column/02076
すし「鮨つかさ」
フリで出掛けて断られること3度。10席に満たないカウンターだけを見えればそれまた仕方ないかもね、と前日に予約を入れての訪問となりました。この時季は「ばらちらし」などのランチはなく、お昼のおきまり的メニューになっているそう。正午に訪れると、既に2組の先客がある。促されるままカウンター奥へ。どうやらこの日もフリでの訪問は困難な様子だ。冒頭の中トロに始まって、ひらめ、すみいか、赤貝のひも、あじ、こはだ、しめさば、などが急く事のないペースで続きます。小ぶりで描く流線型が端正なその姿が、いいね。どれもがおてしょうを使わずに済むにきりを施したにぎりで、きりっとしたシャリとタネのバランスを思わせて、悪くない。妙に肉厚に包丁したタネは、一見贅沢そうでいて実は無粋なことだったりするのかもね。澱みないふんわりと煮つめのコクを伴ってすっと解ける穴子をいただき、鉄火、干瓢と巻物で仕舞いとなる。お椀がちょっと塩辛いのが気になるところか。ここは率直にと「大将、不躾ながら、写真撮ってもいいっスか」と訊くと、「駄目です」。やっぱり写真NGという噂は本当だった。初見参の一見客としては、抗う方策はないもんね。こいつぁ通わなくちゃダ。
「鮨つかさ」 中央区築地3-12-1多喜川ビル1F 03-5565-8334