所用のついでに、品川港南口の市場に潜入してみました。
品川の市場と云えば、そう、食肉の発信基地。
屠畜する場、との連想にも及びますが、西門から覗く風景は、なにかの工場のような無機質なものでした。
「関係者以外立ち入り禁止」の札に立ち止まり、「ま、築地だって市場関係者以外の立ち入りを制限していたンだもんな」と考えつつ、「お肉の情報館」の収まる建物に入り込んで、場内の食堂って利用できます?どこにあります?」と訊いてみた。
すると「すぐ脇にありますよ」と応えてくれました。
店内左手の壁一面にびっちりと品札が貼られています。
「昼からのメニュー」は少数派で脇に置かれ、真ん中は当然朝からメニュー。
やっぱり市場の食堂ですね。
きっとこちらの超定番であろう、「煮込み定食」を玉子つきでお願いしました。
アルマイトのトレーにのってそれはやってきます。
玉子を溶き、ドンブリめしに注ぎ、まずは「牛皿」と呼ぶ小鉢に箸を伸ばします。
ひたひたっとした汁に浸かっているのは、角煮と蒟蒻。このまま酒の肴になりそうです。
そして、一見添え物の汁モノにも見えるお椀がメインのお品。
濃いぃめの味噌仕立ての汁に、ひっそりと実はたっぷりとモツが仕込まれているンだ。
そのモツを口に含んだときの、トキメキったら、もう(笑)。
その濃いぃめの味噌の塩分が輪郭を強くさせつつ、ふるふるっとした牛モツの魅惑がストレートに訴えてくる。といって、臭みなんてない。うっほほ~。これもこのまま酒の肴になっちゃいます。
食肉市場という目線でいくと、「上トンカツ」か「しょうが焼き」とこの「牛モツ煮込み」単品を組み合わせる路線もありだったかな。ビールも添えて(笑)。
仮設施設っぽい設えもまた一種味な「一休食堂」のひる時でございました。
「一休食堂」 港区港南2-7-19 東京都中央卸売市場食肉市場内 03-3471-4656
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