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めし「ばか盛」で いわし煮うの花八丁味噌とん汁茶碗盛りめし
栄の広小路通りの一本裏手、入江町通り。
そこに、その前を通るたびに気になるお店がありました。
そりゃそうでしょ、だって通りに浮かぶ袖看板にある文字は「めし ばか盛」。
気取りも衒いも微塵もない、その直裁な謂いっ振りは気持ちのいいくらい。
ただ、腹もはち切れんばかりに喰うぞなんて意気込みで訪ねないといけないような気もして(笑)、機会をつくれずにいたのです。宵闇近づく、めし「ばか盛」。ガッツリ昼飯喰っちゃうぞ!のイメージばかり浮かべていたけれど、
そうか夜でもいいのだねと初訪問。
ずいっと奥へと伸びるカウンターには、その内側に朱に塗ったケースが続いていて、
生モノを収めた冷蔵コーナーやタッパー、大皿小皿に幾多の惣菜たちが並んでいます。
オトウサンの開口一番は「大盛り?中盛り?」。
おお、そうくるのかと思いながら顔の前にひと指し指を立てて、一本だけと瓶ビールをもらいます。
いい味だしてるなぁと壁に貼られた赤茶けた品札を眺めながら、「ポテトサラダ」と「肉じゃが」をアテにする。
件のオトウサンはオカアサンと入れ替わるように奥の厨房との間を行き来して、惣菜の品揃えを整えています。
グラスの残りを呑み干して、改めてご飯モード。
品書きの一番先頭(右手)にあるのが30円刻みの「大盛」「中盛」「茶碗盛」。
食器棚に収まっているドンブリを眺めつつ、「大盛」が果して「ばか盛」なのか、それとも、裏メニュー「ばか盛」もあるのかなんて、素直な疑問も湧いてきます。
でも既にビールの泡でお腹はある程度膨れた後ゆえ、謎解きは次回以降に譲りたい。
「茶碗盛」と「いわし煮」、それに「うの花」「とん汁」を添えてとオトウサンに伝えます。
「茶碗盛」はやや大きめのお茶碗一膳。
八丁味噌仕立てのお椀を啜り、いわしの煮付けと卯の花を交互にいただく。
ご飯が特に旨いというわけでもなく、温め直してくれたいわし(真鰯かな)がびっくりする程そそる訳でもないけれど、こういうのが普段使いの「めし」だよなぁ、こういうお店も近所に欲しいよなぁと思えてきます。
昼に夜にさまざまなお好み惣菜とご飯を求めてやってくるひと達に、きっと人気な「ばか盛」。「ばか盛」という店名から、盛りの派手さを売りにしたお店であるかのようにも映るけど、本質はそこにはなくって、何気なくちゃんとした「めし」が出来るお店であることに真摯なのが「ばか盛」の個性なのでしょうね。
「ばか盛」 名古屋市中区栄3-10-4 [Map] 052-251-0982