column/01872
てんぷら「深町」
いまやすっかり有名店となった京橋の「深町」さんへお邪魔してみました。ピークと思われる正午とあって、カウンターは既に満席。運よく右手のテーブルに席へ。もう一卓のテーブルには予約が入っているようです。お目当てはやっぱり「特製かき揚げ天丼」です。まずは中央に横たわるグリーンアスパラを齧ってみる。はしゅっ、というアスパラ独特の歯応えは残りつつ、青臭みのない鮮烈な旨味に凝縮されている滴が、いい。さらりとしたタレに潜らせたかき揚げには、天豆、百合根、ゴーヤ、たけのこ、小玉葱、ホタテ、小海老などの具材がふんだんに収められている。タレに湿っていても、その軽快な揚げっぷりが容易に窺えるね。ああ、これ塩で食べたら、また旨いんだろうなぁ。そもそも比較するのもどうかとは思うけれど、酸化劣化した油で揚げる、時に打ちのめされたようになってしまう天麩羅とは対極にありそうだ。そしてやっぱり、本懐はコースで、ということになりそうです。鮮やかな橙の暖簾には、「山の上ホテル てんぷらより」とある。「深町」ご主人も、「てんぷら近藤」などの天ぷら職人を輩出した「山の上」ご出身なのですね。
「深町」 中央区京橋2-5-2 サブジュードグリン京橋 シノハラビル101 03-5250-8777