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炭火焼き鳥「八丁堀」で 備長炭で焼く甲州健味鶏のコース
正月明け、「宮川」で一杯ひっかけようかとすずらん通りを歩いていた時のこと。
「大根」の入っているビルの角に新しい焼鳥店の看板が設けられているのに気がつきました。
いっちょ覗いてみようかと階段を降りてドアを開くと、なにやら打ち合わせ中のご様子。
訊けば、看板をつけてしまったものの開店はまだ後日になるのだと云う。
期日ははっきりしないけれど開店後は是非にと告げるトーンに意気込みを感じて、暫らくしたらお邪魔してみようと話していました。それからひと月以上過ぎたこの日、もうオープンしているだろうと再度同じ階段を降りる。
階段の隅には割りと新しく思える開店祝いの生花が幾つも飾られています。
この8日に満を持して開店したそうで、なんだかんだでひと月かかったのでしょう。
焼鳥店にあって、ゆったりとしたレイアウトの店内。
壁の白と白木、そしてステンレスの色合いが重なる、明るくモダンな設えだ。
L字カウンターの右奥へ。
焼台の様子も観察できる特等席だね。
メニューは、「八丁堀焼鳥コース 全十一品」がメインとなっていて、コース以外の6品の焼物と食事メニューがサイドに控えるカタチです。自ずと誰もがこのコースを注文むスタイルになるね。
コースは、紀州備長炭で焼く、ささみ、レバー、砂肝、うずら、もも肉、だんご、ぼんちり、手羽。
それにお通し、サラダ、スープがついて2,600円也。
周囲が白くなるまでに留めたレア焼きのささみにおろしたての山葵をのせた、ささみ。
塩梅のいい、レバーには鮮度を感じる。
しゃくしゃくとした歯応えの砂肝。さっとした辛めタレで炙った、うずら、もも肉。
そしてだんごは、荒挽きの肉の間から滋味が迸る。
ただ脂の固まりのようなものが少なくない中にあって、こちらのぼんちりは、ぎゅいっと旨味が集約されたような一本だ。
米の「メロウコヅル 黒 エクセレンス」から麦の「無一物 シェリー樽熟生」と移行させつつ、ぼんちりの根元だという「つぼ」、心臓に接続している部位だという「ハツ元」も旨くておススメ。
「八丁堀」では、純植物性飼料で飼育されているという”甲州健味鶏”に拘っていると云う。
〆にはやっぱり「鳥雑炊」を。
しっかと厚みのある鳥スープは自前のガラがないと作れないものなのだろうね。
こちらの大将は、御茶ノ水のお店を経てここに開業したのだそう。
身近な一軒ができました。
「八丁堀」 中央区日本橋茅場町3-8-10リベラ茅場町ビルB1 03-5640-0818