中央会館辺りへの道すがら。
平成通りの途中で、間口の狭い店の前で立ち止まったことがありました。
小さな突出看板には「11 plats」と白抜き文字。
店頭のフライヤーを見るに、どうやらwine barらしい。
ひと通りのそう多くない、やや外れた立地をわざわざ選んだような心意気をふと思って、これはちょっとお邪魔しなくっちゃと機会を探していました。訪れたwine barはまさに一間間口。
店内の中央にカウンターが一番奥まで伸びていて、お店に向かって右手手前が通路でその奥が厨房になっている。
カウンターは、中程に切り込みがあってそこから左手に回り込むレイアウト。
そうしてワインラバーたちは全員、右側を向いてカウンターに向き合うことになるのです。
ひとが背中越しを行ったり来たりしない、そんなことに配慮したのかもしれません。
先客さんたちが手前ブロックを選んでくれていたお陰で、
一番奥の厨房前へと収まることができました。
グラスのプレモルをいただきながら、メニューを眺めるお楽しみ(笑)。
<ビストロ風>と謳ったラインナップは、気取りも力みもない中にワイン呑兵衛の気持ちを見透かすような粋がある。
まずは「食べごたえのある煮こごりのテリーヌ」。
お肉がぎっしりと詰まった量感のクセして、それらを繋ぐ煮凝りがふっと蕩けるような旨味を誘って軽やか。
「ナチュラルファーミング有機野菜プレート」は、幾種もの有機野菜に軽く火を通して、解したポーチドエッグと搾った柑橘の風味だけでバリバリといただくもの。

腰を痛めてしまって、と苦笑いの店主、草野さん。 彼は、ソムリエ。 ビストロやレストランのシェフのそれとはやや趣の違うところが、とメニューに思うのは云わば当然のことなンだ。 ソムリエがワインとの呑み合わせをあれこれ考えながら自ら供してくれる手料理をいただけるって、案外得がたい贅沢なことかもね。 お皿と厨房を主な守備範囲とする者とワインに纏わるサービスを主な守備範囲とする者とで協働して役割分担して、というのが常道かもしれないけど、対して、カウンター越しの距離感というのはやっぱり魅力的だと再認識。 「11plats」と記して、「オーンズ・プラ」。11枚のお皿たち、11品の料理たち、ってな意味、かな。 あ、そうかと、改めてメニューの品数を数えてみた。 1、2、3、……、11、12。 あれ?んー、ひとつ多いね(笑)。 新富町に何気なく佇むwine bar「11plats」。
また、遠からずお邪魔したいと思います。
「11plats」 中央区新富1-9-11 亀田ビル1F [Map] 03-3555-0141 http://www.11plats.com/
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