column/02253
Turkish Kitchen「izumir」
ずっと気になっていたトルコ料理のお店「イズミル」にお邪魔できました。ところは阿佐ヶ谷北口駅前の雑居ビル2階。奥へと伸びるカウンターに沿ってベンチシートが並び、左手にテーブル5卓ほどがほの暗いオレンジ色の照明に包まれて配されています。ビールは、「EFES」というトルコのピルスナー。今まで呑んだことのあるどれとも違う香りの、心地よい一杯だ。前菜のプレートが楽しくも旨い。盛り合わせた「カルシュク・メゼ」には6つの色とりどり球状のペーストが載る。ひよこ豆のペースト「フムス」、ミックス野菜のピリ辛仕立て「アジェル・エズメ」、茄子の「パトルジャン・エズメ」、ほうれん草をヨーグルトで和えた「ウスパナック・タラマ」、そして人参とヨーグルトのペースト「ハウチュ・タラマ」。自家製で焼き立て熱々の「エキメキ」と呼ぶパンにのせ、いただきます。ひよこ豆のほっこりした甘さだったり、控え加減のピリ辛だったり、ほどよいヨーグルトの酸味だったり。全体にマイルドな中に、それぞれの素材の魅力が活かされていて、日本人に合う佳い前菜だ。「Yakut」というトルコの赤ワインでラムと牛ひき肉の串焼き「アダナ・ケバブ」。ひき肉のケバブって、初めてかも。挽肉のちょっとザラっとした食感の間から旨味とラムの香りが滲んで、いやー、美味い。ピザも愉しそーと「ペイニルリ・ピデ」をお願いすると、それは両端を絞ったような船形の姿でやってきました。たっぷりコクあるチーズとそれを包むようにした生地とのコンビネーションが、いい。もう1本!とした「Selection Kirmizi」もトルコの赤ワイン。そして、トルコ名物の誉れ高き「ドネル・ケバブ」。削いで薄い肉片からひたひたと滋味が伝わる。こうしてみると、「イズミル」のトルコ料理って、尖がった強い味を控えた、落ち着いた味わいがしみじみと美味しいモノのオンパレード。他のトルコ料理店でも一様にそうなのか、比べてみたくなっちゃったな。
「izmir」 杉並区阿佐谷北2-13-2パサージュ阿佐谷2F 03-3310-4666
http://www.asagaya-izmir.com/