column/02162
特製ラーメン「第二旭」
「第一旭」ならぬ「第二旭」目指して旧フジテレビ通り(あけぼのばし通り)を進みます。あてずっぽうに左手へ道を外れると、公園の脇に「ラーメン」と染め抜かれた幟がひっそりと立っている。もしやと周囲をきょろきょろすると、右手の坂の脇にぼんやりと灯りに照らされた赤いテント地が見つかりました。一体いつからここにあるのだろうと思わせる雰囲気に一瞬躊躇うも、そのまま暖簾を潜ることに。アルミのガラス扉を引くと、目の前にオヤジさんがしゃがんでいる。「い、いっすか?」。「ほい、いらっしゃい」。先客はなし。入口で植木を弄っていたオヤジさんはすぐに立ち上がるでもなく、作業を続行している。左手のカウンターに座って品書きを眺めていると、業を煮やしたオバチャンが「ほらほら、仕事しないと」とフォローしてくれる。(焼豚豊富)と記された「特製ラーメン」をいただきましょうか。関係者らしき女性と喋り倒しながら手元の作業を進めるオヤジさん。どんぶりがやってきました。一見して京都たかばし本店をはじめとした「第一旭」系統のどんぶりと違うのは、浅葱や万能葱があしらわれていないからか。スープを啜ると、懐かしさに似たトンコツ臭がふわんと漂う。あっさりと云うか、しみじみするも深みに乏しいスープ。薄切りの焼豚は、旨味の抜けた出汁殻のようにパサパサとしちゃっている。う~ん。そこへ「あ、云ってなかった?このニンニクとか一味をお好みで入れるといいのよ」とオバチャン。一味はさじに1/6からね、と入れてくれる。確かにぼんやりしていたスープに輪郭が現れてくる。永年守ってきたのがこの味なんだろうね。京都なのかはたまた神戸なのか。その辺りは伺い損なっちゃったけれど、今となってはもうどちらでもいいことなのかもしれないな。ざっくばらんで快活、愛想のいい雰囲気に居心地は悪くない。CXが曙町にある頃には、客の入りも違ったのでしょうね。
「第二旭」 新宿区住吉町12-20 03-3341-9565