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洋食「グリル グランド」で 特製オムライス絶妙なるデミグラス
ずっと気になっていた、浅草の老舗洋食店に出掛けてみました。
「佐久良」や「弁天」も近くの観音裏。
強い残暑に照らされた裏通りは、行き交うひとも少なくてひっそりとしています。
以前夜に寄った時には、静かな賑やかさのある満席の店内に涙を呑んだ。
昼どきの今日は空席あり。
ゆったりと落ち着いた昼下がりの雰囲気に和みます。テーブルに着いてメニューを受け取って早速、腕組。
イタリアンな「トマトの冷製パスタ」もあれば、ザ・ニッポンの洋食「ナポリタン」もある。
「ミックスフライ」に「煮込みハンバーグ」、「菜彩鶏のソテー」の菜彩鶏ってなんだろう。
「プラチナポークソテー」でガツっといく手もあるし、「メンチカツ」もきっといい。
あ、冬にはまた「カキフライ」食べに来なくっちゃ。
洋食の王道「エビフライ」ってことでとページを捲り返せば、「ハヤシライス」の文字。
もー、全然決められましぇん(笑)。
ぐるぐる悩んでから意を決したのは、人気メニューの「特製オムライス」。
本日おすすめ黒板から「じゃがいもの冷製スープ」を添えてもらうようお願いしました。
届けられたサラダの向こうには、ステンレスのカトラリー置きに箸。
お箸もスプーンもナイフもフォークも爪楊枝も使うのが、余計な肩の力の抜けた正しい洋食屋さんの風情なのですね。
ヴィシソワーズのグラスは、注がれているスープの褐色がやや濃い。漂白したかのように白が綺麗な冷製も涼しげで好物だけれど、これもまたじゃが芋そのままの風味にコンソメの旨味がすっと織り込まれて、美味しい。
そしてメインのお皿がやってきました。
大判なプレートのおよそ全体を覆うように如何にもふるっふるの玉子が広がり、さらにその外周をひと廻り埋めるデミグラス。黒褐色にも映るデミソースから掬うようにして舐めると、うほほ、焦げ付くぎりぎり手前のところでス寸止めしたかのような香ばしさとその絶妙な手管にまず愕く。
そして底の方からくくっと力強い旨味が開けてくる。
かといって、ベタつくことなくさらっとしている。
思わず、ヤベー!と口走りそうになる(笑)。
ふるふる玉子の下から顔をだすのが、ケチャップ色も艶やかなチキンライス。ご飯の一粒ひと粒がいきいきとしているよう。
オムライスの中身はチキンライスであって欲しい派なので、これも納得の仕様。
デミグラスソースと生熟玉子とチキンライス。
この組み合わせを口にして笑顔にならないヒトっているのかしらん、そんな感じ。
どこかの番組で二代目は「オムライスにデミグラスかけるなんて邪道だ」と云ってたけど、オッケーですよ、大ありですよ、三代目。
昭和16年創業だという、観音裏老舗洋食店「グリル グランド」。全品制覇したい、なんて思うのはヘンかなぁ。
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「グリル グランド」 台東区浅草3-24-6 03-3874-2351 Map