京都に古くから続く京都肉のお店があると知ったのは、
丸ビル35Fでのことでした。
摩天楼からの風景を抱いた、唯一の東京進出店で品書き末席のステーキをいただいた時。
四条大宮の通り沿いの暖簾や高瀬川沿いの看板を認めては、ここにあるのだねと思っていました。
今回図らずも、その「モリタ屋」へお邪魔する機会に恵まれてタクシーを降り立ったのは、木屋町通りと三条通りが交わる辺りです。
もーいきなり早速、お肉をどうぞと云われるがまま、溶いた玉子にとぷんとして、口へ運ぶ。
数回の咀嚼の後に残るのは、砂糖の甘さか肉の旨味か。
いや、甘さが引き出す肉と脂の滋味と考えるのが幸せか。
そりゃもう、旨くないわけないわなぁー、というのが正直な感慨であります。
その甘さや脂がしつこいかというとそうと、そんな印象はなく、つるんと胃の腑に落ちる感じ。
それらをひと通り平らげたところで、「お肉、追加、しはります?」と訊くオネエサン。
どうせ追加するンでしょ、暗に云われているようでもあるのが口惜しいが、いや結構ですとも応え難い状況が先に立って、再び色の変えていく肉を見詰めることになるのですね。
さらには、「松茸の土瓶蒸し」を啜りながら目を閉じる。
五感を鼻先と口元を入口に研ぎ澄まそうとしてしまうのは、何故(笑)。
明治二年に卸売として創業し、小売そしてすき焼き・しゃぶしゃぶの店を営むようになったという。
コースターや暖簾にあるマークは、牛車だね。
今度は、京都牛の「オイル焼き」なるものも所望したいと思います。
口関連記事:伝統と文化の味・京都肉「モリタ屋」で ステーキ御膳素直な美味(05年04月)
「モリタ屋」木屋町店 京都市中京区木屋町三条上ル上大阪町531 [Map] 075-231-5118 http://www.moritaya-net.com/
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