「沿線巡る小田急京王」カテゴリーアーカイブ

和酒厨房「ばさら」で中央フリーウェイと武蔵野工場見学オトナの遠足のその続き

basara♪中央フリーウェイ
右にみえる競馬場 左はビール工場
この道はまるで滑走路 夜空に続く♪
ユーミンのこの曲をかけながら、中央自動車道の下り、高井戸辺りから調布・府中方面へとクルマ走らせたことのあるヒトが少なからずいるのは多分間違いない(笑)。
70年代後半から80年代前半にかけてのことだとすると、クルマの音響機器はiphoneでもCDプレーヤーでもなく、カセットデッキであったはず。
アルバム「14番目の月」を録音したカセットをガッチャンとデッキの口に挿し込めば、松任谷正隆が編曲したイントロが流れ出すのでありました。

それ故、府中あたりにサントリーのビール工場があることは、
ずっと前から知っていたことになる。
工場見学ができることも知っていたけれど、
なかなかそんな機会もなく今まで過ごしてきていました。

この秋に白州の蒸溜所へとふたたび見学に訪れた勢いを駆って、
やってきました武蔵野ビール工場へのアクセスポイント。basara01京王線とJR南武線が交叉する分倍河原駅のロータリーに、
無料シャトルバスの乗り場が待っている。
ロータリーの真ん中でデンと構えているのは新田義貞の騎馬像。
義貞率いる反幕府勢と鎌倉幕府勢とが、
多摩川河畔の分倍河原で戦った歴史に由来するものらしい。
義貞さん、あちこちで活躍されていますね(笑)。

シャトルバスから大きなスクリーンの待つ部屋へと案内されて、
武蔵野ビール工場の説明を聞く。
みんなに配られたダイヤモンド大麦が芳ばしくて旨味があるのが、
実に印象的でありました。
チェコ周辺産出の稀少品と聞けばなおさらでありますね(笑)。

そして「プレモル講座」のカードを首から提げたまま、
引率のおねえさんに連れられて工場内へ。basara02ドデカい仕込槽の中を丸い小窓から順番に覗き込んだり、
銀のパイプが縦横に走る部屋を眺めたり。

発酵を終えて生まれた若ビールは、
低温のタンクで熟成される。basara03そのタンクの中を通り歩けるようになっていて、
誰もが思う撮影スポットとなっています(笑)。

そしていよいよ試飲開場へ。basara04並んだサーバーから、
出来立てであろう「ザ・プレミアム・モルツ」のグラスが、
どんどん配られていきます。

細やかな泡が減ってしまうのを心配しつつ、
スクリーンも使ったプレゼンテーションを見聞きする。basara05あ、乾杯に乗り遅れてしまいました(笑)。

「プレモル」で用いているアロマホップは、100%欧州産で、
チェコはプラハの北方Saazザーツや、
ドイツはミュンヘン北方のHallertauハラタウ地方産の、
ファインアロマホップを加えているのだそう。
そして、煮沸開始直後にはアロマホップだけを使用して、
引き締まった苦味を抽出し、
煮沸終了前後にファインアロマホップを投入して、
華やかな香りを注入するという製法をとっているという。

「香るプレミアム」をワイングラスでいただいて、
グラスの口の香りを愉しんだり。basara06「MASTER’S DREAM」の気品あるコク味を堪能したりして、
楽しいひと時はあっと云う間に過ぎていきました。

一階のファクトリーショップの柱に、
割と最近の日付の入ったユーミンのサイン色紙を見つける。
フロアのおねえさんに訊くと、
以前は工場の壁に看板があったのだけど、今はないのだそう。
高速道路から50m以内は屋外広告物が掲出できない規制があるけれど、
そんなことが関係しているのかな。

オトナの遠足第2弾御一行様は、
ふたたび無料シャトルバスに乗り込み、
分倍河原から府中駅北口へと移動してきました。basara07古民家風内装がしっとりくる「ばさら」の、
奥まった掘り炬燵式個室に忍び込み、
改めてビールのジョッキで乾杯を。
ビールは勿論、今がし方試飲してきたばかりの「プレモル」であります(笑)。

ここもサントリー認定の”プレモル超達人店”みたいだよ、
かなんか云いながら「すなぎも唐揚げ」。basara08素揚げで愉しむことの多い砂肝は、
やや衣で纏ってもまた美味しいことを知りました。

本日のお造り「ばさら盛り」と並んで、
「新秋刀魚のなめろう」も所望する。basara09阿佐ヶ谷「やんたけ」で唸った、
新秋刀魚の焼き霜造りを思い出しつつ、
はらはらと解ける程良き秋刀魚の脂と旨味に、
これはこれでと感心します。

汁ものもいいねと「下仁田葱ときの子の卵とじ」。basara10火傷しそうになりながら、下仁田の葱の甘さをにんまりと。

「揚げだし豆腐」に続いて、
あれば気になる「むかごのバター醤油」も。basara12皮目の独特の香りとほくっとした歯触りがいい。
やっぱり秋の味覚のひとつということになりましょか。

宮崎からだという「鶏白レバー炙り刺し」。basara13炙って火を入れたことで旨味が活性化する面もある。
忽ち焼酎が呑みたくなる気分になります(笑)。

もちょっとお腹に入れときたいとのリクエストにお応えして、
「ばさらのおにぎり」を遠足の最後に。basara14お椀を待ち兼ねつついただくおにぎりは、
混ぜ込んだ火薬や味付けの塩梅やよろし。

府中駅北口、国分寺街道沿いのビル地階に和酒厨房「ばさら」がある。basara15落ち着いた古民家風の雰囲気はが悪くない。
一階のアプローチからはその佇まいが窺えず、
それが反って隠れ家的な空気も醸し出しています。

「ばさら」府中本店
府中市府中町1-25-12 ゼルコバビルB1F [Map] 042-363-6000
http://www.wasyuchubo-basara.com

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休憩茶屋「たぬきや」で 鉄橋眺める河川敷の麦酒特別な心地良さ

tanukiya.jpg川面を眺めながらの河原での夕涼みとか、 川辺でのバーベキューの麦酒とか、いいよね。 海辺の魅力とはまた違う水辺の情緒が素敵です。 その一方で、電車が踏切を滑り抜ける姿とか、 鉄道車両が鉄橋を駆けてゆく光景には、 鉄ちゃんならずとも、しばしそれをじっと眺めてしまう魅力がある。 そんな、川沿いの魅力と鉄道脇の情緒をお酒と一緒に一度に楽しめてしまう場所があると知って、 以前から行きたいなぁと思っていました。

タワーマンションが林立し躍進目覚しい武蔵小杉駅でJR南武線に乗り換えて、 降り立ったのは稲田堤駅。 そこから一路、多摩川の方向へと向かいます。 多摩川の土手を走る車をやり過ごして、土手の向こうに立てば、 お目当ての建物が見下ろせる。

戸外に置かれたテーブルは既にもう、お客さん達で賑やか。tanukiya01.jpg運よく席を離れる親子がいて、居場所を得ることができました。

早速、厨房があるらしきところの列に並ぶ。 残念ながらもう「牛もつ煮込み」は、品切れの様相と知る。 隅ではおばちゃんが焼きそばを炒めたり、 焼き鳥の串を動かしたりしています。tanukiya02.jpg振り返って眺めた店内が割とガランとしているのは、 こんないい日和の午後にはみんなやっぱり外の席がいいからに他なりません。

さてさて、ジョッキの麦酒をゲットして、いざいざ乾杯!tanukiya03.jpgジョッキを傾け、ぷはーとしたところにそよそよっと風が吹いて、 あー、なんともいい心地であります。

盛り合わせをするにももう、おでん鍋の中は空になる寸前で、 ではそれだけでもと頂戴した「おでん」の竹輪。tanukiya04.jpg残り物にたっぷりと汁が沁みています。

多摩川の向こう岸は、調布の街並み。tanukiya07.jpg鉄パイプを組んだ簡易な屋根に日除けの葦簀。 流れる雲に秋の色が覗いています。

品切れだったけれど、やればできるよと云われてお願いした「枝豆」は、 つまりは湯掻き立て。tanukiya06.jpgまだまだ温かい枝豆をつるんと口に搾れば、ああ旨い。 塩梅よき湯掻き立ての枝豆がいただけるとは思いませんでした。

そして、川のやや上流を走るのが京王の相模原線。tanukiya08.jpgこの自転車に乗り、犬を連れてやってきた捻じり鉢巻きのおやじさんは、 店の入口を入ったり出たりしながら何かしらお世話をしているようだけど、 常連さんなのかな、それともお店のスタッフなのかな、どっちだろ(笑)。

「ホッピー」と迷いつつ、シンプルに「チューハイ」を。tanukiya09.jpg一緒に注文んだ「冷奴」も、このシチュエーションでは格別に美味しく思えます。

そして、タレでお願いしていた「焼き鳥盛り合わせ」5本がやってきた。tanukiya10.jpg「とり正肉」「つくね」「白モツ」と豚の「カシラ」「レバー」あたりでしょうか。 そうそう、この辺りで「焼きそば」もと思ったら、なんと売り切れ。 しまった、さっき注文しておくのだった! ないと知ると益々募る、「焼きそば」恋し(笑)。

そうこうしている裡に、鉄橋の向うに夕陽が沈んでゆく。tanukiya11.jpg川縁からは、爪弾くギターの音が聞こえてきました。

多摩川の河川敷に建つ、心地良き休憩茶屋「たぬきや」。tanukiya12.jpg「たぬきや」はなんと、昭和10年から営んでいるという。 嘗て、鉄橋の下辺りを渡し船が行き来し、土手の両側が桜並木で、 何十軒もの茶屋が並ぶようなちょっとした名所であったらしい。 それが今や、一軒のみ残る川岸の憩いの場となっているんだね。

ちなみに、河川法では、河川を排他・独占的に使用したり、 河川に工作物を設置することを制限している。 河川管理者が特定の者に、河川敷の占用を許可している場所もあるけど、 一般に許可を得られているのは地方自治体である模様。 「たぬきや」の心地よさは、 昭和の初頭からの歴史があるからこそ享受できる特別なことなのかもしれません。

秋が深まった頃には、冬季限定「とりなべ」「湯豆腐」や「みそおでん」で、 お酒を舐めるのもきっといい。 その時には、食べそこなった「牛もつ煮込み」や「焼きそば」もいただかなくっちゃ(笑)。


「たぬきや」 川崎市多摩区菅稲田堤2-9 [Map] TEL非公開
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Soul Bar「ALGONQUIN’S BAR」で 舐めるバーボン重なるメロウ

algonquin.jpgそれは、秋の終わり頃。 渋谷さくら通りの急坂にある「RISOTTOCURRY standard」のカウンターから、その本丸である代田の「世田谷BAL」へ。 賑わう「世田谷BAL」でグラスのワインをいただいて、すっと次々やってくるヒトたちに場所を譲る。 そこから緑道を沿い、住宅地を抜けシモキタへ。 茶沢通りを辿ります。
近々沖縄の実家に戻るという同僚が「ココ、ココ」と指で示すのは、 ジャズハウス並びの板張りの扉。algonquin01.jpg壁には、アフロヘアーの男女が向かい合う構図が描かれています。

扉に近づくと、扉の中央にさらに小さな扉。 パカリと開けるとカウンターを埋めるひと影が覗ける。algonquin02.jpgお向かいの「バーミヤン」の”桃”が硝子に映ります(笑)。

先客さんたちの背中に沿って、ちょっと横歩きに店の奥へ。 カウンターの角っこ辺りに落ち着きました。

バックバーにはボトルの列の代わりに、ギッシリのレコード。algonquin03.jpgalgonquin04.jpgalgonquin05.jpg 目の前のターンテーブルがするすると回って、店内の空気を心地よく震わせます。

「I.W.ハーパー」のロックあたりで改めての乾杯。algonquin06.jpg舐めるバーボンの柔らかさに重なるメロウなメロディ。 壁に掛けられた額のひとつにはジミヘンがいる。 今の曲は誰のだろう。

シモキタの一隅がよく似合うソウルバー「ALGONQUIN’S BAR(アルゴンキンズ・バー)」。algonquin07.jpg“ALGONQUIN”は、ニューヨークにある伝説的な老舗ホテルの名前を冠したものだそう。 こうしてターンテーブルが紡ぎ出す音色に包まれながらウイスキーの琥珀を傾けるのは、 なかなかに心地いいことを再発見。 仲間と一緒でも、おひとりさまでも。 こんな店が近くにあったらいいのにな。

口 関連記事:   BAL「RISOTTOCURRY standard」で 妙に嬉しい5杯目のグラス(11年12月)


「ALGONQUIN’S BAR」 世田谷区代沢5-6-14 [Map] 03-3412-6942
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自家製麺 「嗟哉」で 和出汁つけ麺と濃厚魚出汁ラーメンと嗚呼

anaya.jpg京王新線を初台で降りると、そこは東京オペラシティ。 そう云えば、コンサートホールどころか建物の中にすら入ったことがなかったことに気づいたり。 タワーの展望レストランフロアに上がってランチというのもいいかもと考えつつ、一階に出てから新国立劇場との間のガレリアを進みます。
ガレリアの高い高いアーチの天窓から陽射しが洩れて明るく、 なんだかゆったり気分。anaya01.jpgひと気少なく静かな空気がちょっと勿体ないくらいだ。 階段を登り切り、そのまま真っ直ぐ裏手に抜ける。 その先の水道道路沿いにある白い暖簾が、この日のお昼処です。

anaya02.jpg店先のホワイトボードを覗き込むとそこには、「つけ麺(中太麺260g)750円」。 麺類全種類、中盛り1.5倍、中盛り少なめ1.25倍、増量無料、とも手書き文字が躍っています。 券売機で「和出汁つけ麺」のボタンをポチとします。

自家製麺を謳う「嗟哉」の麺は、パスタのようなつるんとした見映えのする。anaya03.jpg 割り箸で掴んだ感じも円い断面を思わせて、 京橋「恵み屋」の蕎麦のように押し出して作るのかもと一瞬考えたりして。

魚粉のっけのつけ汁は、バランスのいい安定感。anaya04.jpg つるつるとした口元の感触と粉の旨みにとろみのある汁が意外なほど絡んで渾然となる。 いいんじゃないでしょか。 麺箱には「ラーメン創房 玄」の文字。 平打ち麺も選べるようです。

別の日の昼下がりには、「濃厚魚出汁ラーメン」200g。 海苔をのっけてもらいます。anaya05.jpganaya06.jpg 乳化したスープはどこか懐かしい。 意外と肌理の細やかなテクスチャのスープは、そう思わせておいて、ぐぐぐと濃度を増してくる。 鶏の風味と脂とを魚介スープで整えた按配。 ここでもつるんとした自家製麺が個性を発揮してくれてます。

無化調「ラーメン創房 玄」の流れを汲むという、自家製麺「嗟哉(あなや)」。anaya07.jpg“嗟哉”は、漢文で嗚呼(ああ)等と同じ感嘆詞。 その店名に含ませた含蓄や意図を訊ねたいところだけれど、 それ相応の応答が期待できない雰囲気なのがなにより残念であります。

口 関連記事:   立食い立呑み十割そば「京橋 恵み屋」で 押し出しそばこんもり(06年05月)


「嗟哉」 渋谷区本町2-4-3 [Map] 03-3375-8117
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Bar「カエサリオン」で ミント・ジュレップ駅前にして隠れ家バー

caesarean.jpgじわっと暑い初夏の頃、 薪釜ピザ「enboca」を訪ねた以来の代々木上原へ。 駅の高架沿いの和食「笹吟」へお邪魔した道すがら、もう一軒寄り道しようと同じ通りをふらふらと。 目星をつけていたバーの所在が判らず電話を架けて訊ねると、なんとその店の真ん前にいました(笑)。
雑居ビルの外階段のすぐ下の暗がりにある扉は、 そうと知らなければ、ビルの通用口か倉庫のようでもあり、 駅前にしてひっそりとした隠れ家のようです。

硝子越しに中が少し覗けるのに安堵して、その扉を引き開けます。 頭をポリポリ掻く感じで、ちょうど空いていたカウンターの隙間に止まり木します。 どうも、今し方は、ポリポリ。caesarean01.jpg黒が基調のカウンターやバックバー。 無彩色のステージに棚のボトルや卓上のグラスが主役として浮かび上がる感じ。 熟達を思うバーテンダーのバーコートもきりっと映える設え。 こじんまり感がちょうどよく、店の中にも程良い隠れ家感を想います。

ほんの少し身を乗り出して覗いたマスターの手元にはミントの葉。 そうとなれば、「モヒート」か「ミント・ジュレップ」か。 「ミント・ジュレップ」をいただきましょう。caesarean02.jpg時季には、何杯となくそのグラスを作っているらしい手際を眺めるひと時も愉しくて。 ミントの翠鮮やかなモヒートがすっとカウンターに置かれました。 caesarean03.jpgcaesarean04.jpg 用いるバーボンは、FOUR ROSES。 バーボンのコクとすっきりした甘さとのバランスよろしく、 ミントの風味が心地よく涼風を運んでくれます。 うん、美味しい。

caesarean05.jpgもう一杯だけと、 バックバーからモーツァルトでもブラントンでもない、 球形のボトルに目をつけました。caesarean06.jpgどうやらゴルフボールを模したボトルらしく、ラベルにはOLD ST.ANDREWS、とある。 彼のゴルフの聖地との関係は判然としないまま、なるほどと傾けるグラス。 ゴルフコンペでの景品に持て囃された時期もあるのでしょうね。

駅前にして隠れ家のバー、代々木上原「カエサリオンCaesarean」。caesarean07.jpg通うほど通うにつれ、より深く心地いいバーのひと時を提供してくれそうな、 そんな予感がいたします。


「カエサリオン」 東京都渋谷区上原1-33-16 第一オーツカビル1F [Map] 03-3485-2907
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