Bar「Tenderly」で 店名を冠したカクテルと円やかな気遣い

tenderly.jpg南蒲田から第一京浜を辿って大森へ。 中途で降りたタクシーから再びあてずっぽうに捜した足は目的地からどんどん遠ざかるばかり。 道案内を請うて辿り着いたのは、暗渠の上に作ったかのような細長い公園に面したビルの2階です。 何席がそこに止まり木しているのか、左右へとカウンターの木目が伸びている。バックバーに視線を送り乍ら、手元に置かれたメニューを開いてみました。
「中華料理のあとに」とか「胃が痛い」とか「風邪気味のあなたに」などと表題したカクテルに混じって「二日酔いのあなたに」という項には「南アルプスの天然水」とある。 えへへ。「ヘミングウエイ好きのあなた」にはやっぱり「モヒート」だね。 えーと、店名を冠したカクテル「テンダリー」をいただきましょう。tenderly01.jpg ハーブの根強い風味と甘さが交叉する、なんとも表現しにくい不思議な味わいだ。 tenderly02.jpgどんなレシピなんですか?と訊くと、ドイツのハーブリキュール「イエガーマイスター」、「Gland Solage Boulard」のカルヴァドス、そして薬草のリキュール「BENEDICTINE DON」と3本のボトルを並べ、さらにメモまで書いてくれた。 電話連絡にお礼の気持ちと折り紙の中に入れた10円を戻してくれ、チェックに際してはお茶を用意して口腔をさっぱりさせてくれる。トイレにはあぶらとり紙。 そんな気遣いはみんな優子社長の心意気の発露なんだな、きっと。 バーテンダーコンクールの経歴は、肩肘張った方角になんか作用せず、tenderly03.jpg 嬉しくも円やかで細やかで優しいサービスへと昇華しているようです。
「Tenderly」 大田区大森北1-33-11大森北パークビル2F 03-3298-2155 http://www.tenderly.gr.jp/
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