、正面からすっとどんぶりが渡されました。
軽快にさくさくとした衣は、塩であればこそ。
天ぷらのタネそのものを甘く愉しませてくれるのも、加減の利いた揚げ具合と塩なればこそ。
海老に玉葱に茄子、春菊、獅子唐、掻き揚げがそれぞれの香気で甘さを伝えてくれる。
やや塩っ辛く感じるところもあったけど、それでもやっぱり塩でいく天ぷらの良さを確認してしまったのでありました。
芋洗い坂のてんぷら「味覚(みかく)」。店主みずから汗掻き汗掻き、自家農園で育てた野菜を天ぷらで供するという。
べらんめぇな主人と与太話をしながら、それ揚げてこれ揚げてと云いつつ、トマトの天ぷらなんかで一杯呑るのもきっといい感じなンだろな。
口オイスターパラダイスブログ:「カキタベ! ~牡蠣を食べよう!~」
「味覚」 港区六本木6-7-17 [Map] 03-3404-1800
http://www.tenpura-mikaku.com/