飯田橋ワインバル「八十郎」で南豪州産ヤルンバの夜料理により個性的な表情を変える

hachijyuro飯田橋というとどちらかと云えば外堀通り側に出ることが多くって、そのまま神楽坂上に向かっててろてろと上がっていくシチュエーションが多かったりする。
早稲田通りを千代田富士見の丘に進めば、そうそう「青葉」の並びの餃子「おけ似」は健在だろうかと急に気になったりする。
九段下へと至る目白通り側にもお店が続いているものの如何にも幹線通り沿いの雰囲気の光景が思い浮かびます。

東西線で向かったこの夜は、
当てずっぽうに飯田橋駅のA2出口から地上へ出る。
と、目の前に早速目的地のサインを見つけてしまう。
今夜は、飯田橋ワインバル「八十郎」にお邪魔です。

促されるまま階段を辿った二階の天井は、
旧き木造建屋を利用した風情。hachijyuro02hachijyuro01誂えてくれたテーブルを囲むよう腰掛けて振り返れば、
網入り硝子越しにさっき出て来たメトロの出口が見下ろせます。

今夜のお題は、
まだ耳慣れない「ヤルンバ」というワイン。hachijyuro03コーナーのテーブルに何気なく飾られています(笑)。

「Carlsberg」で乾杯の後、
早速グラスに注いでいただいた「ヤルンバ」の白。hachijyuro04“割とクセがある感じ”という、
「ヤルンバ」経験のある女史の寸評に頷きつつ、
グラスを傾けます。

確かに独特の味わいではある。hachijyuro06ただ、いただいたのは「ヤルンバ」の中では比較的、
クセのないタイプのボトルらしく、
ドライで軽快な呑み口が第一印象だ。

どうぞどうぞと届くお皿には、
イベリコにハモンセラーノ。
どっちゃり載せた前菜の盛り合わせには、
田舎風パテや鰯の酢漬け、穴子のフリットなぞ。hachijyuro05hachijyuro07hachijyuro08青々をこんもりと盛られてきたのは、
最近よく目に付くようになってきたご存知、パクチーのサラダだ。

どこか素っ気ないのかもとも思っていた「ヤルンバ」が、
用意いただいたタパス的お惣菜たちと逢わせる度に、
ふっと表情を魅せては退いていく。hachijyuro09hachijyuro10hachijyuro11薫香を纏わせたカルパッチョに追い駆ければ、
実は得意分野なの!とばかりにふふっと笑顔を魅せたかと思うと、
次の瞬間にはすっと仄かな気配になる。

なんだかツレナイようでいて、
折に触れて眸を輝かせて応えてくれる感じのする「ヤルンバ」。hachijyuro14hachijyuro13ふたたびパクチーをいただいたトムヤム的アヒージョには、
ぴり辛系でオイリーな挑みにも柳腰で受け止めて、
妖しい流し目を送って消えていく。
白桃のニュアンスだったり、白い花のイメージだったり。
ただただドライなだけの白なのではなくて、
幾重にも個性的な味わいや香りの層を潜ませているような、
そんな吞み口が「ヤルンバ」の「ヴィオニエviognier」なんだ。

そんな「ヤルンバ」は、オーストラリアからやってきたワイン。
ワイナリー「ヤルンバYALUMBA」は、
オーストラリア最古の家族経営によるワイナリーだという。
その所在は、南オーストラリア洲のバロッサ。
それは地図を眺めると、南極に面した地域とも云えそうだけれど、
州都アデレード郊外のバロッサ・ヴァレー周辺には、
沢山のワイナリーがあり、
欧州からの移民によって開拓された、
優良なワイン産地として知られているらしい。
南極海をその先に控える地域の谷合がそんなことになっていたとは、
恥ずかしながらまったく知りませんでした(汗)。

“ヤルンバ”は、先住民の言葉で”すべての土地”の意。
自らをそう名付けたワイナリー「ヤルンバ」では、
バロッサ隣接の、やや標高の高いエデン・ヴァレーで、
栽培が難しいといわれる「ヴィオニエviognier」の栽培に、
力を注いでいるのだそうだ。

テーブルには脂のコクとスパイシーさで迫るお皿や、
蝦夷鹿の身肉がやってきた。hachijyuro15hachijyuro17hachijyuro19そこへ空かさず顔を出したのが「ヤルンバ」の赤。
シラーズにヴィオニエを数%程度含んだ2013年のボトルだ。

それは、ドン!と直球の赤ではなく、
オーストラリアを思わせるシラーズゆえの華やかな果実味。
それが、大胆な妖艶さの中に繊細さが顔を覗かせるのは、
少し含んだヴィオニエの悪戯なのでありましょか。hachijyuro18hachijyuro20hachijyuro21肉料理ばかりでなく、
胡椒たっぷり、カルダモンたっぷりのスパイシーなパスタにも、
ふたたびパクチーをいただいたアラビアータにもそつなく似合うんだ。

デザートに栗のカタナーラをいただいて大団円。hachijyuro22今までオーストラリアのワインの印象は、
シーラズの?ぐらいしかイメージを持てていなかった。
けれどこれからは、南オーストラリアにバロッサという産地があるんだ、
といった目線が活かせそう。
その代表格が、オーストラリア最古の家族経営ワイナリー、
「ヤルンバ」だって知ってしまったもんね(笑)。

メトロの飯田橋、
A2出口のその前にワインバル「八十郎」の古家がある。hachijyuro23心地よいざわめきの中で、
ワインに合う料理と料理に合うワインとを、
朗らかに繰り出してくれそうな雰囲気を持っている。

そう云えば、中央区役所裏の図書館へ向かう途中のあの店も、
新富町の「BROZERS」に向かう道すがらで目にしたあの店も、
どちらも確か「八十郎」。

そんな「八十郎」へは、
エスニック料理に「ヤルンバ ヴィオニエ」をぜひにとグイと推す、
サントリーの企画でお邪魔しました。
「ヤルンバ ヴィオニエ」ブランドサイトは、こちら から。
Amazonで速攻お試しも可能のようですよ。

「八十郎」
千代田区飯田橋3-7-8 1F-3F [Map] 03-6256-8063

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