
ずーーっと工事の続いていた大阪駅・梅田界隈。
一年ほど前には、屋内スキー場「ザウス」を思い出させるようなドデカい大屋根が大阪駅上に架かり、
その脇では、阪急うめだ本店が建て替えを終えてグランドオープン。
最近では、かつて幾本もの線路が走っていた梅田北ヤードに「グランフロント大阪」が開業したと聞く。
久し振りに大阪駅を訪れたひとは、相当びっくりするんじゃないかと、そう思う。
阪急の梅田駅も「リファイン工事」と呼ぶ改修工事をしていて、
紅い観覧車のある「HEP FIVE」側から大阪駅へ抜ける辺りなんて、
ただでさえ狭い通路がさらに狭くなっている。
そんな通路の脇っちょに広がるのが、
JRの高架下にむりくり二階建てしちゃった新梅田食道街だ。
低い天井にちょっと首を傾げるように潜り込んですぐの処。

そこにいつもの串かつスタンド「百百」があるのです。

どっちの暖簾の隙間から覗いても満杯の時もある。
奥にいる大将に人数を指で示すと指先のバッテンサインが返ってくる。
ニッコリ笑って頷いて、そのまま暫くカウンターに隙間が空くのを待ちましょう。

空いたスペースに斜めに構えて、
まずは生ビール中をと御姐さんにお願いします。
ビールコールと同時に注文んでいた串かつが早速やってくる。

衣からその色が透けた赤いウインナーとビールとの相性が堪らない。
少々慌て気味になって、ソースに漬けるのも忘れてしまいます(笑)。
玉ねぎもまた必須アイテム。

ほらほら、想像通りの玉葱の甘さが揚げ立ての衣と一体となった瞬間を、
きっとあなたも想起できるでしょう(笑)。
大将が澱みない所作で次々に衣をつけ、次々と串を揚げていく。

あちこちからその都度入る注文もさくさくと捌いては、
パットに載せた揚げ上がりを配り、御姐さんに声かける。

「ネギ鳥」はさしずめ、
焼き鳥で云うところの「ねぎま」でしょうか。

鶏の身肉もあっつ熱。
長葱の真ん中辺りもあっつ熱。
串かつとビールと三角形を描くもうひとつの合いの手は、
なんのことはないざく切りのキャベツ。

ソースをちょっと漬けては、ぱりぽりとなるべく大きな音を立てて齧るのが、
不思議と癖になる。
「ウズラ」の玉子がすっかり飛び出しちゃっていても、それはご愛嬌。

軽い火傷の危険があるので、「椎茸」は慎重にいただきましょう(笑)。
新梅田食道街に串かつの老舗「百百(もも)」がある。

問わず語りに聞くには、
大将が指でバッテンを示していたのは、”空席ないよ”のサインではなくて、
“(朝からずっと串を揚げ続けてるので、営業時間中だけど)もう仕舞いにしたい”のサイン、
だったらしい(笑)。
還暦とっくに過ぎてるのにこんなにこき使われて、もう引退したいのにぃ、と苦笑する大将。
それでも次々やってくる客たちに阿ねず、サボらず(笑)、応対してくれている。
お疲れさまと永年の労を労ってあげたくもなるけれど、
大将がここにいない光景は、きっとやっぱり寂しいだろうなぁ。
「百百」
大阪市北区角田町9-26 新梅田食道街 [Map] 06-6312-1423
column/03386
はじめまして
こういった風景は関西、特に大阪の独壇場ですね!
関東はかなわない。
ちゃっちゃっと食べて、きゅっと呑んで”大将 なんぼ?”
関東でも関西の影響で”大将”と呼ぶようになりましたが、昔はなんと呼んでたんでしょう?
ご主人?マスター?旦那?・・・しっくりきませんね。
Re:ねこさま
食い物文化は西からくるものが多いとは思ってますが、”大将”も関西から来たンでしょうか。
そうすると、関東ではさしずめ、”オヤジ!”ですかねぇ(笑)。