うなぎ「五代目 野田岩」麻布飯倉本店

nodaiwa.jpg以前勇んで足を運んだら間の悪いことに夏期休暇中。改めて、老舗有名店「野田岩」にお邪魔してみました。一階のテーブル席へ。真紅の布地で張られた椅子・ソファーの座面が店内全体にどこか艶めかしい雰囲気も加味させています。そうするヒトは少なくないとも思える下から二番目の「鰻重 菊」をお願いします。それなりに時間もかかるのだろうと雑誌を捲って待つことしばし。待つ間ホールのおばさまに訊いてみると、メニューにあるのはやはり天然ものではなくて、厨房に確認して仕入れがあるときのみ天然ものの僥倖に浴することができるらしい。お値段もやはり思わず溜息を漏らしてしまうような額らしい。ただし、「志ら焼」は天然ものだそうだ。そうこうするうちに、肝吸いの椀や香の物、箸休めの小鉢とともにお重がやってきました。お重に綺麗に収まった蒲焼は端正な表情をみせています。左隅あたりから箸を入れて挟むと、すっと切れる。意外なほど身が薄くて一瞬寂しく思うも、上品な感じではある。食めばふんわりと柔らかく、きりりとしつつ芳醇な秘伝のタレも、悪くない。しっかりと蒸しているんだろうね。CPも含めて”蒸さない”「ひょうたん屋」の鰻が最近のイチオシだけれど、悔しいかなこれはこれで旨かったりするんだ。創業百六十余年の老舗ったって…、と穿ってみてやろうというちょっと意地悪な心持ちがなかった訳じゃないけど、ひとまずそっちの方向へは気分が傾倒せずに済みました。「志ら焼」が課題だね。そうそう、「野田岩」では昼間っから10%の奉仕料が必要です。 「五代目 野田岩」麻布飯倉本店 港区東麻布1-5-4 03-3583-7852
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