
御堂筋と新御堂筋が合流するのが梅新南交叉点。
梅新南に少々厳つい雰囲気を漂わせているのが、
アメリカ総領事館だ。
周囲を警備の手が囲む総領事館の裏手から、
裁判所近くの界隈にも飲食店が点在しています。
例えば、シチューの店「グリル モリタ」の近く、
幅のある車輌では通り難そうな裏道に、
ガルバリウムの波板を壁にした白塗りの店。
扉脇の石板には、「伊々」とあります。
目を惹くのは、壁に掲示されたその日のランチメニュー。

料理のイラストを交えた味のある手描きポスターで、
日替わりランチの三品をアピールしています。
厨房を囲むL字のカウンターがどんどん埋まってく。

二階にも十数名分の席があるようです。
外のメニューで即決していたご注文は、「豚肉のしょうが焼き」。

強い火力のレンジでじゃっじゃと炒める光景を目の当たりにして、高まる期待(笑)。
ああ、玉葱の甘さが十分に引き出され、さらっと存分に生姜の利いた好みのタイプ。
さあ、御飯を掻き込もう。

“ボリュームたっぷり、お腹もいっぱい”と謳うは、「肉なべ」。
使い込まれた落とし蓋を外せばまた、新たな湯気が立ち昇ります。



ほろほろ旨々の牛肉に甘めの汁の滲みたお麩。
半熟に解ける玉子の黄身にうどんを絡めればほら、堪らない。
さあ、御飯を掻き込もう(笑)。
「マーボ定食」や「ハンバーグ定食」、
「天丼」や「牛肉のテリ焼き丼」「豚バラ丼」といったラインナップに挟まって、
「カレー焼飯」のポスターが並ぶ日もある。

どこかの賄い食のようでいて、
ぴり辛具合、パラパラ具合がなかなか好ましい。
炒めるのに一瞬の躊躇もあればこうはならない、なぁんて考えたりして。
扉の脇のホワイトボードには、
ぎっしりとその夜のものと思しき酒肴たちが並んでる。

どれもが気になり、その姿を想像したくなるものばかりだね。
アメリカ総領事館裏手、西天満の裏道に今日も「伊々」のランチの品書きが並ぶ。

店名「伊々」の意味はと訊ねたら、
息子さんと思しき兄さんが親指をぐっと立てた。
「伊々」は、「いい Good!」。
夕暮れ時にお邪魔する機会があればいいのになぁ。
口 関連記事:
シチューの店「グリル モリタ」で 軽やかなるヘレ肉ビーフカツレツ(07年04月)
「伊々」
大阪市北区西天満2-9-21 [Map] 06-6362-1123
column/03417