ふと考えたら、大井町-二子玉川間の路線距離10.4kmの東急大井町線では、辛うじて15駅全駅を利用しているものの、15駅、路線距離10.9kmの池上線では、御嶽山駅の改札を通った憶えがなかったりする。
御嶽山駅と云えば確か、東海道新幹線や横須賀線の跨線橋にホームがあるですね、グヤ父さん(笑)。
その横須賀線でも利用した機会がなかった駅のひとつが新川崎駅。
改札から出て鹿島田跨線橋を渡って吃驚いた。なにやらいい顔している貨物機関車が何輌も待機中。
sepp先生曰く、かつての新鶴見操車場、今の新鶴見機関区あたりはその筋では有名な場所であるらしい。
なんだかちょっとワクワクする光景であることは間違いありません。
そんな新川崎駅から線路に沿って南へ延々と歩いた辺りが小倉地区。矢向駅側に渡る陸橋近くにはパイオニア本社があったりします。
コンビニくらいしか見当たらない界隈でひる飯時となって思案する。
コンビニめしするくらいなら、バスに乗って川崎駅に出てしまおうか。
そう考えてバス停でバスを待つうちに、ふとバス停近くのフェンスに貼られた附近図が目に留まる。
何気なく眺めていたら、「洋食」の文字を発見!
バスをやめて早速、その地図が指し示す場所へと向かいました。
それは期待以上の佇まい。色褪せたカラー鉄板の壁に掛けた看板の文字が掠れはじめてる。
洋食、定食、焼き肉の味の店「末広」さんでおひるをいただきましょう。
ショーケースを覗き込むと、「カキフライ」のサンプルがある。時季でないことが一瞬悔やまれるものの、「オムライス」に「かつ丼」に「チャーハン」と和洋中混交が違和感なくなされていることを頼もしく思います。
暖簾を潜って顔を上げたところに目に映ったのは、すっかりいい感じに赤ら顔のオヤジさんのニッコリ笑顔(笑)。カウンターには熱燗徳利が載っている。
テーブル席はといえば、職人さんらしきおふたりがウーロンハイらしきグラスを重ねてる。
いいねぇ、思わず「麦酒!」と叫びそうになります(笑)。
卓上にはメニューがなくて、キョロキョロさせた目線は壁の品書きに向かいます。実はすっかり「チャーハン」な気分だったので、ショーケースのメニューはできますかと訊いてみる。
ハイ、できますよとのオカーサンの応えをいただいてから、何故だか口をついて出たのは、では「豚肉のしょうが焼き」に「チャーハン」つけてください、でした。
オナカ減っていたのですね(笑)。
カウンター越しにオトーサンが手渡してくれた「豚肉のしょうが焼き」。でろろんと溶岩流的ソースがたっぷり。
胡椒の粒子もたっぷりと覗くけど、辛い訳ではなく、生姜がぴりりとするノリでもない。
でもなんか、まったりしたソースが素直にシズる。
付け合わせはトマトに千切りキャベツ。
素ナポはありません(笑)。
「チャーハン」は歴とした”おたまのかたち”。パラッパラな炒め具合ではないけれど、オカーサンに北京鍋をガコガコと激しく繰ることを強いるつもりは毛頭ないのでなんの文句もありません。
ペロっといただいて、ご馳走さまです。
鶴見川と横須賀線の狭間の住宅地に、
ぽつりと味の店「末広」というオアシスがある。もしも今度寄れる機会があったなら「日替わり定食」をいただきたい。
看板に描かれた、掠れた扇子の図もまたいい味だしてます。
「末広」
川崎市幸区小倉4-16-26 [Map] 044-588-5041