column/01607
割烹・うなぎ「宮川本廛」で 柔らかしっかりうな重のロ
「野田岩」に夏休みで振られた勢いを抱えて、
築地「宮川本廛」へ。
社用に使われそうな雰囲気がここにも満ちています。
宮川の総本店は、明治26年創業だそう。
篆書か古印か、表情のある”鰻”の文字に風格と自信が現わされているかのようです。
焼鳥「宮川」とは、関係ないのかな。「静丸」と違って、うな重などのグレード呼称は分かりやすい、イ、ロ、ハ、ニ、だ。「うな重の”ロ”、赤だし付きでお願いします」。お重の蓋を開ける。畏まるように鎮座する蒲焼がどこか端正な印象を抱かせます。山椒も振らずに、端から箸で挟むと柔らかい身の部分がすすっと切れる。
およそ四角い蒲焼とその下のご飯との組み合わせを几帳面に食べ進むことも可能です(?)。
かといって、ふにふにに柔らかいという訳ではなくて、噛んでみると意外にしっかりとした食感が残ります。これはこれで、いいやね。
どっちが好きかと訊かれたら、「まむし」っぽい(大阪で鰻を食べた覚えはないのですけど)、焼いた身のより香ばしくて力強い鰻を所望ですけれど。
出汁の味が分からない「赤だし」はNG。素直に「きも吸い」が正解です。
「宮川本廛」 中央区築地1-4-6 宮川本店ビル 03-3541-1292