どぜう「飯田屋」

iidaya.jpg 「どぜう鍋」の店「飯田屋」は、つくばエクスプレス浅草駅上の国際通り、公園六区入口信号から合羽橋方向へ進んだ右手にあります。簾の下がる2階の風情を見上げながら、白地に墨文字で”どぜう”と書き込まれた大きな暖簾を払いました。下足番のおばちゃんに靴を預け、掘り炬燵式の座卓に収まります。「どぜう鍋をお願いします」と云うと、「骨のあるもの、抜いたものどちらになさいます?」と訊かれる。「どっちがおすすめ?」「どちらも(笑)」。まんまの方が醍醐味かなぁということで、所謂”丸”の「どぜう鍋」をいただくことにしました。隣の席のご隠居さんが「骨抜きで喰うなんて泥鰌じゃねーやい」と同席の女性に話しているのが、こちらにもしっかり聞こえてくる。仰せの通りにいたしましたですよ、はい。早速立ち上がりの少ない鉄鍋がコンロの火にかけられました。その上にたっぷりと薬味の葱が載せられる。泥鰌は既に煮てあるので、ひと煮立ちすればいただけるとの由。「もうよろしいですよ」の声に応じて、箸を鍋に。小さな鰯の身を扱うかのように泥鰌の身が軟く、すぐ切れてしまって取り難いのね。そして、ちょっとした泥臭さと中骨のひっかかりが気になって、複雑な心持ちになる。竹筒の山椒を振ると一気に臭みは解消するものの、骨のイガイガ感はやっぱり気になるなぁ。結局、旨いと思う瞬間がないまま食べ終えてしまった。ワタクシ、どぜうを小粋にいただけるようになるにはまだまだ修行が足りませんや、ご隠居。 「飯田屋」 台東区西浅草3-3-2 03-3843-0881
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