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天麩羅「なかがわ」で 天麩羅定食ネタの水分飛ばす意味
「布恒更科」にお邪魔した帰り、京橋築地小学校の脇道で目に留まった「なかがわ」の文字。
此処だったんだ、と早速出掛けていきました。
柿色の暖簾の先は、静謐でどこか凛とした雰囲気の佇まいをみせています。
L字カウンターのコーナーに据えられた天麩羅鍋の前へ。
ランチを定食でお願いしました。品のよい大きさの海老2尾を尾っぽまで食べてしまう。
齧れば正方形の断面から湯気をあげる烏賊。
続いて、鱚そして穴子。
ああ、ネタの水分を上手に飛ばす、というのはこういうことを云うのかと、齧ったところをじっと見つめてしまう。
旨味を凝縮するんだね。
一方で衣は、サクサク具合を特段主張する訳ではない。
こうしてみると、天麩羅の衣というのは、あくまでネタを美味しくための方策であって、衣の食感が前面にきてしまうような天麩羅はやっぱりよろしくないのがよく分かる。
こんな当然のことを新たに見出したかのよう感心させてくれた店主中川氏は、茅場町「みかわ」での研鑚の後、八丁堀、六本木での要職を経て一年ほど前に独立したのだという。
何気なく通っていた八丁堀店だけれど、カウンターに張り付いてじっくり揚げ立てを味わっておくんだったね。
「なかがわ」 中央区築地2-14-2 [Map] 03-3546-7335