今夜は、村田和人のライブ会場
となる、
LIVE CAFE「AGAIN」のある武蔵小山まで。
その前に腹拵えとお邪魔したのが、
今はもう踏切も線路もなくなって妙な景色の、
元線路沿いにあるラーメン店「ボニート・ボニート」です。
“ボーノ・ボーノ”なら、きっとイタリアンだろうと連想が働きますが、それでもなんだか、パスタハウスのようなネーミングに思えてしまう。
さて、どんなラーメンでしょう。
先客3名さま。
やっぱり、パスタハウスですと云われても違和感のない設えが迎えてくれます。
右手の券売機で、「正油らーめん」に「のり」「煮玉子」をトッピング。
麺を硬めでお願いして、店主の所作を何気に眺める。
その急くことも無駄な動きもない様子は、オーセンティックなバーか趣味な喫茶のマスターを思わせます。
「はい」。
どんぶりが届きました。
なんだか、落ち着きのある醤油ラーメン、という表情をしている。醸す香りもいい。
早速スープを啜ると、おおお、気の利いた魚介出汁味とボディのバランスが絶妙だ。手鍋で炊いていたのは、鰹節主体のスープだったんだね。
と、壁際にあった「地域別の”かつお”の呼び名」というシートを読むと、メキシコ語圏の国々のところに店の綴りと同じ「Bonito」がある。なるほど、店名は、「鰹×鰹」なのですね。
そうとなればますます、鰹節、鯖節、煮干と豚骨で仕立てるスープへの志向にも納得であります。なぜにスペイン語かは謎ですが(笑)。
「ボニート・ボニート」のスープは所謂無化調。
化学調味料を決して否定しないけど、無化調で、そして魚粉バンバンでもなく、こんな魚介ベースのスープができるなら、云うことないもんね。
厚切りで無駄な脂のないクセに、ほろほろと旨味を呈する煮豚もなかなか。
麺に一瞬感じたかん水臭さが気がかりではあるものの、すっかりお気に入りとなったラーメンは、ほら、どんぶりの底までスープ完飲です。
化学調味料の後味は微塵もなくって、すっきりだ。
ふと、券売機の貼紙を見たらそこには、” 高知時代の正油味「復刻あっさり麺」”とある。
ということは、高知から東京へ移ってきたってことになるね。なんか、魚介に対する拘りの背景を知ったような気になりました。
「
ボニート・ボニート」 品川区小山4-1-8いつみハイツ101 03-3792-7713
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