もりそば 中華そば「南池袋 大勝軒」

minamitaishoken.jpg「東池袋 大勝軒」がとうとうこの3月に店を閉めるのだという。再開発が直接の契機ではあるものの、オヤジさんは酷使に痛んだ身体から既に一線から身を引いていて、遠からずその日もやってきてしまうのだろうと憂慮していたのです。山岸さんへの敬意を込めてもう一度訪れてみようと考えていたのに、結局出遅れて、ちょうど開店時刻の到達になってしまった。いくつものメディアで閉店が告知されているので、間違いなく相当混んでいるよなぁと怖いものを覗くように足を近づけると………。店頭から始まった行列はいつものようにお店の左手に廻り、その列はずっとずっと先に続き、なんとサンシャインに面した道路にまで伸びている。はぁ、やっぱり。太い麺を湯掻く時間やら普通盛りでも大盛りな麺を食べ切る時間やらの必要もあって決して回転の早くないことを考えると、寒空の下この行列の最後尾につくことはもの凄い覚悟がいる。瞬時に風邪をひきそうな予感が過ぎったので止む無く一礼、店を離れ向ったのが山岸印の姉妹店のひとつ「南池袋 大勝軒」です。こちらも満席だ。簡素なメニュー構成だというイメージから一転して、トッピングによって「もりそば」だけでも12もの種類がある。折角だからと全部入りの「もりデラックス」を。味付け玉子にのり、メンマに肉厚なチャーシューがどこどこっとつけ汁に浸っています。むむ。そのつけ汁が妙に甘いなぁ。そう思って顔をあげた先に、店員が筒状の容器からドンブリに白い粉を投入している光景が映った。店員はさらに別の白い粉も入れている。無化調だなんて思ってはいないけど、その堂々とした所作とこの妙な甘さとの連想がなんだかちょっと切ないやね。改めて底のほうから攪拌してみると、辛味や酸味がやっと顔をだしてきた。ふんだんなトッピングをとっかえひっかえして、つるんとした麺をずるずる、ズルズル。最後の最後のところで微妙にアキがくるのは、量の所為ばかりじゃないかもね。新進気鋭なお店たちが旨いつけ麺を繰り出している中にあって、どちらと云えば守る側の山岸印「大勝軒」がこれから変わっていくのか変わらないのか。時折伺って見守りたいと思います。 「南池袋 大勝軒」 豊島区南池袋2-27-16 03-5951-2221 http://www.tai-sho-ken.com/
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