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特製もりそば「池上 大勝軒」
池上本門寺参拝の途中、千鳥町で下車して「池上 大勝軒」に寄ってみる。赤い庇には、東池袋での修行を経た店主が暖簾分けの形で起こしたという意味かと思われる「東池袋直系」の文字が記されています。ふと、直系でない、傍流の大勝軒という位置付けとなる店はあるのかなぁと思い至る。山岸のおやっさんは、東池袋での履歴の浅い弟子達にも比較的簡単に「大勝軒」を名乗ることを許したという。その結果、あちこちに直系「大勝軒」が出現して、中には直系のくせして怪しい「大勝軒」もあるらしいもんね。ドアを開こうとしたら、取っ手のあたりがヌルついて気色悪い。足を踏み入れた床は、どゆ訳かビシャっと濡れている。フロアの中央から右奥にかけては、仕入れた食材や道具類が麺打ち機に寄せるように雑然と置かれている。そして、なんともいえない異臭が店全体を包んでいるんだ。とんこつのあの匂いともまた違う、神経を逆撫でするような臭いだ。涙がでそうになるくらいの居心地の悪さの中、「特製もりそば」を。ありゃ~。これってもしかして中華そばのスープと同じ?と思える状態のつけ汁だ。普通盛りでも充分な盛りの麺は他店とそう変わらないとしても、この弱々しいつけ汁はなんとも悲しい。普段ラーメンつけ麺には胡椒やら辛味やらを添加することはほとんどないけれど、思わず卓上にあった辛味味噌、酢、胡椒を入れてしまった。うう。スープ割りしてもらうこともなく、店を後にすることに。ごめんなさい、もう行きません。
「池上 大勝軒」 大田区千鳥1-18-8 03-3753-3053