そう云えば、小倉駅周辺は北九州市の中心地区に当たると思うのだけど、北九州駅ってのは聞いたことがない。
どうやら、元々小倉駅は嘗ての小倉市の中心駅で、1963年に門司市・小倉市・戸畑市・八幡市・若松市が合併して北九州市となり、そのまま特に駅名を変えることなく北九州市の中核に位置している、ということらしい。
さいたま市と浦和駅と同じような構図になっているんだね。
初めて小倉駅を訪れた時も乗ったので、
駅から南に向かってモノレールが走っているのは憶えてた。小倉競馬場のひとつ前。
北方という駅で下車します。
駅の階段を降り切って早速に目に留まるのが、
うどん店の店先の様子。純手打ちうどん「百合」に手打ちうどん「山ちゃん」。
界隈には他にも「北方うどん」とか「久野(ひさの)」とか、
「福ちゃんうどん」等、何軒ものうどん店がある模様。
うどん喰いの土地柄のようであります。
都市モノレールの高架から少し離れた駐車場の向こう。入母屋屋根の建物の軒先に、
暖簾の揺れるのが見付かりました。
暖簾を潜って引き戸を引いて一歩、
店内に顔を入れてまず目に飛び込んでくるのが、
湯掻いたうどんを水でしめるための盥。ボコボコとした年季の入り具合が美しい。
その並びに羽釜があるのも素敵な風情であります。
お店の奥に空いたスペースを見つけて、
カウンターの隅に腰掛ける。洗い込まれた様子の沢山の箸が、
出番を待ってくれています。
お願いしたのは「肉肉うどん」の中盛り。肉の盛り度合いを表現するために、
「肉肉」と肉を重ねて表記しているものと心得る。
スジ肉らしきコロコロとしたブロック状の肉がたっぷり。
常連の中には「肉肉肉うどん!」なんて註文を云い出すひとが、
きっといるのではないかなんて、
ふと思ったりなんかしてニヤリとします(笑)。
博多うどんとは毛色の違う黒っぽいツユ。
けれど決して塩辛いことなくかつ脂っぽさもない、
素朴に出汁の旨味の滲むツユ。麺もまた柔い博多のそれとは明らかに違う方向で、
しっかりとした持ち重りのする量感が実に素晴らしい。
小麦粉が濃密かつ均質に纏められ、鍛え上げられているようで、
讃岐うどんの”コシ”を凌駕しているとさえ感じます。
あれあれまぁ、こりゃ美味い(笑)。
おろし生姜をたっぷり投入しての味わいもご堪能。すぐ脇にあったガラス戸棚の中からひとつ、お稲荷さん。
おにぎりやお稲荷さんとの相性もばっちりのおうどんであります。
小倉駅から都市モノレールで南下した、
小倉競馬場近くの住宅地に「今浪うどん」はある。「どきどき系」なんて括りで語られているようで、
その由来がどうも判然と致しませんけれど、
兎に角もう、小倉周辺がこんなにもうどん圏だったなんて、
露程も存じ上げず。
なんだか妙に嬉しい発見をした気分なのです(笑)。
「今浪うどん」
北九州市小倉南区北方3-49-29 [Map] TEL非公開